【2/11大会】山口芽生、ジヒン戦は「寝技の攻防に」
山口芽生が、2月11日(金)にシンガポール·インドアスタジアムで開催される「ONE: BAD BLOOD」でジヒン・ラズワン(マレーシア)と対戦する。
ジヒンは当初、ジェネリン・オルシム(フィリピン)と対戦する予定だったが、オルシムは怪我で欠場。代わって山口が緊急参戦することになった。
山口は39歳。幼少期から空手を始め、MMAで35試合を経験している。ONEには2016年に参戦し、アトム級の女王のアンジェラ・リー(シンガポール)と2度にわたってフルラウンドの戦いを繰り広げた。だが、昨年と今年はデニス・ザンボアンガ(フィリピン)とジュリー・メザバルバ(ブラジル)を相手に判定負けを喫している。
対するジヒンは23歳。アマチュア総合格闘技、ムエタイ、ブラジリアン柔術などに取り組んできたが、特に強力なバックボーンはウーシュー。世界選手権で優勝した実績もある。前回の試合でビー・ニューイェン(ベトナム / 米国)を倒しており、連勝して勢いをキープしたいと考えている。
対戦を前に山口がONEチャンピオンシップ編集部のインタビューに応じた。
ONEチャンピオンシップ:ザンボアンガ戦、メザバルバ戦とタフな試合が続いた。メザバルバ戦を改めて振り返ってほしい。
山口芽生:自分の良さが出せなかったので、打撃から寝技につなげる動きをもっと出していきたいという課題を得た試合だった。打撃は結構練習してきたので、その部分は色々と出せたと思う。
打撃で圧倒されるような強さなどは感じなかったが、ただ自分の形に持っていけなかった。組んだ時の体の強さは感じたが、倒し方を工夫すれば別に色んな攻め方があったのではと思う。脅威とは思わなかった。
ONE:前回の試合から変わったことはあるか?
山口:前回はボクシングに偏りすぎていた部分があった。あの試合の後、バランスよく自分の良さを出せるように意識していた。
練習もバランス良くできるように環境を整えたりとか、前回よりもすごく良い状態で普段の練習もできていた。
普段から体重を戻しすぎないようにしていたし、年が明けたらなるべく早く試合をしたいと思っていて、練習の強度も落としすぎずに過ごしていたので、今回のオファーがあったときにすぐに受けることができた。
ONE:今回の試合は緊急参戦で、若く上昇中のファイターとの対戦。SNSでは「喧嘩に準備期間はいりません」とコメントしていた。
山口:今回、超スクランブルで10日前のオファーだったが、自分が日頃から練習していることを思いっきり出せる良い機会だと思って試合を受けた。
私も練習していたとはいえ、試合前のキャンプみたいな形ではなかった。全力で行くが、結構きつい場面は出てくると思う。それも分かった上で試合を受けたし、そういう試合も見ている側としては面白いと思し、良いんじゃないかと思う。
ONE:昔のインタビューで、ジヒンは山口選手のことを尊敬しており、憧れのファイターだと話していた。
山口:それはすごく嬉しい。自分もそうやって色々と目標にしてくれたりしてくれるのは嬉しい。ただ、自分はそれよりもさらに進化できるようにしないといけないと思う。
ONE:ジヒンの強み、弱みをどうみているか?
山口:体は強そうな感じで、どんな相手でも下からでもガンガン攻める印象がある。MMAで下からでも怖がらずいけるというのは、すごいと思う。ジヒン選手のプラスの部分だ。
全体的にバランスの整っている選手だが、色んな場面で荒さがあるので、自分が攻めていくならそういう部分と思う。荒さは時にはプラスになるし、マイナスにもなる。それはどこで活かすか。自分はそのマイナスになった瞬間に攻め込まないといけないと思う。
(相手の最大の武器は)下からの攻撃だ。フィジカルの強さもあると思うので、思い切った動きに流されないようにしっかりポイントを突いて抑えていきたいと思う。
ONE:自身のアドバンテージは何だと思うか?
山口:全ての局面での経験値、細かい動きは劣っていないと思う。そういったところ活かして動きたい。
ONE:ジヒンはウーシューのチャンピオンだ。彼女の打撃をどう評価するか?
山口:そんなに怖がらずに前に出てくるタイプだけど、一発があるようには見えない。怖がらずに攻めてくるな、という印象だ。
ONE:打撃の面で言うとどちらが優位だと思うか?
山口:身長差はあるが、自分の踏み込みの方が速いと思う。ジヒン選手は、途中で蹴りや膝を合わせてくるので、そこを気をつけながら攻めたい。
お互いに良さはあると思う。空手ベースの打撃は、ムエタイとかウーシューっぽいスタイルにはない、スピードや入り方だと思うので、そこを出せたら見ている側も面白いのではないかと思う。
ONE:この試合の勝利の鍵は何だと思うか?
山口:勢いのある動きをする相手だが、自分もそれに劣らぬ勢いで一本を取りに行くというのが決め手だと思う。
ONE:この試合はどんな展開になると思うか? 理想の終わり方は?
山口:寝技の攻防になるのではないかと思う。向こうも寝技が得意で動いてきてくると思うので、この試合は良いマッチアップだと思う。
ONE:どの試合も大切な試合とは思うが、今回の試合での勝利はどんな意味があるか。もしこの試合で負けたら引退などは考えているか?
山口:もう一度良い形で勝って、ランカーや、まだ対戦していない選手と試合をしたい。とにかく面白い試合をして、観客のみんなを楽しませて、印象に残る試合をしたい。格闘技は面白いなって。
コロナの時期で色々大変なこともあると思うが、格闘技を見ながら元気になってもらえたらいいなと思う。そういうことが自分にはできるんじゃないかなと思う。なので、そのことを意識して試合をしたい。
ONE:今後の目標は?
山口:ONEと言ったらメイ・ヤマグチというくらい、面白い試合をしたい。つまらない試合をしないように、どの試合も面白い、というのを最後までやりたい。初心忘れるべからず、という訳ではないが、そういうものを表現して悔いなく残りの試合をやっていきたい
できるだけ試合をして、見てくれている方に恩返しというか、面白い試合をして皆に元気になってほしい。それがONEでの目標。
できれば最後は日本で試合をしたい。やったとしても、あと2年くらい。みんな生で見たいって言ってくれるので、そういう気持ちにも応えたいし、日本でしっかり面白い試合をして印象を残して、引退後も人の役に立つ仕事ができればと思っているので、良い意味で知名度をしっかり残して、次の活動につなげられたらと思う。
ONE:2度対戦したアンジェラ・リーが、スタンプとの防衛戦を行う。リーはスタンプの打撃に対処できると思うか?
山口:アンジェラが先に組んじゃって、打撃の時間を短くして、それをスタンプもフィジカルが強いので頑張って切ったり、蹴りまくったりするんじゃないかと思う。
寝技はアンジェラが強いし、組みもすごい上手なので。スタンプの打撃できれいにKOされるようなイメージはあまりない。
ONE:この試合ではどちらが勝つと思うか?
山口:アンジェラではないか。レスリングの技術はアンジェラの方が上だ。手足も長い。
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