【6/3大会】2位ランカーと対戦の和田竜光「勝ったらタイトル戦を」
フライ級の数々のトップアスリートと対戦してきた和田竜光が、6月3日(金)の「ONE 158: Tawanchai vs. Larsen」で、元ONEフライ級世界王者で2位コンテンダーのカイラット・アクメトフ(カザフスタン)と対戦する。
和田は現在連勝中。ランキング入りこそしていないものの、過去には現在1位のDJことデメトリアス・ジョンソン(米国)、4位のダニー・キンガッド(フィリピン)、5位のリース・マクラーレン(オーストラリア)らとフルラウンドの攻防を繰り広げてきた。このため、対するアクメトフも「壮絶な試合になるだろう」と警戒している。
シンガポール・インドア・スタジアムで行われる試合を前に、和田に意気込みを聞いた。
ONEチャンピオンシップ:前回の試合、今年1月のワン・シュオ(中国)戦を振り返ってほしい。
和田竜光: 相手はストライカーで、どこかの団体のチャンピオンで、KOとかで勝ってきていた選手だった。打撃でも勝負するつもりでやったが、結局やられることはなかった。ポジション取るなどして、MMAをやって勝てた。ストライキングで自信持ってやれているなっていう気持ちはあった。
ONE: タフな相手に連勝中だが、自分がランキングに入っていないことについてはどう思うか?
和田:フライ級で、僕のこの戦績であれば入っていなくて当然だと思っている。ただ、僕はDJにしか負けていないと思っている。マクラーレンや、ヨッカイカー(フェアテックス)には、結果として負けが付いたが、負けたなと思ったのはDJだけ。その星が全部逆だったらランカーだとは思うが、そうはないので、現状の結果だと当たり前だ。
ONE: 自分をランキングに入れるとすれば、どの位置だと思うか。
和田:チャンピオン(アドリアーノ・モラエス)は強いし、DJも強い。あとはカイラットがその次だ。僕は、チャンピオンとカイラット以外とは試合をしている。(3位の)若松(佑弥)は別として。カイラットより自分の方が強いと思っているので。そう考えると2位かな、と。でもやってみないと分からない。
ONE: 直近4戦3勝。かつ2連勝中だ。ランカーであり元ONE世界王者との対戦に向けて、自身は準備万全で、相応しい相手だと感じるか?
和田:準備は万端。それこそランキングに入っていない選手なのに、カイラットとできるのはラッキーだ。一番やりたい選手だったので。実際に(次に戦いたい選手として)名前も出していた。
チャンピオンは別として、僕はDJともマクラーレンとも、キンガッドともやっている。カイラットは彼らに良い勝ち方していたので、試合をオファーをもらってすぐにイエス、と返答した。
ONE: アクメトフの印象は?
和田:腰も強くて、強いパンチを振ってきて、パンチからのテイクダウンや、テイクダウン・ディフェンス。ガッツのある良い選手だと思っている。印象は、体が強いということ。組み負けたりするシーンは見ないので、強いんだと思う。
技術がすごいとは思わないが。過去の試合で言うと、一番最近のキンガット戦を何度か見た。動きは頭に入れている。コーチもよく見てくれていて、対策を考えてくれてアドバイスしてくれている。自分の持っているものと合わせて当日戦ってみたいと思う。
ONE: アクメトフはレスラーとしても知られている。それについては警戒しているか?
和田:もちろんレスリングが強いと思うので、テイクダウンも警戒する。体が強いからパンチも重いことも考えられるので警戒している。ただ、彼よりも強いレスラー、グラップラー、ストライカーとも練習しているので、その体験はしてきた。自信というか、体験があるので恐れてはいない。
ONE: そういう相手をどう崩すか?
和田:ぶつかり合って。ぶん殴ってやろうと思う。もちろん細かい作戦はあるが、相手は殴られるのを嫌がると思うし、僕も自分が強いと思っているので。シンプルに力とかじゃなくて、ぶつかったときに押し負ける感じはしない。
テイクダウンされるシーンもあると思うが、俺のことを抑え込めるのかな、と。彼から逃げられそうだし、やられる気はそんなにしていない。
ONE: 試合の終わり方をどう想像しているか?
和田:彼はあんまりやられたことがなく、やられたらびっくりすると思うので、びっくりさせてやろうと思う。決めていないが、バックチョークが得意なので一本勝ちしたいし、パンチも強いのでKOしたい。
ただ、単純に強い方が勝つ。ミスするのも実力のうちなので。ケージの中で、あのルール、時間制限の中でどっちが強いのか決まるだけだ。
ONE: アクメトフはプロ2敗。どちらも判定負けでフィニッシュされたことはない。今回の勝利の鍵は何だと思うか?
和田:ぶつかろうかな、と思っている。相手の体が強いから、レスリングが強いからって相手を過大評価して、そこからディフェンシブな展開になると相手がやりやすくなってしまうので、相手をびっくりさせようと思う。
打ち合う展開があるかもしれないし、テイクダウンしてカイラットがやりたいことを、僕が逆にやる展開もあるかもしれない。もちろんディフェンスに回る場面もあると思う。でも後手のディフェンスをしたくないと思う。オフェンシブなディフェンスをしたい。
ONE: ONE2戦目では、第1ラウンド52秒一本勝ちしたが、これはONEフライ級で2番目の記録だ。また、DJ戦では得意技の「おたつロック」も含めグラップリング技術で相手を苦しませた。今回もサブミッションを狙うか。
和田:僕はグラップラーだと思われがちだが、その意識はない。結果そうなっているだけで、ストライカーとストライキングしてもやられていない。それこそONEに来てからろくに殴られていないんじゃないか。
ストライキングについては自信がある。それなりに戦える自信がある。グラップリングも含めて、僕がやりたいのは交ぜて戦うこと。良い場面で良い打撃を、良いグラップリングを出すという戦い方だ。
ONE: 前回の試合後「DJ戦が叶ったので1人ずつやっつけていくだけ」とコメントしたが、今のゴールは?
和田:僕がチャンピオンになるっていうこと一択だ。どういう結果になっても良い。今はベルトを取りたい、というのだけ。一人一人やっつけていくというのも、ベルトを取るために必要だから。
カイラットがランキング2位なので、やっつけたらその上とやる資格があるはずだ。それがないと言われても、あるだろと言うつもりだし、それを言うために勝つつもりだ。
ONE: アクメトフはよく自分が次のタイトルマッチ挑戦者、またはDJの相手だと口にする。もし和田選手がこの試合に勝てば、タイトル挑戦やDJとの再戦に相応しいと思うか?
和田:DJが上にいるが、前に戦った。DJもモラエスに負けたし、ランキング1位だが、ロッタン(ジットムアンノン)に勝ったくらいじゃ甘いだろうと思う。この試合で勝ったらタイトル戦をやらせてくれよって言いたい。これを勝つことに今は集中している。
ONE: 最後にファンへのメッセージを。
和田:6月3日に、あのケージの中で、あの決められたルールの中で、どっちが強いのか、しっかり見ていただけたら嬉しいです。頑張ります!