【9/6大会】 IMMORTAL TRIUMPH 勝利者の次戦は?
全試合ONEスーパーシリーズという新機軸で開催されたONEチャンピオンシップ初のベトナム大会「ONE: IMMORTAL TRIUMPH」は、ムエタイとキックボクシングの名勝負に会場のファンが酔いしれた一夜となった。
この歴史的大会では多くの選手がすばらしいパフォーマンスを披露したが、お祭り騒ぎも一服したところで、今大会の勝利者の次戦について考えてみよう。
ノンオー・ガイヤーンハーダオ
ONEバンタム級ムエタイ世界チャンピオン、ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)は、この階級の王者としての地位固めに成功したが、それは薄氷の勝利でもあった。アクション満載のメインイベントで、ノンオーは鋭い蹴りと多彩な攻撃で、20歳のブリース・デルバール(アルジェリア)をスプリット判定勝ちで退けたのだ。
次戦の対戦相手候補の1人としては、ONEスーパーシリーズで鮮烈デビューを飾ったジャン・チェンロン(中国)があげられる。チェンロンは今年からONEに参戦し3連勝、前回はテイラー・ハードキャッスル(オーストラリア)にノックアウト勝利の名場面を残した。
両者がリングでまみえることとなれば、激戦は間違いなしだ。
ニューイェン・ トラン・デュイ・ニャット
フライ級ムエタイ戦に出場したニューイェン・ トラン・デュイ・ニャット(ベトナム)が、母国のリングでアズワン・チェウィル(マレーシア)を試合時間残り15秒でノックアウト、大会の主役の1人となった。
ONEデビュー戦を成功裏に終えたデュイ・ニャットから、さらなる豪快な戦いを引き出してくれる次戦の相手といえば、やはり派手なパフォーマーということになるだろう。
ISKA K-1世界チャンピオン、WMC(世界ムエタイ評議会)インターコンチネンタル・ムエタイチャンピオンのジョシュ・トナー(オーストラリア)ではどうだろう。試合が長引けば長引くほど、ますます強さを発揮することで知られる百戦錬磨のベテランだ。
デュイ・ニャットにとっては、よりレベルの高い試合への挑戦となるだけでなく、ファン垂涎の激戦にぴったりの好敵手になることだろう。そしてこの試合でデュイ・ニャットが勝つこととなれば、フライ級チャンピオンへの道も拓(ひら)けてくる。
アンデウソン・シウバ
ノックアウト・アーティスト、アンデウソン・シウバ(ブラジル)は、ベイブラット・イスアエフ(ロシア)を第1ラウンドでノックアウトし、犠牲者リストにまたしても新たな名前を書き加えた。
試合開始2分でイスアエフをぐらつかせたシウバは、その後も容赦ない攻撃でプレッシャーを強め、最後は強烈なアッパーカットでイスアエフの意識を飛ばしたのだった。
シウバはライトヘビー級、ヘビー級の両方で戦うので、次戦の候補者にも多くの選択肢がある。そんな中でも、ルーマニアのパワーファイター、アンドレイ・ストイカはどうだろう。
スーパーコンバット・スーパークルーザー級世界チャンピオンのストイカは4月にイブラヒム・エルブウニ(モロッコ)を、シウバと同じく強い勝ち方で下したばかりだ。ストイカなら、レベル的にもパワー的にも、シウバとの真っ向勝負で、ライトヘビー級で最も危険なストライカー対決を盛り上げてくれるだろう。
MOMOTARO
日本のエース、MOMOTAROがベトナムでキャリア最大の勝利を飾った。ムエタイレジェンドのシットンノーイ・ポー・テラクンをわずか41秒でノックアウト、ONEスーパーシリーズ史上最速ノックアウト勝利を記録したのだ。
MOMOTAROの次戦にはあらゆる可能性が考えられる。これほど目立つ勝利をあげた後ということもあり、フライ級トップファイターとのマッチアップが求められるところだ。1つの可能性としては、ONE世界タイトルに野心を抱く成長株、スーパレック・キアトモー9(タイ)があげられる。
スーパレックはフライ級で台頭中のファイターで、すでにONEスーパーシリーズで2勝をあげており、またかつてはONEフライ級ムエタイ世界チャンピオン、ジョナサン・ハガティー(イギリス)に勝った実績もある。
MOMOTAROとスーパレックが相まみえることとなれば、その勝者は世界タイトル挑戦へと駒を進めることになろう。