2019年ONE総合格闘技ベストウォリアー5選手

Christian Lee IMGL9577

ONEチャンピオンシップの2019年は、ONE史上最も活気があり、大成功を遂げた年だった。世界クラスの総合格闘家たちが最前線で激闘を繰り広げ、1年を通して大会を盛り上げた。

その中でも一貫して素晴らしいパフォーマンスを見せ続け、衝撃的な勝利を挙げ続けた選手たちがいる。

これらのアスリートたちは向かってくる敵全てを引き受けて、自分たちのスキルを見せつけ、新たな高みに自分を引き上げる絶好のチャンスとして戦いに挑んだ。

1年間の成果を評価し、2019年の総合格闘技ベストウォリアー5選手を発表する。

#1 クリスチャン・リー

今年の年間最優秀選手「ウォリアー・オブ・ザ・イヤー」はクリスチャン・リー(シンガポール)だ。リングネームの「ザ・ウォリアー」にふさわしい活躍を見せ、ONEで2つのベルトを獲得し、キャリアの転機となるような1年を過ごしたのだ。

2019年の初戦は1月の「ONE:ETERNAL GLORY」で、エドワード・ケリー(フィリピン)を相手にリベンジを果たす。2018年に不運な失格を喫したケリーを相手に、第1ラウンドで見事なノックアウト勝ちを決めたのだった。

ここからリーの2019年は思わぬ方向へ転がりだす。友人で元トレーニングパートナーでもある青木真也が、3月の「ONE:A NEW ERA 新時代」でONEライト級世界王者となった直後に、次の対戦相手としてリーを指名したのだ。

5月の「ONE:ENTER THE DRAGON」で両者は激突。リーは第1ラウンドに、青木の巧みなアームバーに苦戦を強いられる。だがなんとかやり過ごして迎えた第2ラウンド、リーは強烈なパンチで青木を吹き飛ばしてノックアウトし、世界タイトルを手に入れたのだった。

その後リーは、初防衛戦の相手となるであろう、ONEライト級世界グランプリ(WGP)の優勝者が決まるのを辛抱強く待っていた。ところが決勝に出場するはずだったエディ・アルバレス(米国)がケガにより辞退。「ONE:CENTURY 世紀」第1部での決勝戦のわずか17日前に、リーは急きょ、代役として出場を打診され、そしてそのオファーを受けた。

迎えた決勝戦。リーは3ラウンドに及ぶ戦いで、ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)との激しい攻防を制し、ONEライト級WGPのベルトを手にしたのだった。

リーは我々の目の前で着実な成長を遂げてきた。わずか21歳にして、階級を上げてそこで2つのベルトを獲得してしまったのだ。そしてもそれもまた、彼にとっては始まりでしかないのだろう。

#2 アウンラ・ンサン

アウンラ・ンサン(ミャンマー)はONEミドル級とライトヘビー級の両方の世界タイトル防衛に成功し、重量級の王者としての地位を固めた

2019年3月の「ONE:A NEW ERA 新時代」。2018年の年間ベストバウトに選ばれた試合の対戦相手、長谷川賢とリマッチで、アウンラ・ンサンは第2ラウンドでのTKO勝ちを収めた。

10月の「ONE:CENTURY 世紀」第2部では、階級を戻してONEライトヘビー級の王座防衛に臨む。相手はONEヘビー級世界王者のブランドン・ベラだ。

手に汗握る激しい攻防はアウンラ・ンサンが第2ラウンドにTKO勝ちで制す。そしてベラはONEで初めての敗北を喫したのだった。

#3 マーティン・ニューイェン

ONEフェザー級世界王者のマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)は、トップクラスの挑戦者を相手に立て続けにフィニッシュ勝ちを決め、フェザー級での圧倒的な地位をより強固なものにした

まず2019年4月の「ONE:ROOTS OF HONOR」で、モンゴルの英雄ナラントンガラグ・ジャダンバと対戦。第2ラウンドに驚愕の飛び膝蹴りでノックアウト勝ちする。

さらに8月の「ONE:DAWN OF HEROES」では、急上昇中の松嶋こよみを挫き、再び第2ラウンドでTKO勝ちする。

ONEライト級世界タイトルへの挑戦を諦めて、より自然な体格に近いフェザー級に全力を集中させる、というニューイェンの判断は明らかに正しいものだった。そして米国のジム「Hard Knocks 365」と「Sanford MMA」への移籍も見事に報われたと言える。

#4 デメトリアス・ジョンソン

史上最強の選手の一人、DJことデメトリアス・ジョンソン(米国)は2019年に待望のONEデビューを果たす。そして長年に渡り北米を席巻してきたその実力を、いかんなく発揮した。

ジョンソンは3月に開かれた「ONE:A NEW ERA 新時代」のONEフライ級世界グランプリ(WGP)初戦でONEデビュー。若松佑弥のベストショットを受け止めつつ、第2ラウンドでサブミッション勝ちを収めた。

続く8月の「ONE:DAWN OF HEROES」では、和田竜光の巧みなグラップリング(組み技)を攻略してユナニマス判定で勝利し、決勝に駒を進める。

そして10月の「ONE:CENTURY 世紀」第1部の決勝戦では、ダニー・キンガッド(フィリピン)を撃破しONEフライ級WGPを制覇。同部門現世界王者のアドリアーノ・モラエス(ブラジル)への挑戦権を獲得した。

#5 キャムラン・アバゾフ

キルギスのスター、キャムラン・アバゾフは2019年、ONEウェルター級世界タイトルへの挑戦権を手にし、さらにその機会を最大限に活かした。

まず5月の「ONE:FOR HONOR」で、岡見勇信を相手にTKO勝ち。ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)が持つベルトに挑むことになった。

10月の「ONE:DAWN OF VALOR」でカデスタムと対戦したアバゾフは、一段上のレベルに進化していた。5ラウンドを通してあらゆる面でカデスタムを上回り、ユナニマス判定で勝利を獲得したのだった。

アバゾフはこのパフォーマンスで、彼こそがウェルター級最強の選手であることを証明。2020年をONEウェルター級世界王者としてスタートさせることに成功した。

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