【8/16大会】ONE:DREAMS OF GOLDハイライト6選
ONEチャンピオンシップの熱闘が再び、タイ・バンコクのインパクト・アリーナを彩った。
8月16日に開催された「ONE:DREAMS OF GOLD」には、ムエタイ、キックボクシング、そして総合格闘技界から、世界最高クラスの選手が続々と参戦。世界タイトル戦やWGP準決勝など見逃せない試合ばかりの、注目度の高いイベントとなった。
甲乙つけがたい試合ばかりだが、その中から選りすぐりのハイライトを6つ紹介する。
#1 エナッシ、強烈コンボでペッダムの王座剥奪
メインカードはONEフライ級キックボクシングのタイトル戦。世界王者ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)が初防衛戦に挑んだが、イリアス・エナッシ(オランダ)に敗れた。
挑戦者エナッシは果敢にペッダムを攻め、時間を追うごとにプレッシャーを強めた。ペッダムは足がぐらつく中なんとか第2Rを切り抜けたものの、第3Rでエナッシの連打に捕まった。
第3R、エナッシは圧倒。近距離からの左オーバーハンドで捉え、さらにふらつくペッダム 。連打で追い討ちをかける、世界王者はマットに崩れ落ちた。
ペッダムは一旦は立ち上がるが、エナッシのコンビネーション・パンチを頭とボディに浴び再び、膝からマットに崩れ、試合が決まった。
#2 ペトロシアン、第1RKO勝ちで東京決戦へ
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)が、スモーキン・ジョー・ナタウット(タイ)を第1Rノックアウト勝ちで下し、ONEフェザー級キックボクシングWGP決勝へのチケットを手にした。決勝は、2019年10月13日 (日) 東京・両国国技館である「CENTURY 世紀」で行われる。優勝賞金100万米ドル(約1億円)。
第1R2分50秒、ペトロシアンは狙いすました鋭い左ストレートを、ナタウットに打ち込む。ナタウットは衝撃をアゴにまともに受けて、スローモーションのように後ろに倒れこんだ。レフェリーがカウントを数えるなか、再び立ち上がることはできなかった。
今回の勝利によりペトロシアンは、過去最大級のキックボクシングトーナメント、WGPの決勝に駒を進めた。決勝の相手はサミー・サナ(フランス)。サナはこの日、準決勝のもう一試合でジャバル・アスケロフ(ロシア)を判定で下し、決勝への切符を手に入れていた。
#3 スタンプ、総合格闘技でも輝く
キックボクシングとムエタイの2種目で世界王者に君臨するスタンプ・フェアテックス(タイ)。既にスーパースターとして成功を収めているが、彼女の飽くなき挑戦は続く。スタンプは3つ目のベルトに挑戦するため、総合格闘技ルールへ参戦したのだ。
スタンプはパタヤ出身の21歳。強烈なパンチとクリンチでボクシングの元インド王者アシャ・ロカ(インド)を圧倒した。だが彼女の本領はグラウンドに持ち込んだ後に発揮された。
スタンプはグラップリングでは新人と言っていいほどのキャリアしかない。だが彼女はマットの硬さやバウンドを熟知していたし、サブミッションの引き出しも披露した。そして最後にはリアネイキッドチョークで試合を終わらせた。
総合格闘技の世界王者までの道のりはまだ遠く、行く手にはさらなる試練も待ち受ける。だが3種目制覇という歴史的快挙に向け、スタンプが絶好のスタートを切ったことだけは間違いがない。
#4 タン・リー、2戦連続KO
ONEデビュー戦で衝撃的なノックアウト勝利を収めたタン・リー(米国)が、バンコクの地でまたしてもやってのけた。
第1R開始ゴングが鳴って早々。左ボディキックを繰り出すリーに、朴光哲は右ストレートのカウンターで応じようとするが、パンチは空を切りバランスを崩す。
リーがキックの次に出した左のパンチはミスとなるが、その後の右フックが見事に朴の顎を捉え、朴はダウン。倒れた朴に最後の一撃を見舞い、試合はたった88秒で終了した。
#5 「ドラゴンボーイ」澤田龍人圧巻のデビュー
「ドラゴンボーイ」澤田龍人は、 人材発掘や育成のための大会「ONEウォリアーシリーズ(OWS)」で頭角を現したスター。OWSを卒業し、今回がONEの世界の舞台へのデビュー戦となった。
澤田は第1Rわずか69秒で、アジス・カリム(インドネシア/フィリピン)を相手に、いとも簡単にサブミッションの勝利を挙げた。OWSでやってのけた2戦連続サブミッション勝ちを、今回も続けた格好だ。
間合いを詰めようとする澤田に、カリムはパンチで応戦。右のオーバーハンドが澤田をかすめて無防備になった一瞬を、澤田は見逃さなかった。テイクダウンを決めると、続けてトップポジションへ。さらに楽々と背中を取り、リアネイキッドチョークでサブミッションを決めた。
#6 ラマザノフの驚異的なパンチ力
ザノフ(ロシア)は、バンタム級ムエタイでプレリム第2試合に登場。オグニエン・トピッチ(セルビア/米国)を執拗に追い詰めフィニッシュを決めた。
世界チャンピオン経験者のトピッチはタフで経験がある選手だが、第1Rで3度もダウンを喫した。
ラマザノフは、トピッチがラマザノフのキックに対し足を取ろうとした時に、強烈な右で最初のダウンを奪う。2つ目のダウンはクロスフックで。そして最後はキックをフェイントで見せた後の右ストレートで試合を締めくくった。