【11/19大会】ハム・ソヒ、平田樹戦を受けた理由「どんな試合も学びの機会」
ハム・ソヒ(韓国)は、ONE女子アトム級タイトルマッチのチャンスが転がりこんでくるのをただ待つつもりはない。むしろ、試合に出続けて可能な限り自身の力でつかみに行きたいと思っている。
ハムは、次の試合でONE女子アトム級世界チャンピオンのアンジェラ・リー(シンガポール)と対決すると予想されていた。だが、11月19日(土)の「ONE 163: Akimoto vs. Petchtanong」で組まれた相手は、日本の新星・平田樹となった。
今年3月の「ONE X」で、3位コンテンダーのデニス・ザンボアンガ (フィリピン)に2連勝とし、ハムは世界タイトル挑戦を確実にした。
しかし、リーが9月に階級を上げてONE女子ストロー級世界タイトルに挑戦したため、ハムは別の試合に出ることに。
ハムはその理由をこう話している。
「次の対戦相手はアンジェラ・リーと思っていたけれど、一番やりたいことは試合に出ることだった。だから、次の対戦相手が(平田)樹であろうと、他の選手であろうと関係なかった」
「ONEチャンピオンシップの世界タイトルを獲得するのは夢だが、自分が休んでいる間にアンジェラ・リーは試合に出ていた。だから、彼女が試合に出続けるなら、自分はただ座って見ているだけ、というわけにはいかなかった。(ONEのケージ)『サークル』での経験不足、ということにはなりたくない。勝つためにがんばって、好きなことに取り組んで、行動を起こして、そのための練習をする、というふうにしたかった」
2位コンテンダーのハムは、アジアで複数回MMAチャンピオンになっており、現在8連勝中。こうした経歴と勢いがあれば、リーのアトム級復帰を待つことも選択肢にあっただろう。
このため、平田との対戦を不必要なリスクとみる向きもあるが、ハム自身はそう思ってはいない。
ハムはこう説明する。
「自分にとっては、ONEチャンピオンシップのタイトルホルダーになることはとても重要だが、試合に出ることも同じくらい重要だ。だから、今回の試合では失うものが多いと言われたとしても、自分はそう言うふうには思わない」
「どんな試合からも学べることがある。だから、どんな選手とどんな試合をしようと、何も失うものなんかない。すべての試合は、自分が与える以上のものを得られる機会だ」
ハム・ソヒ、ランク入りを急ぐ平田樹は「欲張り」
平田樹はアトム級の上位ランカーを目指している、とコメントしたことがあるが、ハム・ソヒは自身の方がまだまだ上だと考えているかもしれない。
プロ戦績は25勝8敗で、平田の6勝1敗を圧倒している。さらにハムは、平田は急がずに技術を磨くことに集中すべきだと考えている。
ハムはこうコメントしている。
「たくさんの素晴らしいアスリートがいるのに、彼女はランキング入りが簡単だと思っているようにみえる。だから、自分には彼女が欲張りで、高望みをしているように思える」
「どんなアスリートにも、学習曲線がある。自分たち2人を比べると、自分はベテランで、彼女はまだ成し遂げるべきことが控えているアスリート。比べてみると、彼女は経験が足りていない。ゆっくりと順番に学んでいった方が、より強い相手に通用する技術や心構えを身につけられると思う」
だが、ハムは試合を断ることはしないし、明確な目的を持って「サークル」に入場することだろう。
勝ち星を挙げるたびに、ONE女子アトム級世界タイトルに挑戦する機会を引き寄せることはわかっている。このため、平田を倒し、次なる挑戦者としての地位固めをするため、準備を重ねているのだ。
ハムはこう
「ONEと契約した瞬間から、たった1つの目標があった。ONEチャンピオンシップのベルトを腰に巻くことだ。この目標に向かって進むため、そして達成すること、それがこの試合から得られる最善の結果だと思う」