2019年第4四半期、ONE総合格闘技サブミッションベスト5

2019年のラスト3ヶ月は、非常に面白い試合が続いた。見る者を魅了するサブミッションでの一本勝ちを含め、フィニッシュで決着がついた勝負が多かった。
ONEチャンピオンシップの総合格闘家たちは、今年の10月から12月にかけて開催された大会で、チョーク、あるいは関節技で試合を決める技術を披露した。
2019年もまもなく終わる時期を迎え、10月から12月に行われた試合の中から総合格闘技トップ5サブミッションシーンをご紹介しよう。
#1 アンジェラ・リーのリベンジ
“アンストッパブル”ことアンジェラ・リー(シンガポール)が、10月の「ONE:CENTURY 世紀」メインイベントで、ション・ジンナン(中国)との対戦成績を五分にした。
最終ラウンドの中盤にションをマットに叩きつけたONE女子アトム級世界王者のリーは、そこからバックコントロールに移行した。
ONE女子ストロー級世界王者のションも抵抗したものの、リーがパンチを浴びせて弱らせ、右腕を相手の顎の下に差し入れる隙間を見出す。
そのままションを腹ばいにすることに成功し、リアネイキドチョークで絞めあげ、試合終了まで残り12秒となったところでタップを奪った。
#2 パシオが肩固めで王座防衛
ONEストロー級王者のジョシュア・パシオは、11月の「ONE:MASTERS OF FATE」で、レネ・カタランとのフィリピン勢同士の対決を制して王座防衛に成功した。
第1ラウンドを圧倒したのは、足関節を試みたカタランだったが、第2ラウンドにこの筋書きを塗り替えたのは、「チーム・ラカイ」所属の王者だった。
相手のテイクダウン狙いをがぶって阻止したパシオは、トップポジションを奪い、即サイドコントロールに。
すぐにカタランの左脇に頭をねじ込み、頭部と腕を深く絞め、身体を挑戦者に密着させて肩固めの体勢に入り、勝利を収めた。
#3 マクラーレンがマンガットを圧倒
今月初旬の「ONE:MARK OF GREATNESS」で、リース・マクラーレン(オーストラリア)がブラジリアン柔術黒帯の技術でグルダーシャン・マンガット(インド/カナダ)を圧倒し、一本勝ちを収めた。
第1ラウンド早々にテイクダウンを奪ったマクラーレンは、プレッシャーをかけながらマウントポジションを奪う。
そこからグラウンド・アンド・パウンドを落とすと、マンガットはたまらず反転して脱出を試みた。
この動きを予期していたマクラーレンは、すぐにバックを奪い、リアネイキドチョークで仕留めた。
#4 またもシウバのアームバー
11月の「ONE:EDGE OF GREATNESS」で、アレックス・シウバ(ブラジル)が、2ラウンドに及んだペン・シュウエン(中国)とのドラマティックな攻防を制した。
元ONEストロー級世界王者のシウバは、第2ラウンド後半にマウントを奪い、ラウンド終了前に仕掛けた。
ペンの腕を胸元で押さえると、右足を相手の肩に入れ、左足で頭部を固定し、右腕を捕獲。
ペンは身体を反転させて逃げようとするも、シウバは足でコントロールしながらおなじみのアームバーで極め、即タップを奪った。
#5 平田樹の「洗濯ばさみ」
創造性豊かな平田樹が、「ONE:CENTURY 世紀」で石毛里佳(タイ)を相手に珍しいヘッドシザースチョーク(洗濯ばさみ)で一本勝ちを収めた。
あらゆる局面で相手を圧倒した平田のフィニッシュは、第2ラウンドにアメリカーナ(V1アームロック)を回避しようと石毛が身体を反転させた場面だった。
石毛の腕をつかんだ平田は、そのまま石毛の背中越しに回転。相手の腕こそ自由にしたが、両足で首元を強く絞める。
相手の抵抗を受けながらも太ももで強く絞め続けた平田が、見事な勝利をあげた。