キック世界GP、今後の見どころは?
10月15日に開催された「ONE: FIRST STRIKE」で盛大なスタートを切った第2回ONEフェザー級キックボクシング世界グランプリの準決勝進出者が出揃った。
準々決勝の4試合では3試合がノックアウトで決まり、準決勝でも出場者全員が劇的フィニッシュを目指して強力な打撃を繰り出してくるはず。
対戦組み合わせも決まった今、ここでONEフェザー級キックボクシング世界グランプリの現状を振り返ってみよう。
準決勝: グレゴリアン vs. アラゾフ
1位コンテンダーのマラット・グレゴリアン(アルメニア)は、4位コンテンダーのチンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)と対戦する。
グレゴリアンは、初戦で圧倒的なパンチ力で第2ラウンドでアンディ・サワー(オランダ)を仕留めた。
アラゾフは、2019年のトーナメント準優勝のサミー・サナ(フランス/アルジェリア)に勝利。第1ラウンド39秒にボディに強烈な左フックを叩き込んで試合を決めた。
これらの印象的なパフォーマンスを見せた両者の準決勝の対戦を楽しみにしているファンも多いことだろう。
2人は8年前に2度対戦したことがあり、ノーコンテストとグレゴリアンの判定勝ちという結果だった。
両者とも以来進化を遂げているものの、前に出て戦うスタイルとフィニッシュへのこだわりは変わらない。合わせてプロ合計73回のノックアウトを記録している2人、きっと熱い戦いを繰り広げてくれることだろう。
準決勝:シッティチャイ vs. キリア
準決勝のもう1試合は、3位コンテンダーのシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)対ダビッド・キリア(グルジア)。
キリアは、準々決勝でエンリコ・ケール(ドイツ)の序盤のプレッシャーに耐えてパワーを発揮。第1ラウンドで3つのダウンを奪って、フィニッシュ勝利を収めた。
一方のシッティチャイは準決勝ではフィニッシュこそできなかったが、タイフン・オズカン(トルコ)とスリリングな試合を繰り広げ、スプリット判定勝ちを収めた。
シッティチャイは、テクニカルでロングレンジで戦うスタイルで知られているが、キリアもユニークなキックを武器とする強力なパンチの持ち主。
両者はこれまでに2度対戦しており、2015年にはTKO、2016年には判定でシッティチャイが勝っている。しかし、キリアもそれ以来数人のビッグネームを倒しており、アンダードッグとして失うものは何もない。
キリアは1発のパンチで試合の流れを変えることができることも証明しており、一方の計算高いシッティチャイは、攻撃を受けても平静を保つことができる屈指のアスリート。どちらのアプローチが奏功するか、興味深い対戦だ。
どうなる決勝?
決勝戦の組み合わせの可能性は4通り。いずれにしても、火花の飛び散るような戦いになることだろう。
グレゴリアンが、長年の宿敵のシッティチャイと6度目の対戦をすることになるかもしれないし、キリアという新しい対戦相手と当たるかもしれない。
アラゾフが、シッティチャイと7年ぶり2度目の対戦ができるかもしれないし、キリアとの初対戦になるかもしれない。
準決勝の結果にかかわらず、キックボクシング界最大のトーナメントの決勝戦が必見の試合となることは間違いない。
サプライズはあり得るか?
トーナメント戦で負傷者が出た場合は、出場者変更の可能性もある。
11月12日(金)の「ONE: NEXTGEN II」では、グランプリ交替試合2試合が行われ、スモーキン・ジョー・ナタウット(タイ)がユーリック・ダフティアン(アルメニア / ロシア)と、ジャン・チャンユ(中国)がドビダス・リムクス(リトアニア)と対戦する。これらのハングリーな選手たちが、急遽出場を決めてアップセットを起こすチャンスを狙っている。
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