絶対王者クリスチャン・リーを狙う挑戦者たち
ONEチャンピオンシップライト級のトップに君臨するクリスチャン・リー(シンガポール)は2019年、次々と大きな勝ち星を挙げた。だが、この先には大きな試練が待ち受けているかもしれない。
リーは、昨年ONEライト級世界王者と、ONEライト級世界グランプリのチャンピオンになった。
このような輝かしい経歴を有していながらもまだ21歳。この先、ベルトを狙う数々の挑戦者たちを倒し続ければ、史上最高の格闘家になることもできるだろう。
挑戦者候補は、ONE公式アスリートランキングでも上位に食い込むなど、強敵揃い。
この記事では、リーが近い将来ONEのケージ「サークル」で対戦が予想されるアスリートを紹介する。
ユーリ・ラピクス
ユーリ・ ラピクス(モルドバ)は、元々は今春予定されていた「ONE INFINITY 2」でリーと対戦するはずだったが、大会は新型コロナウイルスの影響で延期になった。
ラピクスのこれまでの戦績は14勝0敗。さらに、勝ち星の全てはフィニッシュによるもの。
フィニッシュの内訳は、シャノン・ウィラチャイ(タイ)や元ONEフェザー級世界王者のマラット・ガフロフ(ロシア)を相手に、サブミッションでの勝利が10回。ノックアウト勝利が4回。
イタリアを拠点とする強豪揃いの「チーム・ペトロシアン」所属で、ONEフェザー級キックボクシング世界グランプリチャンピオンのジョルジオ・ペトロシアンと共にトレーニングに励んでいる。立ち技においても寝技においても、リーにとっての最大の脅威になるだろう。
リーは、来るべきラピクス戦について早期決着になるだろうと予想している。
ピーター・バウシュト
ピーター・バウシュト(オランダ)は、「格闘技の本拠地」であるONEで、ランキング3位につけている。
離れた間合いから繰り出す打撃のスペシャリストで、ONEでこれまで3連勝。エネルギッシュで、爆発的なスタイルで多くのファンを獲得した。
バウシュトは、強烈なパンチやキック、ヒザを駆使し、下石康太、アントニオ・カルーソ(オーストラリア)、元ONEライト級世界チャンピオンのエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)を倒してきた。
グラウンドでも攻守バランスが取れた戦いぶりを発揮。リーを撃破する可能性についても話している。
ティモフィ・ナシューヒン
ロシアのティモフィ・ナシューヒンは、2019年3月の両国大会「ONE: A NEW ERA 新時代」でエディ・アルバレス(米国)を相手にノックアウト勝ちを決めた。だが、その際の負傷により、やむをえずONEライト級世界グランプリ出場を辞退した。
だが、ランキング4位に食い込み、この階級最大級の脅威であることに変わりはない。これまで驚異のフィニッシュ力と攻撃的なスタイルで、強敵を打ち負かしてきた。
復帰が決まれば、間違いなく世界タイトルを狙ってくるだろう。
エディ・アルバレス
ランキング外ではあるものの、アルバレスは4度世界王者になるなど、総合格闘技で成功を収めてきた。ただし、ONEのタイトル獲得を除いては。
現在のアルバレスの悲願はONEでのタイトル獲得であり、当然リーとの対戦も想定している。
アルバレスは、多様な武器を持っており、よく知られている通りに「やるかやられるか」の姿勢でリーに挑み、大興奮の試合をしてくれるだろう。
リーも総合格闘技のアイドル的存在のアルバレスとの対戦を熱望するコメントをしている。
過去のライバルたち
リーは昨年、日本のレジェンドである青木真也を相手にTKO勝ちし、ベルトを獲得した。だが、試合ではあと一歩で青木に極められそうになった危ない場面もあった。
青木は現在ランキング5位。失ったベルトを取り戻しにかかってくるだろう。
ランキング2位の“ダギ”ことザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)は、リーとの再戦を熱望している。昨年10月のONEライト級世界グランプリ決勝では、それまで築き上げたONEでの連勝をリーに止められた。
リーは、緊急参戦だったにもかかわらず、レスリングでアサラナリエフを圧倒した。だが、裏を返せばアサラナリエフにとっても短い準備期間だったということなのだ。
現ONEフェザー級世界チャンピオンのマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)は、フェザー級での試合に集中するため、ONEライト級世界タイトルを返上。リーとはフェザー級マッチで2度勝利している。
リーは「フェザー級でやり残した仕事がある」と述べており、どちらの階級で戦うかは不明だが、3度目の対戦を視野に入れている。
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