ビビアーノ・フェルナンデスに聞くブラジリアン柔術上達のコツ3つ
ONEバンタム級世界チャンピオンのビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)はトップレベルのブラジリアン柔術の競技会で成功を収め、総合格闘技に転向した後は、ONEチャンピオンシップで絶対的な王者の1人として君臨し続けている。
フェルナンデスは、ブラジリアン柔術で黒帯を持ち、国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)世界柔術チャンピオンという、同競技のトップまで上り詰めた経歴を持つ。
裕福ではない環境に生まれ育ち、幼い頃からジムのマットを掃除してトレーニング費用を捻出し、成功への階段を駆け上ったフェルナンデスに、ブラジリアン柔術の上達のコツを聞いた。
#1 何においても練習、練習、練習
当然のように聞こえるかもしれないが、フェルナンデスは、努力が一番不可欠だと言い切る。
優れた運動能力を持つ人は初心者の時点で多少有利な点もあるかもしれないが、フェルナンデスは練習は裏切らないと信じている。
「これが一番のコツだ。コミットすること」
「いい学校とコーチを見つけて、100パーセント、マットでのトレーニングに集中する。とにかく、練習、練習、練習」
グラップリング(組み技)界のトップに君臨するフェルナンデスは、2001年のIBJJF世界選手権の紫帯部門で優勝。2002年には茶帯部門で、2003年、2005年、2006年には黒帯部門で頂点に立った。
こうした目を見張る成功は、何時間もの反復練習だけではなく、自己分析のおかげでもある。
「世界チャンピオンになるために1日中練習しなければならなかった。朝、昼、夜。大会がある週末以外は毎日だ。だから柔術がすごく上手くなったんだ」
「犯したミスを知ること。やったこと(技術)を書き残したりはしないが、次にやるべきことはいつも考えていた。例えば、ミスをしたらどうやって直す?とか」
#2 できるだけ大会に出ること
ジムではミスの修正に力を注ぎながらも、こうしたトレーニング以外では、フェルナンデスは大会に出ることこそが上達の近道だという。
ジムではトレーニングパートナーのやり方に慣れて、近しい仲間とのスパーリングにそれほど緊張しなくなる。だが、大会ではこれは通用しない。全く違ったプレッシャーに耐えなければならない。
「同じくらいの時間をマットにも、大会にも注ぐべきだ」
「緊張やプレッシャーや、精神面について学べるから、大会は面白いし、この点はブラジリアン柔術では重要だ。なぜなら、大会に出た後は、もっとトレーニングに自信が持てるようになる」
「ストレスやプレッシャー、緊張に対処するために精神、体、呼吸をコントロールする能力は大切だと思う。こうしたことは柔術の学校では学べないが、大会では可能だ。その上で、自分のテクニックを使うんだ」
「これこそ、トーナメントがいいと考える理由だ。犯したミスを可視化して次の試合のために修正できる」
#3 いい練習相手になること
ブラジリアン柔術のような厳しい格闘技のトップレベルに到達するには、良きトレーニングパートナーの存在は不可欠だ。だが、一緒に練習したいと思わせるような選手になるためには、自身も良きトレーニングパートナーでなくてはいけない。
エゴを通さず、思いやりを持って、いい意味での競争意識を持ちつつも、友好的であることが大切だ。
「トレーニングやドリルの良いパートナーになるために大切なことはたくさんあるが、一番は相手に怪我をさせないこと。だって次の日も一緒に練習しなくちゃいけないから」
「いいポジションをとっても気を付けて。相手の腕を折らないように。締め付けている時は、ちょっと緩めて。いじめるんじゃない。相手はパートナーだから、簡単なことだ。これが分かっていれば、お互いにとって良いことだ」
練習では攻撃側ばかりではなく、防御する側になることもあるだろう。その時は、エゴを捨てることが大切だ。そうしなければ、怪我をすることもある。
「タップしたくない時もあるだろうが、上達のためにはしなければならない」と、フェルナンデスは話す。「アームロックを決められたら、いいパートナーだったら、何かが起こる前にタップしないといけない」
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