★インタビュー特集:日本選手の2019/2020④—手塚裕之
ONEチャンピオンシップの日本人アスリートに2019年を振り返ってもらい、2020年の抱負を聞く企画「ONE日本選手の2019/2020」。第1~5回は、10月に東京・両国国技館で開催された「ONE: CENTURY 世紀」の夜の部「ONE: CENTURY PART II」で行われた修斗・パンクラスの世界王者対決に出場したアスリートのインタビューをお届けする。
第4回は、ウェルター級暫定キング・オブ・パンクラシストとして出場した手塚裕之だ。
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手塚は、北米の格闘技団体へ参戦経験もある百戦錬磨のベテラン、修斗ウェルター級世界王者エルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル)をユナニマス判定で下した。今回は手塚に、両国大会の思い出や、新年の目標はもちろん、体づくりの秘密まで語ってもらった。
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Posted by ONE Championship on Sunday, October 13, 2019
ONEチャンピオンシップ:両国大会は、打撃戦を制しての勝利だった。
手塚裕之:(ペルペトゥオの)蹴りが強かった。途中から自分のパンチが当たり出して削れていってくれたので、最後に自力で勝ったという感じだ。
ONE:大会後、変化はあったか?
手塚:テレビで見ていたような大きい舞台に出るのは初めてだった。たくさんの人に自分の試合を見てもらえて、楽しかった。
東京に出て歩いていたら「ONEに出ていましたよね」と道端で声をかけてもらうこともあった。今まで格闘技会場で声をかけられることはあったが、街で声をかけられる機会も増えた。
ONE:ONEに参戦してどうだったか?
手塚:選手への配慮が感じられた。試合のだいたい4日前からホテルに入って、健康診断やインタビューがあった。メディアの数も多く、バスで試合会場へ送迎してもらうなど、団体の大きさを感じた。バスから降りたら、カメラマンや記者に囲まれて、もうサッカー日本代表になったような気持ちだった。それだけ注目されているんだなと思った。
ONE:両国大会でジョルジオ・ペトロシアンと撮った写真をアップしていた。渡米経験を生かし、英語でほかの選手と交流する機会もあったのでは?
手塚:デメトリアス・ジョンソンには(自身のソーシャルメディアで受注生産をしている)Tシャツをプレゼントした。そうしたら「かっこいいじゃん」と言ってもらえた。(北米の総合格闘技団体の)チャンピオンとしてテレビで見ていた存在だったので、同じ大会に出るのは「ここまで来たんだな」と変な感じがした。
ONE:両国大会の直後、コメの収穫をする様子をソーシャルメディアに投稿していた。
手塚:試合の2日後から1ヶ月間は、ずっと稲刈りだった。「手塚ファーム」「手塚農場」と呼んでいるが、父と母、姉と僕、家族全員でとコシヒカリを作っている。試合の週や、ケガをした場合、合宿の際は仕事ができないが。
ONE:農業も体力勝負なので大変では?
手塚:田植えの時期は朝が早くて、夕方までかかる。大変だが、家族みんなで協力しながらやっている。練習を集中してできるのは、1日2、3時間だし、体を回復させる時間も必要なので。
ONE:両国大会では、試合後にリング上で筋肉を強調するポーズを取っていた。その筋肉美はコメを食べて培われたのか?
手塚:僕は「筋肉をつけたければタンパク質ではなく炭水化物だよ」と発信している。炭水化物を摂らずエネルギーがない状態でトレーニングすると回復も遅れるし、そういうのは続かないから、一気に摂ってリバウンドする。僕は特盛りぐらいのサイズを1日3食食べる。
ONE:2015年にプロデビューして来年は5周年。2020年の目標を聞かせてほしい。
手塚:2020年の間に叶えられるかわからないが、タイトルを取るのが目標だ。世界中に名前が広まるように、ONEの中で飛躍したい。東京五輪もありスポーツに関心が向いているので、格闘技も五輪に負けないように。ONEの認知度を日本でも上げたい。
ONE:向上したい点は?
手塚:今まで通りに強くなるだけ。強くなればファンもついてくる。僕の試合は面白いので、自然と人気が出るのではと勝手に思っている。
ONE:年末年始の予定は?
手塚:2014年の年末、プロデビューする前の(体育教師として)学校で働いていた時からだいたい毎年、タイやシンガポールで合宿をしている。(日本は)正月はジムが休みのところが多いからだ。来週(インタビュー時点の11月末)もオーストラリアに半分遊び、半分トレーニングで行ってくる。現地の有名なジムも行きつつ、2週間かけて色々見てきたい。