【10/22大会】決勝はスーパーレックvs.パンパヤック、ONEフライ級ムエタイ世界GPこれまでのまとめ
タイのムエタイシーンでは、5度、6度、あるいは10度近く同じ相手と対戦することも珍しくはない。その背後にある考え方はこうだ。「2人のアスリートの相性がよければ、何度でも戦わせる」
ONEフライ級ムエタイ1位コンテンダーのスーパーレック・キアトモー9(タイ)と2位のパンパヤック・ジットムアンノン(タイ)の場合も、これに当てはまる。
これまで両者は7度対戦してきたが、8度目はマッチメーカーが用意したものではない。運命だ。
ONEフライ級ムエタイ世界グランプリのトーナメントを勝ち上がってきた両者は、10月22日(土)の「ONE Fight Night 3: Lineker vs. Andrade」で行われる決勝で激突する。
この大一番まで2週間足らず、この記事では、この2人がどのようにしてここまでたどり着いたか、そして、マレーシア・クアラルンプールのアクシアタ・アリーナで行われる決勝がどうなるかを紹介する。
準々決勝で激震
スーパーレックは5月の「ONE 157」で行われた準々決勝で、日本の内藤大樹と対戦。内藤はフライ級キックボクシング4位で、元ONEフライ級キックボクシング世界王者ペッダム・ペッティンディー(タイ)や現フライ級ムエタイ4位のサバス・マイケル(キプロス)を相手に重要な勝利を挙げている。
だが、スーパーレックは正確なボディーキックとカウンターを駆使し、ユナニマス判定で内藤に勝った。
振り返ってみれば、これはカウンターと呼ぶにはふさわしくない。なぜなら、スーパーレックは相手がどういう攻撃を仕掛けてくるかを知っており、それをかわすための多様な武器を有しているからだ。
一方、パンパヤックは「ONE 157」では、ONEフライ級ムエタイ世界グランプリ交替試合でホスエ・クルス(メキシコ)と対戦する予定だった。しかし、クルスは欠場となったジョナサン・ハガティー(イギリス)に代わり、ボルター・ゴンサルベス(ブラジル)と対戦。
パンパヤックの試合はなくなり、ゴンサルベスはクルスに勝利。そしてロッタン・ジットムアンノン(タイ)は、ジェイコブ・スミス(イギリス)に、マイケルはアミール・ナセリ(イラン / マレーシア)に勝った。
だがこの後、パンパヤックはチャンスを手にすることになる。
直前の出場決定で準決勝へ
8月の「ONE FIGHT NIGHT 1」での準決勝では、スーパーレックはゴンサルベスと、ロッタンはマイケルと当たる予定だった。
しかし、ロッタンはONEが義務付けているハイドレーション・テストの検体を提出できず、計量が許可されなかった。これがパンパヤックにとってチャンスとなった。
同大会では、スーパーレックは第1ラウンドでKO勝利を挙げ、ONEで初めてゴンサルベスをフィニッシュしたアスリートなった。
一方、土壇場でロッタンに代わって出場することを迷いなく受け入れたパンパヤックは第2ラウンド、マイケルを強烈なエルボーでノックアウトし圧勝。
それぞれ勝利を挙げたスーパーレックとパンパヤックは、ONEフライ級ムエタイ世界グランプリ決勝に進出。8度目の対戦をすることになった。
どうなるグランプリ決勝
すでに7度対戦している2人は、互いの技や強みと弱みを知り尽くしている。いつ相手が攻め、引くかも分かっているに違いない。
だが、お互いに分からないこともある。何時間ジムでトレーニングを積もうが、何度対戦しようが、いつだって起こり得ることだ。
それはつまり、サプライズの要素だ。そして両者ともいかなる時でも、そのサプライズのためのスイッチを入れることができる。
パンパヤックはこれまでの両者の対戦では4勝2敗1分と勝ち越しているが、今回の対戦では、かかっているものの重みが違う。
グランプリ優勝者は、銀色のベルトのみならず、ONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタンへの挑戦権も得ることになる。
このため、ONEフライ級ムエタイ世界グランプリ選手権決勝のスーパーレック対パンパヤックでは、火花の飛び散るような戦いが期待できるに違いない。