【4/15大会】ONE On TNT II、覚えておくべきポイント4つ
4月15日(木)の「ONE on TNT II」には、再び世界最高の格闘家たちが集結し、ファン垂涎もののショーを繰り広げた。
ONE世界チャンピオンはレガシーを積み上げ、ONEキックボクシング世界チャンピオンは2つ目のベルトに向け躍進し、リードカードの3試合は大いに観客を楽しませた。
ここで、ONEの歴史的な2021年のイベントシリーズの第2弾を振り返り、今後の可能性をじっくり考えてみよう。
#1 絶対王者リー、複数階級制覇も⁉︎
2019年にONEライト級世界タイトルを獲得して以来、クリスチャン・リー(シンガポール)は華々しい活躍を続けてきた。「ONE on TNT II」ではメインイベントで、3位コンテンダーのティモフィ・ナシューヒン(ロシア)を第1ラウンドでノックアウトし、その圧倒的な力を再び見せつけた。
リーは、これで現在のライト級トップ5のうち4人を撃破したことになるが、次は何が待ち受けているのだろう? リー自身の言葉を借りれば、ONEのライト級以外での挑戦が考えられそうだ。
数ヶ月前、リーはフェザー級に復帰したいという意思をほのめかした。そして今年初めに、新たにONEフェザー級世界王者となったタン・リー(ベトナム / アメリカ)もリーとの対戦に興味を示している。
しかし、リーは、キャムラン・アバソフ(キルギス)の有するONEウェルター級世界王座に挑戦する可能性もあるようだ。過去にその目標を口にしたことがあり、ナシューヒンを倒した後も、再び言及している。
若干22歳のリーは、ONEのライト級を支配している。世界王者対世界王者という大舞台に臨むには絶好の機会であり、忘れがたい伝説を残すことになるかもしれない。
#2 トッド、スタンプと再戦を提案
頭脳派のジャネット・トッド(米国)は、3位コンテンダーのアン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)を相手に第3ラウンドTKO勝利を挙げ、地上で最もシャープなアトム級ストライカーとしての地位を保ち、新たな可能性を切り開いた。
ONEアトム級キックボクシング世界チャンピオンのトッドは、2競技でのベルト獲得を目指しており、この階級のムエタイのベルトにも目を向けている。今のところ現女王のアリシア・ロドリゲス(ブラジル)は、産休で欠場しているが両者の対戦は今年の後半にもあるかもしれない。
もちろんトッドには他の選択肢もある。
「ONE on TNT II」の試合後インタビューでは、ONE暫定アトム級ムエタイ世界王座を賭けて、スタンプ・フェアテックス(タイ)とのラバーマッチを行いたいという案を話し、さらにはチャトリ・シットヨートン会長兼グループCEOに8人制のONEスーパーシリーズ・トーナメントを提案した。
トッドが世界最高のアトム級ストライカーであることに疑いの余地はなく、またこの試合で圧勝したことで、発言力に強みが増したことだろう。
#3 ワン、6年ぶりの舞台で汚名返上
ワン・シュオ(中国)は6年ぶりのONEチャンピオンシップの大会で、キム・キュサン(韓国)を第3ラウンドでノックアウトし、世界の舞台で戦う力があることを証明した。
ワンは、2015年にONEデビュー。初めてのプロの総合格闘技マッチだった。その際は、ユナニマス判定で敗れたが、その後何年もかけて技術を磨き直し、再び「格闘技の本拠地」ONEに戻ってきた。
左フックを放とうとしたキムに対し、ワンは強烈なエルボーをで応戦。キムをマットに叩きつけ、グラウンドでパンチで追撃した後、試合は決まり、ワンは復帰戦で見事な勝利を挙げた。
ワンはONEチャンピオンシップに復帰するという絶好の機会を得て、以前より成長した姿を見せ、世界最高のアスリートの仲間入りをするにふさわしい存在であることを示した。
#4 上久保周哉、次戦はトップ5と
上久保周哉は“ステルス”のリングネームのように、バンタム級の階段を静かに登り続けていた。だが、この試合を経てついにその活躍に光が当たる時が来たようだ。
上久保はONEで4勝0敗という戦績を引っ提げて、「ONE on TNT II」に登場。ONEのニューカマー、ミチェル・チャマール(アメリカ / グアテマラ)を第2ラウンドにリアネイキッド・チョークで下し、ONEで5連勝とした。
一連の力強いパフォーマンスにより、間違いなく他のトップコンテンダーの興味を引いたであろう上久保。次の対戦相手は、ONEのバンタム級ランキングでトップ5入りしているアスリートになることだろう。
Read more: 【4/15大会】ONE On TNT II – クリスチャン・リーが防衛