【4/4タイ大会】「ONE Fight Night 30」王者クリークリャ、KO防衛を振り返る「史上最強のファイターになるための一歩だ」

4月4日にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催された「ONE Fight Night 30」のメインイベントで、ONEヘビー級ムエタイ世界王者のローマン・クリークリャ(ウクライナ)が挑戦者のリンドン・ノウルズ(英国)に1Rノックアウトで勝利し、初防衛に成功した。
欧州ムエタイ実力者を相手に、クリークリャのムエタイの実力が問われる一戦だったが、わずか2分10秒のフィニッシュ。ONE7戦の中でもベストと言っていい程の完璧なパフォーマンスを披露した。
磐石の強さでクリークリャの長期政権は間違いないと言った印象をつけた試合内容だったが、1年以上ぶりの復帰戦で不安があったか、33歳のクリークリャは試合後、安堵したようだ。
「文句ない結果を手にしたので、全てが良かったと言える。試合前は精神的に辛かったが、これで安心できる。気持ちは自由でハッピーだ。」
クリークリャはONEライトヘビー級キックボクシング王者であり、2022年ONEヘビー級キックボクシングWGP覇者。主にキックルールで戦っていたが、ONEムエタイは今回が2戦目だ。
WBCムエタイ世界王者の肩書を持つムエタイベテランのノウルズに圧勝したことにより、クリークリャがムエタイでもキック同様に危険な存在であることを証明できた。
クリークリャは試合開始から強いパンチをボディに集中させ、ノウルズを下がらせると、ヒザ蹴りからの左フックでノウルズから最初のダウンを奪う。
意地を見せたノウルズは立ち上がったが、ダメージは明らか。フィニッシュを狙いクリークリャはラッシュを仕掛けると、最後は強烈な右ストレートでクリークリャを倒した。
クリークリャは試合後、相手へのボディ攻撃がゲームプランの重要な部分だと語った。
「コーチのアドバイスに従った。コーチの(アンドレイ)グリディンが私の試合の戦略とプランを立ててくれるが、毎回上手くいっている。これは私とって効果があったコンビネーションの一つで、しっかりと練習していた。」
クリークリャにとって、ノウルズを破って世界王座を防衛したことは、彼を世界のパウンド・フォー・パウンド・ストライカーの一人として確固たる地位へと押し上げた。史上最強を目指す中で、重要な瞬間だったと語った。
「この勝利は一歩前進したというだけでなく、観客や格闘技ファンの注目を集めるチャンスがまた一つ増えたということを意味する。これは、史上最強のファイターになるための一歩だ。」
クリークリャ、早い次戦を熱望
わずか2分10秒でノウルズを完勝し、ほとんど汗を掻くことなくリングから降りたクリークリャ。早い次戦を望んでいるようだ。
ヘビー級ムエタイの王座防衛、ライトヘビー級キックボクシングの王座防衛、クリークリャは誰の挑戦でも受ける構えだ。
「1週間もあれば、リングに戻れる状態だ。身体は全く問題ない。怪我もないし、本当にいつでも戦える。ヘビー級ムエタイでもライトヘビー級キックでも、何の試合でもオファーを待っている。」
直近の5試合全て2R以内にフィニッシュしているクリークリャ。ONEの立ち技競技は現在、武尊や野杁らの参戦もあり、中・軽量級の試合が盛り上がっているが、クリークリャは彼らに負けないくらいのパフォーマンスを見せることを約束する。
「ヘビー級に注目して欲しい。近いうちに大きな出来事が起こると思う。私のスキルを最大限に発揮できるチャンスが欲しい。過去の試合は、私の相手は1、2ラウンドしかもたなかった。もっと強い相手だったら、私が持つムエタイとキックボクシングの高い技術を見せることができる。」