CEOになりたいなら格闘技!? 5つの理由
格闘技が人生に与える影響の大きさは繰り返し証明されてきた。格闘技は私たちの最も素晴らしい部分を引き出し、自分の持つ能力を発見し、内に秘めた真の偉大さを解き放ってくれる。
たとえば、格闘技は一人の人間としても、仕事においても、私たちの才能を伸ばすという形で人生を変えることがある。あなたは平凡な成功者から、国際的な団体を運営する能力のあるカリスマリーダーに変容を遂げるかもしれない。ONEチャンピオンシップ会長兼CEOのチャトリ・シットヨートンに聞いてみるといい。
以下に、格闘技が未来のCEOとしての潜在能力を引き出してくれる5つの理由を挙げてみた。
#1 リーダーシップ力を高める
リーダーシップとは、友人や同僚、同胞、そしてこれが最も重要なのだが、自分自身を成功に導く能力だ。この能力は、私たち一人ひとりの奥深くに潜在的に息づいている。だが、リーダーシップ力を本当の意味で活用するためには、その力をしっかりと発達させることが不可欠だ。
格闘技は、リーダーになるために必要な経験や無私のあり方を教えてくれる。格闘家が互いに知識や体験を分かち合うのは珍しくない。
仲間と共に格闘技を学ぶ時、トレーニングは自分の実力を示し、テクニックを披露し、仲間も同じゴールを達成できるように導くための良い機会を与えてくれる。
モハメド・アイマン(マレーシア)は、インドネシアの「Bali MMA」のチームメイトにとってリーダーであり常に支えの手を差し伸べる存在としての役割をしっかりと自覚して担ってきた。「Bali MMA」がアジアでも有数のトップクラスのチームに成長したのも不思議はない。
#2 より良いチームプレーヤーに
格闘技では、グループとして戦い、機能することに慣れる必要がある。多くの人が勘違いしているが、格闘技は一人で孤独に挑戦に立ち向かう競技というわけではないのだ。
もちろん、トレーニングの最中には、自分としっかり向き合うことで完了すべきタスクもある。だが、忘れてはいけないのは、それを一人でやることは求められていないということだ。
「チームの一員であるということは、共通の目標を達成するために共に努力するということ」。これは、格闘技が与えてくれる最も重要な学びの一つだ。
トレーニングではいつも、様々なパートナーとコミュニケーションをとり、お互いの強みや弱みを理解して共に目標達成に向けて尽力する必要がある。このように、格闘技はより良いチームプレイヤーになることを教えてくれるのだ。
何度もムエタイ世界王者に輝いたエリアス・マフムーディ(アルジェリア)は、家族であり強いきずなを持つチームでもあるフランスのムエタイジム「Mahmoudi Gym」の後押しによって夢を叶えた。マフムーディは今も学びを続けており、頻繁にタイを訪れて技に磨きをかけている。
#3 問題解決能力の訓練になる
1日9時間オフィスに座って働く仕事であれ、外で手を使って働く仕事であれ、どんな職業でも、日々起こる問題を乗り越えていくにはクリティカルシンキングと問題解決能力が不可欠だ。
格闘技は肉体的、精神的に様々な状況に直面し解決策を見つけ出す機会をもたらし、批判的に考える能力を鍛えてくれる。
柔道やブラジリアン柔術のような格闘技では、問題に対する解決がすぐにははっきりしない状況に出会うことが多い。格闘家は学んできたスキルとテクニックを総動員し、頭の中で計算をして、体でそれを実行する。
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)はその素晴らしい例だ。問題解決能力を使い、ONEでトップレベルのムエタイ選手として何年も君臨してきた。
#4 精神力と自律心を鍛えてくれる
格闘技のトレーニングの多くは肉体と運動能力の発達にかかわっているが、それだけではなく、人間の最も重要な筋肉、すなわち精神を鍛えるエクササイズでもある。
格闘技を始めてすぐに学ぶのは、トレーニングで直面する障害の多くは精神的なものだということだ。継続的に負荷をかけることで身体的な能力を強化することは簡単だ。だが、問題を解決するには強靭な精神力が必要だし、毎日トレーニングに参加して自分を極限まで追いつめるには自律心が欠かせない。
格闘技は体の健康を促進してくれるだけでなく、集中力を研ぎ澄ませ、高める訓練にもなる。結果として、逆境でプレッシャーに負けてしまったりパニックに陥るのではなく、問題を乗り越えようという姿勢が身につくだろう。
グルダーシャン・マンガット(インド/カナダ)は伝説の格闘家たちからインスピレーションを受け、自らも格闘家を目指した。だが、彼の道程は決して平坦なものではなかった。快適なオフィスでの仕事を諦めなくてはいけなかったが、忍耐強く努力を続ける精神力を身につけ、今では世界最大の格闘技団体であるONEのアスリートとなった。
#5 ポジティブな思考に
格闘技のトレーニングはすべての側面において私たちの健やかさに影響を与え、それによって、私たちをよりポジティブな人間にしてくれる。
体の健康面、精神面、スピリチュアルな面も含め、自己を成長させる過程において格闘技には数多くの効果がある。そのため、トレーニングを継続することでよりポジティブな視点で人生を見られるようになる。何度か試合に勝つ体験を繰り返すうちに、スランプを乗り越えるのに役立つのはポジティブな考え方を保つことだけだと気がつく。成功できるはずがないと自分に言い聞かせて成功した者はいないのだから。
ポジティブなあり方は伝染し、周りのすべてに影響を与える。キャリアもだ。結果的に、ライフスタイル全般が向上することになる。格闘技のトレーニングを通して、私たちは自分について、そして自分に何ができるのかをより深く知ることができる。自分の限界を知り、それを超えることを教えられるのだ。
ボクサーとしてトレーニングしてきたソヴァナリィ・エム(カンボジア/米国)は、総合格闘技へ移行する時に苦労した。一時はくじけそうになったが、実力を磨き続け、最終的には努力が報われた。