【1/14大会】挑戦者アラゾフ、王者スーパーボンは「リアル・ファイトを嫌う」
1月14日(土)の「ONE Fight Night 6」のメインイベントで、ONEフェザー級キックボクシングの世界タイトル奪取を狙うチンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン / ベラルーシ)は、王者のスーパーボン(タイ)を激闘に引きずり込む構えだ。
この世界タイトルマッチは、レジェンドを相手に決定的な勝利を挙げてきたファイター同士の戦いとあって、格闘技界で話題となっていた。
アラゾフは、直近3戦でスリリングなパフォーマンスを披露し、1位コンテンダーの座とタイトル挑戦権を手に入れた。
対するスーパーボンも、ONEでシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)とジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)、マラット・グレゴリアン(アルメニア)といった伝説的なストライカーに勝利。タイトルを獲得し、防衛にも成功している。
アラゾフはスーパーボンの実力を賞賛しているが、自身の能力にも自信を持っており、そのパワーが違いを生み出すと考えている。
「自分は(スーパーボンにとって)やっかいな問題になるだろう。彼もこのことを知っている」
「彼のタイミングはいいし、普遍的なスタイルを持っている。自分の持ち味はキックと彼を上回るパワーだ。彼は良いファイターだが、ちょっとしたミスをして、それが自分との戦いでは大きな問題になるかもしれない」
スーパーボンのキックやカウンターについては敬意を払うアラゾフだが、ONEのケージ「サークル」での振る舞いについては批判的だ。
アラゾフはこう説明している。
「スーパーボンは以前、ペトロシアンに対して本物のファイターではなく、単なるスポーツ選手だと言った。なら、自分もこう言う。自分にとっては、スーパーボンはファイターじゃない。単なるスポーツ選手だって」
さらにアラゾフは、捉えにくくバックステップを駆使するスーパーボンのスタイルについて、真っ向勝負を避けるための方法と考えている。
このため、スーパーボンに対して直接呼びかけることで、アラゾフ自身が得意とするワイルドな打撃戦となることを期待しているようだ。
アラゾフはこう話している。
「彼はパンチを嫌う。リアル・ファイトも嫌う。こういうクレバーなゲームプランを立てるんだ。キックして、キックして、キックして、そうして好みの戦いにしているのかもしれない」
「彼に伝えてほしい。チンギスは、スーパーボンは戦わないって言ってたって。殴り合いは嫌いか? パワー勝負は嫌いか? ってね」
相次ぐ延期で待ち続け…「集中力が高まった」
チンギス・アラゾフが、スーパーボンとの戦いを待ちきれないのには理由がある。両者の対戦は当初は「ONE Fight Night 2」で、続いて「ONE Fight Night 5」で行われる予定だったが、負傷や怪我のために延期になっていた。
それぞれ最後に出場した試合は2022年3月の「ONE X」。この大会では、アラゾフは世界グランプリで優勝し、スーパーボンはグレゴリアンを相手にベルト防衛を決めた。この後、アラゾフはすぐさま待望の世界タイトルマッチの準備に取り掛かったという。
「(グランプリ決勝の)シッティチャイ戦の後で準備を始めた。トレーニングを開始した。多分8ヶ月間、この日を待ち続けてきたんだ」
アラゾフは、待ち望んだ時間、期待、そしてそして何ヶ月にもわたるハードワークを通じ、集中力を研ぎ澄ましたという。
そして、スーパーボンのような世界最高のキックボクサーを相手にするなら、その集中力のすべてを生かさねばならないだろう。
アラゾフはこう付け加えた。
「今は、この試合に向けて集中力がより高まっている。世界最高のファイターが相手なんだ。待っててくれた人もいるし、自分だってそうだ。自分のチームも待っていた。コーチもだ。試合が楽しみだ。精神的な準備は整っている」