【10/22大会】アンドラージと王座防衛戦のリネカー「手加減はしない」
ONEバンタム級世界チャンピオンのジョン・リネカー(ブラジル、32歳)は、タイトルを守るために安全策を取るつもりなどない。
10月22日(土)の「ONE Fight Night 3」で、ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル、24歳)を迎え撃つリネカーは、いつも通りの戦いをすると約束している。つまり、試合開始のゴングから挑戦者に徹底的にかかっていくのだ。
リネカーは、観客を沸かせるファイターという評判を重んじており、今回マレーシア・クアラルンプールで行われるメインイベントでの対決でも、そのアグレッシブなゲームプランを披露してくれることだろう。
そして何より、会場のアシアタ・アリーナの観客のみならず、ゴールデンタイムの生配信で観戦する北米のファンや全世界の視聴者全員を楽しませたいと思っている。
リネカーはこう説明している。
「チャンピオンだから、手加減はしない。(ONEのケージ)『サークル』に入って、自分が一番得意なことをする。つまり見せ場を作って、常に前に出ていく」
「もちろんベルトも大切だ。自分のキャリアでとても重要な成果だった。だが、自分の目標は出場して、楽しい試合をして、素晴らしいショーを見せることだ」
リネカーは、同じくブラジル人のノックアウト・アーティストで、ムエタイとキックボクシングの豊富な経験を有する立ち技が得意なアンドラージと対戦する。
身長やリーチで有利なアンドラージは、テクニックとタイミングを駆使して対戦相手を叩きのめすのを好むが、必要とあれば相手の間合いの中で戦うこともいとわない。
こうした総合力の高い武器に対しては、リネカーであれど警戒を怠ってはならない。しかし、リネカーは打撃戦になれば、自身のノックアウト・パワーが違いを生むと考えている。
リネカーはこうコメントしている。
「(アンドラージの)ムエタイのスキルは素晴らしい。すごいファイターだ。だが、自分には対戦相手をビビらせるボクシングのスキルがある。拳(のパワー)が大きな理由だ。だから、どちらが優れているか、それは分からない。比較するのは好きじゃないが、自分は自分のポテンシャルを信じている。自分が何が得意かはよく分かっている」
「この試合は間違いなく打撃戦になるだろうし、楽しいものになるだろう。彼(アンドラージ)はキックを繰り出して、膝蹴りを使ってくるだろうが、自分はどんなことも対応できるよう準備している。ストライキングでもグラウンドでも。第3ラウンドでフィニッシュするつもりだ」
リネカー、アンドラージの挑発に「やる気が出る」
ファブリシオ・アンドラージはこれまで、ONEバンタム級世界チャンピオンのジョン・リネカーを「チキン(弱虫)」呼ばわりし、対戦を恐れていると公言してきた。
しかし、リネカーはこうしたトラッシュトークに惑わされることはない。実のところ、こうした行動は直接対決でアンドラージの立場を悪くするだけだと考えている。
リネカーはこう語っている。
「そんなの気にならない。全部受け流す。しゃべるのは意味がないし、自分たちは『サークル』の中で解決しないといけない」
「実は、くだらないことを話す相手ほど、自分をやる気にさせる。『サークル』の中に入ってベストを尽くそうともっとやる気を高めている。だから、こういうトラッシュトークをする相手は、後で後悔することになる。自分をイラつかせるどころか、やる気にさせてるんだから」
「おしゃべりではなく、『サークル』の中で実力を発揮しないと勝てないということを見せつけてやる」
アンドラージは7連勝中、ONEでは3連続KOを含む5勝0敗というパーフェクトな戦績で、 タイトルに挑戦するチャンスを手に入れた。
そして、アンドラージはリネカーをノックアウトして世界タイトルを奪取すると宣言している。
だが、リネカーはプロ44戦中、1度たりとも打撃でフィニッシュされたことはない。このため、アンドラージの発言については若き挑戦者の空論に過ぎないと捉えている。
リネカーはこう付け加えた。
「彼(アンドラージ)が(KO勝利を)するのかなり難しいと思う。どのラウンドでもノックアウトできないだろう。自分はすごくタフなファイターだ。自分を倒すだけでは不十分だ。彼が自分を倒したいなら、自分を殺さないといけない」
「だから、そういうこと(KO宣言)については忘れろと警告する。どのラウンドでも自分をノックアウトできないだろうから。現実には絶対あり得ないことだから、想像の中だけにしてくべきだ」