【11/8大会】MASTERS OF FATE 出場選手のパフォーマンス5選
2019年ラストのフィリピン・マニラ開催となるONEの大会では、多くのエリート格闘家が会場のモール・オブ・アジア・アリーナに集結する。
11月8日(金)の「ONE: MASTERS OF FATE」には、ONEでも最も偉大なベテラン選手たちが参戦する。その中には、フィリピン出身のヒーローや大きなプレッシャーの中で輝いてきた世界王者たちの姿もある。
大会で見られるであろうトップレベルのアクションの予告編として、出場選手たちのベストパフォーマンスをいくつかご紹介しよう。
#1 パシオ、内藤禎貴から王座奪取
最初に内藤禎貴(のび太)に挑んだ時、ジョシュア・パシオ(フィリピン)は寝技で全く歯が立たなかった。だが、その2年後、パシオは格段にレベルを上げていた。
昨年9月の「ONE: CONQUEST OF HEROES」でパシオは、内藤から王者の座を奪うことに成功した。ストライクオフェンスとテイクダウンディフェンスと共にレベルアップした多様なグラップリングの技を駆使し、マット上で内藤を圧倒した。
試合開始直後から、パシオは猛スピードで力強いパンチとキックを連打し、内藤を怯ませた。ようやく歩を進めた内藤だが、すぐにその代償を払うことになる。テイクダウンの試みはほとんどが止められ、何とかパシオをホールドしてもベストとはいえないポジションに終わった。
パシオにとっては初の第4、5ラウンドで、試合の風向きが変わった。内藤からプレッシャーをかけられながらも、パシオは冷静さを保ち、大きな危険を回避した。
5ラウンド終了後、パシオはユナニマス判定で勝利。ONEストロー級世界王者に輝いた。
#2 レベルアップしたカタラン
それまで無敗を誇っていたステファー・ラハルディアン(インドネシア)は階級を下げてストロー級で「ONE: REIGN OF KINGS」に参戦。これまで以上に危険な存在に見えた。だが、レネ・カタランは自国フィリピンで軽々とサブミッション勝ちを決められるつもりは毛頭なかった。
ベテラン格闘家カタランは試合開始直後すぐ、明らかなリーチの差をくぐりぬけて懐に入り込み、ラハルディアンの顎に左フックを打ち込んだ。
カタランはさらにハードなローキックも多用し始める。15分間、ダメージを受け続けたラハルディアンは終盤は立っているのがやっとだった。
終始、優勢を保ったカタランはレスリングのトレーニングの成果を発揮し、ラハルディアンは得意の寝技での戦いで敗北。マットに背中をつけて試合を終えた。
カタランはユナニマス判定でそれまでのキャリアでは最大の勝利を収めた。数ヶ月後、もう1戦に勝利したカタランは、11月8日(金)にONEストロー級世界タイトルを賭けてパシオに挑む権利を得た。
#3 フォラヤン、最高のパフォーマンス
エドゥアルド・フォラヤンが最高のパフォーマンスを見せたのは、最も重要な試合でだった。母国フィリピンのモール・オブ・アジア・アリーナでのONEライト級世界タイトル戦でのことだ。
「ONE: CONQUEST OF CHAMPIONS」で、フィリピンのヒーロー、フォラヤンはライト級最強のKOアーティストと呼ばれるアミール・カーン(シンガポール)と対戦した。だが、5ラウンドを通してその戦いに危うさはほとんどなかった。
フォラヤンは鋭いキックでカーンとの距離を保ったが、試合が進むにつれ、接近戦にも積極的に持ち込み、様々な技を織り交ぜて攻撃した。滑らかなボクシングコンビネーションを次々に連打し、鮮やかなスピニングエルボーを決めた時には観客は総立ちになった。
クリンチを狙ってカーンをマットに叩きつけた時には、グラップリングも披露しパフォーマンスに華を添えた。フォラヤンの圧倒的に優位な試合展開に、ユナニマス判定での勝利は誰もが納得する結末だった。
「ONE: MASTERS OF FATE」で、フォラヤンはメインイベントの一つでモンゴルの強者アマルサナ・ツォゴーフ(モンゴル)と対戦する。
#4 ユスターキオ、再戦制して戴冠
ジェヘ・ユスターキオ(フィリピン)がカイラット・アクメトフ(カザフスタン)との最初の対戦に負けた時、多くのファンはそれを運が悪かっただけ、と評した。そのため、再戦のチャンスを得たユスターキオは、決してそれを無駄にはしなかった。
数ヶ月後の「ONE: GLOBAL SUPERHEROES」でのONEフライ級暫定世界タイトル戦で、ユスターキオはアクメトフのレスリングを押さえ込み、冷静さを保ってストライクで反撃し、これまでで最高のパフォーマンスを見せた。
序盤、アクメトフのグラップリングに苦戦したユスターキオだが、第1ラウンドでテイクダウンされた時にもプレッシャーの中、落ち着きを保ち続けた。数秒後にはサブミッションを狙いに行き、ポジションは逆転。ユスターキオがグラウンド・アンド・パウンドで猛攻を開始した。
そこから優位に立ったユスターキオは、試合をコントロールしストライクの威力を見せつける。様々なアングルからのパンチ、キック、膝蹴り、肘打ちで相手を攻め立てた。
アクメトフは得意のグラップリングの効果もほとんど発揮できないまま、ユスターキオがONE初の世界タイトルを勝ち取った。
#5 内藤、雪辱を果たす
2017年の終わりにアレックス・シウバに敗北し、ONEストロー級世界王座から陥落した内藤禎貴は、5ヶ月後、完璧に準備を整えて挑戦者として再戦に臨んだ。
前回よりも非常に積極的な戦いを見せた内藤は、接近してシウバのストライクの脅威を回避し、自分から打撃を打ち込んだ。
内藤にとってシウバとの初戦での最大の問題は、得意とするトップクラスの寝技で攻められないもどかしさだった。だが今回は狙い通りのテイクダウンに成功。戦いをマットに持ち込んでからは時間をかけて、ブラジリアン柔術黒帯のシウバに組み付いた。
5ラウンドに渡る試合で、初戦でやり残したことをすべてやり尽くした内藤は、当然の判定勝ちで世界タイトルを再び手に入れた。
11月8日(金)内藤はポンシリ・ミートサティート(タイ)と対戦。歴史に残る3度目の王者就任への一歩を踏み出す。
マニラ | 11月8日 (金) | 18時半(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)