ミーシャ・テイト通信:ネットいじめと対処法
ミーシャ・テイトは、ONEチャンピオンシップ副社長であり、女子格闘技界のパイオニア。不定期配信コラム「ミーシャ・テイト通信」、今回はネット上でのいじめや、ソーシャルメディアでのネガティブなコメントの対処などについて—。
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初めて妊娠した時、自分好みとは言えない体型の変化を経験したけれど、それでインターネット上でどのくらい人間は残酷になるかと言うことを知った。
妊娠中や女性に恥ずかしい思いをさせるべきではない。妊娠後であってもだ。人間を産むということは、妊娠線ができたり、体重が増えたり、といった多くの犠牲を伴うのだ。
女性は素晴らしい。私より先に母親になった全ての女性に対し、これほど畏敬の念を抱いたことはない。
この地球上の誰しもが、女性の多大なる犠牲によってこの世界に生まれついたのだ。だから全ての母親を尊敬しなければいけない。
けれども、変えられないことだってある。
中にはすごく無礼な人たちもいて「なんでいちいち人の外見についてこの人たちは話してるんだろう」と戸惑うこともある。
今まで聞いたのは「太ったね」「デカいな」「デブに見える」など。こういうことは聞き過ごせないものだし、外見よりも、その人自身を見るべきだと思う。
時には「妊娠したようには見えないね」なんて発言も聞くけれども、別に女性は嬉しくなんかない。妊娠しているとわかってほしいのに、そうは見てもらえないのかもしれないから。
もしも未来のママに何か言いたいのだったら「かわいい」「きれいだ」「素敵だ」とか「素晴らしい」などのフレーズを使ってほしい。こういう言葉の方がいいのだ。
太っていることを恥じる傾向や、女性の見かけをからかうことは最近よくあることだけれども、それでは他人の気持ちを考える機会を失ってしまう。だいたい、一方的に判断を下すような行いはあまりしない方がいい。
ソーシャルメディアでは、絶対にネガディブなことや憎しみをぶるけるようなことは書かない。私も友達もそう言うことはしたことがない。
誰かの悪口を言ったら、実はその3倍は悪口を言われているだろうと言うことを覚えておいた方がいい。誰かを嫌な気分にさせるより、自己反省をする時間を取るべきだ、という教訓でもある。
ネット上のいじめは、ソーシャルメディアの一番のマイナス面だ。いじめていると言う実感を持たないまま、仲違いが起こることもある。
それは全くの間違いだ。ネット上でネガティブなことを言うのは、対面して言うのと同じくらい人を傷つける。
ネガティブなものをシェアするより、何か先例を作ってみてはどうだろう?一番いいバージョンの自分を見せるのだ。
私がどうやってソーシャルメディアのネガティブな面に対処しているかって?普通はイラっとするコメントだったら無視する。労力を省きたいから、返信しない。大したことじゃない、と考える。ネガティブなエネルギーを増幅させたくないし、時には沈黙がベストな答えだから。ポジティブなことをシェアする人たちには返信するようにする。
ポジティブなことをシェアしないい人は、現実で幸せじゃない人たちだ。そう言う風に物事をみたら、こういうことへの対処が楽になる。なんでそんな低いレベルでイラつかなければいけないのか?絶対ネガティブな行動に引きずられてはいけない。
これをやり続けていけば、ネガティブなポストは役立たないと気づいて、いい行動を始めるのじゃないだろうか。私は自分がそんなものよりは強いと思っているし、その強みを大切にしたい。
そう言うわけで、全ての女性にこんなメッセージを送りたい。
2月に自分のインスタグラムで肉体的な変化をポストした時に、自分の見かけをオンライン上でシェアすることは全然OKだということを示したかった。出産後や体重を減らした後は誰もが結果について投稿するけれども、逆のことをしたかった。
ちょっとの間、攻撃のターゲットになってみたかった。現実を見せたかった。私は体重が増えていて、トレーニングもやりたいようにはできないし、こういう変化は全然嬉しく思っていないと言うことを。みんなに、自身を受け入れなければいけないってことを知らせたかった。
自分の体の変化を全て気に入らないからと言って、自分のことが嫌いと言うわけじゃない。外見は単なる外側の殻にすぎない。あとでトレーニングすればもう一度体型を取り戻せるし、私はそれができる。
前にコラムで「目標を追い続けることの大切さ」を書いたけれども、人生の中ではいつもベストの状態でいなければいけないってわけじゃない。でも、ゴールを設定したら、それを達成するための道筋を辿るのだ。
Join us in the fight for women's rights and gender equality!
Join us in the fight for women's rights and gender equality! #IWD2020 #EachForEqual #WeAreONE
Posted by ONE Championship on Saturday, March 7, 2020
最後に2020年の「国際女性デー」を記念して、結束の大切さについて話してみたい。世界中の強い女性のことは全面的に支持するけれども、ダンスを踊るには2人が必要だ。
女性同士が支え合うのはもちろんだけれども、同じように男性からのサポートも大切だ。
強い男性と強い男性がチームを組むのを見るのは最高だ。強い女性にだいたい、父親や兄弟、友人など強い男性のロールモデルがいる。
みんなに結束のパワーを知らしめたい。一緒になればもっと強いのだから。抑圧ではなく、サポートしてくれる男性と共に、私たち最大限の力が引き出せれば、いろんなことが簡単に進むだろう。
チームワークは、夢を叶えてくれるのだから(Teamwork makes the dream work)。