【10/13大会】「ONE: CENTURY PART Ⅱ」出場選手の名勝負5戦
10月13日(日)に開催される「ONE:CENTURY 世紀」の夜の部、「ONE: CENTURY PART II」は、朝の部に劣らぬ好カード満載で、格闘技史上最大のイベントを締めくくる。
東京・両国国技館で開催される歴史的ダブルヘッダーの第2部は、王座と栄誉をかけてビッグネームのアスリートや世界チャンピオンが集結、より豪華なラインアップでお届けする。
ONEチャンピオンシップが全力でお届けする今大会に先立ち、出場選手の過去のベストファイトを楽しみながら、来るべき戦いに思いをはせることとしよう。
#1 ロッタン死闘制し王座奪取
今年8月の「ONE: DAWN OF HEROES」で行われたONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンシップ、王者ジョナサン・ハガティー(イギリス)対挑戦者ロッタン ・ジットムアンノン(タイ)は、ONEきっての若きストライカー同士による不朽の名勝負となった。
序盤はハガティーが長いリーチを生かして、安全な距離を確保しつつロッタンを攻め込んでいたが、試合中盤から様相が一変する。
距離感をつかんだロッタンが、スリリングな打ち合いに打って出たのだ。両者とも引き下がらない。しかし第4ラウンドに大きな転機が訪れる。ロッタンのボディショットがハガティーを捉えると、右パンチの追撃でノックダウン、このラウンドを10対8とし、残り時間3分の時点で大きく主導権を握ったのだ。
最終ラウンドにも、両者は再び全力を尽くしたすばらしい打ち合いを見せたものの、ハガティーの形勢逆転はならず、ロッタンがユナニマス判定勝ちでベルトを奪取したのだった。
そのロッタンは東京大会で、ボルター・ゴンサルベス(ブラジル)を迎え撃ち、ONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンシップの初防衛戦に臨む。
#2 ベリンゴン2冠王者を撃破
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)がようやく、世界のステージで始めてベルトを獲得したのは昨年7月のことだった。それも、この上なく申し分ない相手を下したのだ。
2018年7月の「ONE: REIGN OF KINGS」でベリンゴンは、当時ONEの2階級世界王者だったマーティン・ニューイェン(オーストラリア)を判定で退け、ONE暫定バンタム級世界タイトルを奪取したのである。
慎重な展開で始まった第1ラウンドを経て、第2ラウンドに入るとペースをつかんだベリンゴンが、距離を詰めてパワフルな打撃で攻め込む。
スロースタートだったニューイェンも、チャンピオンシップ・ラウンド(第4ラウンド、第5ラウンド)に入るとテンポを上げるが、絶好調のベリンゴンはそこから巧みにカウンターパンチ狙いの戦略に転じ、ユナニマス判定勝ちに結びつけたのだった。
ベリンゴンは東京大会で、ビビアーノ・フェルナンデスとの4度目の対戦で、再びの戴冠を狙う。
#3 サナ、キャリア最大の金星
ムエタイとキックボクシングのトップアスリートとして知られるサミー・サナ(フランス)ではあるが、ONEフェザー級キックボクシングワールドグランプリでまさかヨドサンクライ・IWE・フェアテックス(タイ)に勝つと予想した人はほとんどいなかった。
しかし今年5月の「ONE: ENTER THE DRAGON」で行われたトーナメント準々決勝で、サナは一世一代のパフォーマンスで、キャリア最大の金星を挙げたのだった。
サナは第1ラウンドからアグレッシブに攻め込み、ヨドサンクライを守勢に追い込む。ヨドサンクライが反撃を試みようとしても、サナのカウンターの左ショートパンチに後退を余儀なくされ、攻略に至らない。
第1ラウンドを10対8でリードしたサナは、そこからは流しても勝てたであろうところ、本人にはそんなつもりがまったくなく、残りの2ラウンドにわたって、距離の長い蹴りと堅いジャブでヨドサンクライにチャージを許さなかったのである。
冷静さ、制御の効いた攻撃性、そして正確な打撃で、サナはユナニマス判定勝ちを得るととともに、ヨドサンクライの7年間無敗記録を終わらせ、トーナメントを勝ち進んだのだった
その後準決勝でも勝ち決勝に進出したサナは、ワールドタイトルと賞金100万米ドル(約1億円)を獲得すべく、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)と対戦する。
#4 アウンラ・ンサンが歴史作る
ミャンマーのスポーツ界で初の世界チャンピオンとなったアウンラ・ンサン(ミャンマー)がヤンゴンでビタリー・ビグダシュ(ロシア)を下しONEミドル級ワールドチャンピオンシップを獲得した試合は、2017年度のファイトオブザイヤーに認定される名勝負となった。
試合は開始早々からフルスピードの展開となった。アウンラ・ンサンがビグダシュをいきなりノックダウンし、秒殺すべく追撃したのだ。しかしタフなビグダシュがどうにかサバイバルしたことで、その後25分間にわたる手に汗握る名勝負が展開していくことになる。
両者の攻防はラウンドごとに流れが変わりながら続いたが、試合終盤にアウンラ・ンサンがもう1段ギアを上げてジャッジに印象を与え、ユナニマス判定勝ちを収めたのだった。
アウンラ・ンサンはその後獲得したONEライトヘビー級世界タイトルの初防衛戦を日本で行う。挑戦者はONEヘビー級世界チャンピオンのブランドン・ベラ(フィリピン)だ。
#5 猿田洋祐ONE2戦目でベルト
猿田洋祐にとって、2019年はこの上なく最高のスタートを切ることとなった。1月の「ONE:ETERNAL GLORY」にジョシュア・パシオ(フィリピン)を下して、ONEストロー級世界タイトルを奪取したのだ。
ウーシュー仕込みの打撃と、高いグラウンド能力で知られるパシオに対して、猿田は速いペースで強いプレッシャーをかける戦術を採用。テイクダウンを主体とした攻撃でパシオが得意な戦いに持ち込ませず、パシオは猿田のチャージを止めることに四苦八苦してしまう。
猿田はパシオのギロチンチョークに細心の注意を払いつつ、第4ラウンド、第5ラウンドにはさらにプレッシャーを強めてパシオのスタミナを削っていく。
接戦ではあったが、2人のジャッジが猿田を支持。猿田はONE2戦目にしてベルトを腰に巻くことに成功したのだった。
「ONE: CENTURY PART II」で行われる修斗vsパンクラス王者対決マッチで、修斗世界ストロー級チャンピオンの猿田は、パンクラスのストロー級キング・オブ・パンクラシスト北方大地と対戦する。この試合の勝者が、ONEストロー級世界タイトルに大きく近づくことになるはずだ。
東京・両国国技館 | 10月13日 (日) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)
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「ONE: CENTURY 世紀」は、さまざまな格闘技から28人の世界チャンピオンが参戦する、史上最大の世界選手権格闘技イベントだ。フルスケールの世界選手権格闘技イベント2大会が同日開催されるのも、史上初めてのことである。
複数の世界タイトル戦、世界グランプリチャンピオンシップ決勝戦3試合、そして世界チャンピオン同士の対決をふんだんに取りそろえ、ONEチャンピオンシップが東京の両国国技館で新地平を切り拓く。