★インタビュー特集:日本選手の2019/2020②—北方大地

Daichi Kitakata ONE CENTURY media day NAGA7758

ONEチャンピオンシップの日本人アスリートに2019年を振り返ってもらい、2020年の抱負を聞く企画「ONE日本選手の2019/2020」。第1~5回は、10月に東京・両国国技館で開催された「ONE: CENTURY 世紀」の夜の部ONE: CENTURY PART IIで行われた修斗・パンクラスの世界王者対決に出場したアスリートのインタビューをお届けする。

第2回は、ストロー級キング・オブ・パンクラシストとして出場した北方大地だ。

  ★  ★

北方は、修斗ストロー級世界王者の猿田洋祐と対戦。第2ラウンドでテイクダウンを奪われ、グラウンドパンチでKO負けを喫した。この時の試合から得た教訓、2020年の目標に加え、正月の過ごし方も語ってもらった。

🇯🇵 SHOOTO: 2 – PANCRASE: 2 🇯🇵

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Posted by ONE Championship on Sunday, October 13, 2019

ONEチャンピオンシップ:両国大会を振り返ってどうか?

北方大地:負けるときは最近はいつもそうだが「余裕だな」と思った後に負ける。

第1ラウンド終了後、僕の寝技でパワーを使わせて相手がすごく消耗していたので「あの感じでこんなに消耗するなら大したことがないな」と思って、第2ラウウンドからしっかり打撃を当てようと思った。

僕たちは小さくて速いから見にくいとは思うが、いきなり仕掛けたら結構当たった。そこで「余裕だな」と思った。

でも下からで、危険な状態でもあるにも関わらず、相手の攻撃にヒジをカウンターで入れてやろうと思った。そうすると相手もパウンドを練習していたみたいで、僕の予期せぬ角度から(パンチが)来た。相手がそれだけ必死だったというのも、あのとき余裕をこいてしまった自分は考えていなかった。

彼ほど試合中、必死ではなかった。その一瞬の気の緩みで勝利を持って行かれた。やはり「余裕こいたらあかんな」というのが敗因であり、教訓。

ONE:もしまたONEで試合をする機会があればどう生かすか?
北方:シンプルに、相手をフィニッシュするまで集中し続ける。途中の段階で優勢になっても、それに一喜一憂しない。もっと、勝負に対して非情さを持ちたいと思っている。
ONE:メンタルの強化が必要ということか?

北方:そうだと思う。僕はメンタルを最優先しているし、心が体を引っ張る。その体で引っ張って技を出すので、一番大事なところを一番強化するべきだと思う。意識を強くするだけのことだが。

(メンタルの強化は)難しいから、最も時間をかける部分だ。練習中に毎日、意識をする。それだけ。自分との向き合いだから楽しくはある。意識さえすればどこでもできる。日常生活で自分が嫌なこと、得意ではない環境に直面している時も、メンタルの強化につながる。

ただ24時間ずっと重たく考えているのではなく、楽しいから考えられる。「どうやったら強くなれるか」「どうやったら成長できるか」の2点しか興味がない。

ONE:それだけ考えていると、試合や練習以外でも格闘技に役立つヒントを得ることはあるか?

北方:(ヒントを得るのは)だいたいリングの外だ。それでリングの中で答え合わせをする、という感じだ。練習してきたことが「やっぱりそうだな」とか、「やっぱりここはちょっとリングの中では違ったな」などとなる。

ONE:両国大会では入場曲を『河内おとこ節』にした。

北方:ONEに出るにあたり、日本人らしい曲であり、大阪という地域を印象付ける曲もありかな、と思っていた。

大阪はだんじりや盆踊りがどちらも盛んだ。僕の家の前の公園で毎年、大きな盆踊り大会があって小さい時から聞いていたので、血が覚えている曲だ。リズムはゆっくりしているが、僕はそれでしっかりスイッチが入る。「よっしゃ、いっちょ行こうかな」みたいな。

ONE:両国大会直前のONEのインタビュー記事では、道場まで自転車で片道3時間かけて通っていたという印象的なエピソードを紹介された。

北方:初日は道に迷ったので3時間かかったが、2、3日目からは2時間になった。往復で4時間。あほやったから。「いけるやろ」みたいな。でも「なかなかつかねーな」となった。高校が家から徒歩30秒くらいのところにあり、夜の練習が6時半からだったから「4時くらいに出たら間に合う」という感じだった。

ONE:「格闘技上達にサイクリングが役立つ5つの理由」という記事もあるが、それでも連日2時間のサイクリングはウォームアップとしては激しすぎるのでは?

北方:15歳から始めたから、そういうことを考える脳がなかった。2時間こいだら練習ができるとしか思っていなかった。原付免許を取るまで半年ほどそれを続けた。

それに、父が競輪選手だったので、「2時間くらいできゃーきゃー言われへんわ」というのは思っていた。

ONE:新年の目標は立てるか?

北方:新年区切りでは立てていないが、2020年がどんな年になるかというと、組まれた試合を全てお客さんが喜ぶ試合でクリアして、2020年内にはチャンピオンになりたい。現実的には3試合くらいしたい。

ONE:対戦したい相手はいるか?

北方:猿田には借りを返したい。

(ジョシュア)パシオ選手は日本にいないタイプで面白そうだ。技術的にはスピンキックなど回転系が多いし、わかりやすいくらいカウンターの選手なので、ONEのルールにあっている。チャンスが来たところを「ゴーン!」という感じだ。

日本人なら自分から攻めるか、きれいにアウトボクシングをするかどちらか。そういう外国人特有の技術体系を自分の良さにはめて、試合していると感じる。

ONE:年末年始の予定は?

北方:この10年、毎年1月2日は金剛山(奈良県・大阪府)に登る。金剛山は2歳から登っている。

基本的にのんびりするのが苦手なので、どこかに行くと思う。つい最近(インタビュー時点の11月末)広島に行ったし、来週は石垣島に行く。自分が慣れない環境が自分を強くすると思うから、練習以外の時間は経験していないことをする時間だと思っている。この12月はそういう風に時間を使いたい。

ONE:山に登った後も練習に行くのか?
北方:当然ある。減量中ではなくて食事さえ食べられていれば。

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