「ONE: DAWN OF HEROES」ハイライト6選
オープニングからメインカードまでフルスロットルの大熱戦で、名実ともにフィリピンの格闘技史上最大のイベントとなった「ONE: DAWN OF HEROES」が8月2日、マニラで閉幕した。
ONEフェザー級とONEフライ級ムエタイの2つの世界タイトルマッチを始め、フィリピンの熱い一夜のハイライト6選をお送りする。
#1 世界王者ニューイェンがTKO防衛
日本の松嶋こよみの挑戦を受けた、ONEフェザー級世界王者のマーティン・ニューイェンが3度目の防衛を果たした。
序盤は、松嶋が得意のレスリングで仕掛けたが、2Rから徐々にペースを握ったニューイェンが、激しい打撃を浴びせる。ニューイェンは、ボディを狙い松嶋のスタミナを削ぐと、右のオーバーハンド・パンチを炸裂させた。コーナーに追い詰められた松嶋は強引にテイクダウンを狙うしか道が残されていなかった。
テイクダウンを切ったニューイェンは、松島に馬乗りに。ラウンドの終了直前にレフェリーが制止するまでパンチを連打し続けた。
#2 激闘5R ロッタンが新世界王者
ONEフライ級ムエタイ世界タイトルマッチでは、「破壊神」ロッタン・ジットムアンノンが、無敵の攻撃力を見せつけた。
3Rで試合の流れを変えたロッタン。4Rにはダウンを奪い、3−0の判定勝ちでジョナサン・ハガティーを世界王者の座から引きずり下ろした。
英国のハガティーはリーチを生かして序盤こそ試合の主導権を握った。だが、ロッタンがペースアップすると、徐々にフックをもらい始め、4Rでは左からの右フックを食らい、ダウン。最終ラウンドでは、意地の反撃を見せたが、相手の勢いを断つには至らなかった。
#3 アルバレスが劇的逆転一本勝ち
ライト級では、エディ・アルバレスがの超人レベルの反撃力で、大逆転の一本勝ち。
地元フィリピンの大声援を受けたエドゥアルド・フォラヤンの鋭いローキックを食らってマットに。容赦ないパウンドを浴びた。
だが、複数の世界タイトルを有するアルバレスは、この窮地でも冷静に好機を伺い、スイープに成功。一旦マウントポジションを取ると、試合を支配。うつ伏せになった相手をリアネイキッド・チョークで締め上げ、ONE初勝利を飾った。
#4 接戦制しキンガッドがGP決勝へ
ONEフライ級ワールドGP決勝切符をかけ、ダニー・キンガッドとリース・マクラーレンが、3ラウンドにわたり激しい攻防を展開した。立ち技、寝技、攻撃、エスケープなど、様々な局面で、両者ともスタミナ、総合力を惜しみなく見せつけた大接戦となった。
ブラジリアン柔術黒帯のマクラーレンは序盤を優勢に進め、強烈なチョークを仕掛けたが、キンガッドはチーム・ラカイ仕込みの柔術で対処し、局面をひっくり返した。
最終ラウンドでは、キンガッドのレスリングが火を噴いた。マウントを奪ってパウンド攻撃を浴びせ、スプリット判定で勝利を収めた。
#5 若松佑弥が元王者に1RKO勝ち
試合時間わずか1分59秒。日本の若松佑弥が、ONEの舞台で劇的なKO劇を見せた。ONEフライ級元世界王者ジェヘ・ユスターキオ相手に「右」の決定力を見せつけた。
左で距離を測り、ユスターキオのガードを徐々に崩すと、鋭い右のストレートをど真ん中に。地元フィリピンのヒーローのあごにクリーンヒットをお見舞いし、ダウンを奪った。直後にレフェリーがストップをかけ、ONEでの初勝利を手にした。
#6 竹中大地「スーパーマン」勝利
ONEバンタム級の、ブラジルのレアンドロ・イッサと日本の竹中大地の対戦は、この夜、最もエキサイティングな試合の1つ。どっちが勝ってもおかしくない壮絶な3Rだった。
結局、勝利の女神が微笑んだのは竹中だった。
竹中は、絵に描いたようなスーパーマンパンチでイッサをマットに送り、グラウンドで幕引きを図った。そのまま、容赦無く膝と拳をヘッドに浴びせ続け、強烈なインパクトを残したTKO勝利となった。