【4/8大会】DJのトレーニングパートナーが明かす“最強”の秘密
史上最高とされるアスリートになるためには何が必要なのかを、内側の目から見るのは難しい。
ONEフライ級世界グランプリ王者DJことデメトリアス・ジョンソン(米国)のトレーニングパートナーであるジェームス・ヤンは、その過程がどのようなものかを目撃してきた限られた人間だ。
ヤンは、ジョンソンが信頼を寄せるチームメイトで、日本時間で4月8日(木)に中継される「ONE on TNT I」でのONEフライ級世界チャンピオンのアドリアーノ・モラエス(ブラジル)戦への準備も含め、長年にわたって多くのファイトキャンプの様子を見てきた。
ヤンにとって、レジェンドとマットで共に練習するのは重要なことで、常にジョンソンから刺激を受けているという。
「自分たちは6、7年トレーニングを共にしている。最高、もしくは最高のアスリートの1人とされる人間と一緒に練習できるのは嬉しいことだ」
「名誉なことだ。あいつからはいつも教えられている。そして、自分たちは向上しようと努力する2人の仲間なんだ」
ヤンは、少林寺で修行をするなど伝統的な競技から格闘技を始め、その後世界的に有名なワシントンのAMCパンクラチオンでハイブリッドスタイルの総合格闘技に出会った。
ジョンソンの礼儀深さと謙虚さは、北米の一部の選手とは違ったもので、ヤンはそこに共感した。
「自分ははMMAをやっていたわけではなく、11歳の頃から他の格闘技の大会に出場していて、主に打撃系の競技をしていた。そこで『もし寝技をすることになったらどうなるんだろう』って考えたんだ」と、ヤンは振り返る。
「だからその知識を求めて『AMC(ジョンソンの所属ジム)』に行き、DJとトレーニングをすることにした。彼は私をプロとして高いレベルに行くのを助けてくれたし、新しい視点を授けてくれた。肉体的な特性だけじゃなく、栄養や体のケアといった精神的な面も重要だって」
格闘技で総合力を追及する中で、ヤンは究極のお手本を見つけた。ジョンソンが史上最強という名声を得たのは、ダイナミックで適応力のあるファイターだったからなのだ。
ジョンソンは、あらゆる格闘技の基礎を習得するために時間を費やし、同時に革新と進化を遂げてきた。それを貫く重要なテーマはたゆまぬ努力だ。
「ジョンソンは、その多才さと素早い対応力で知られている。それはトレーニングによって得られるものだが、彼はあまりにトレーニングをたくさんしてきたから、それは本能の一部になっている」
「彼は何千回も何万回も練習しているので、正しい動きができる。身体的には恵まれている。スピード、距離、目の良さはかなりいい。だが、彼のトランジションや全てを滑らかに組み合わせる手法が、彼を際立たせている」
「彼を特別な存在にしているのは、その粘り強さだ。彼は決して諦めない。多くの人は、自分が壊れそうになるまで頑張れると言う。彼の場合は実際にその壁を突き抜けることができる」
ヤンは、ジョンソンのそばで何年にもわたって何百時間も過ごし、北米のフライ級を支配するのを見てきた。
2019年には、ジョンソンが3人の強敵を相手に戦い、ONE世界グランプリで優勝する瞬間も見守った。そして今、ヤンは友人のジョンソンがモラエスとONEフライ級世界王座をかけて戦うのを楽しみにしている。
ジョンソンが史上最高のフライ級としての地位をさらに固めることになるかもしれない一戦。
ジョンソンのチームは、モラエスに敬意を払っており、ヤンはタイトルマッチが厳しい戦いになると予想している。だが、ジョンソンが勝利のためにはあらゆる努力をすることも知っている。
「アドリアーノ・モラエスは、危険な男だ。チャンピオンになったのには理由があるし、それを証明していると思う」と、ヤンは語る。
「彼は、この階級ではユニークな体つきをしている。身長が高く、体格も良く、ほとんどの選手に対して体重面でも有利だ。素晴らしい柔術の技術も持っているけれど、自分たちが付け込める弱点もあるだろう」
「DJが確実に健康であるようにして、ハードなトレーニングを行い、自分たちのゲームプランをできる限り実行したい。アドリアーノ・モラエスには幸運を祈っているが、どうなるか見てみよう。楽しみにしている」
「格闘技のファンなら、是非見てほしい。素晴らしい試合になるだろうから。ハイアクションで、インパクトとスピードにテクニック。全部が揃っている!」
Read more: デメトリアス・ジョンソンのトレーニング法