★インタビュー特集:日本選手の2019/2020⑨—岡見勇信

Yushin Okami at ONE CENTURY DC DUX_0315

ONEチャンピオンシップの日本人アスリートに2019年を振り返ってもらい、2020年の抱負を聞く企画「ONE日本選手の2019/2020」。今回は2019年ONEにデビューし、3試合に出場した岡見勇信のインタビューをお届けする。

北米の総合格闘技団体などで世界の強豪たちと戦ってきた岡見は、5月にONEデビュー。「ONE:FOR HONOR」でキャムラン・アバゾフ(キルギス)と対戦し、KO負けを喫した。続く8月にも「ONE:DAWN OF HEROES」で、ジェームズ・ナカシマ(米国)を相手にユナニマス判定負け。2連敗スタートとなったが、10月の両国大会「ONE:CENTURY 世紀」でアギラン・ターニ(マレーシア)を相手にスプリット判定でONE初勝利を挙げた。

敗戦から得た教訓や、2020年中に獲りたいという悲願のベルトへの思いを聞いた。

ONEチャンピオンシップ:2019年を振り返ってどうか?

岡見勇信:チャレンジしていく年だった。ONEと契約をして、初めて出場して、対戦相手やいろいろと新しいことにチャレンジした。現役としてのファイトスタイルも試行錯誤しながら、いろいろ考えていろいろ動いた一年間だった。

ONE:ONEに初参戦して、他の大会と違った点はあったか?

岡見:アットホームな雰囲気をONEが作ってくれて、選手や日本人の武道精神もリスペクトしてくれた。戦う部分に関してはストレスはなかった。

アバゾフとナカシマとは久々のリングでの試合だった。2試合戦って、ONEで戦っていくためには、リングでもケージでも両方で自分のパフォーマンスが100パーセント出せるように、体になじませなければと思った。リングだろうがケージだろうが強い方が当然勝つが、勝つために必要なことをどんどん取り入れていかなければいけない。

戦略的には、ONEのケージは円なので、動きやすさがある。足を使って距離をとるなどする。リングだと四角形で角があるので、追い詰めやすくなるし、逆に追い詰められやすくもなる。

ONE:2連敗後の両国大会前のインタビューでは「次のONE3戦目は岡見勇信を見せつけたい」と話していた

岡見:勝つことだけで精一杯だった自分がいて、その姿しか日本や世界中のファンに見せられなかったというのは感じている。

「こんなもんじゃないんだよ」というのはどんな選手も思っていると思う。自分のファイトスタイルでのアギラン・ターニ戦は、「今のまま戦っているとここが限界かな」と。だから、ここからは変化がなければ、この先戦っていくのは辛いだろうと思った。

勝つことは勝って着地はできたが、この先ベルトを獲りに行くとなれば、自分を変える必要がある。

ONE:両国大会前には、敗北から今まで学んできたとも話していた

岡見:負けから得られるものというのはたくさんある。負けると悔しいし辛いし、全てが否定されたような感覚に陥るからだ。自分くらいのキャリアになってくると、立ち上がるのもけっこう大変だ(笑)。「また次」とは簡単には言えない。

敗北を点と考えずに線と考えて、この先に勝利が待っていると信じている。「負けても終わっていない」と、連敗中は思い続けてモチベーションを高めていた。

ONE:新年の目標は立てる習慣はあるか?2020年の目標は?

岡見:もちろん立てる。先ほど話したように、今のままのスタイルでは限界を感じている。言葉で言うのは簡単だが、新しい岡見勇信を構築しないと、勝っても良いパフォーマンスができないと(いけないと)、アギラン・ターニ戦ではっきりと分かった。次でその姿を見せて、そしてその先にベルトを獲りにいく。

2020年の目標はONEのベルトを必ず獲る。そのために新しい岡見勇信を、新しいファイトスタイルを作っていかなければと思う。

ONE:どんなスタイルになるか?

岡見:もう20年総合格闘技をやっているが、今更何を変えられるんだと。散々いろいろなことを試してきた。新しい岡見勇信だとしょっちゅう言っている気もする(笑)。

でも今いろんなものが繋がってきて、次こそ本当にいいものが見せられるなという(気がしている)。アグレッシブに手数を増やして、アタックする回数を増やさなければ先はないだろう。自分にとっては最終章なので、自分のファイティングロードでいい着地をするために、今まで自分が挑戦しようとしていたことから目をそらさず勝負をかけたい。

今まで自分が求めてきたファイトスタイルがあって、でも勝つことを優先してやってきた。それで勝ってきたが、今はいつ現役を退いてもおかしくない状況。自分がやりたかったことを迷いなくONEの舞台で出し尽くしたい。それが、自分の本当の強い姿だと信じている。

ONE:輝かしいキャリアの中でベルトだけが欠けている。思いは人一倍と思う。

岡見:ベルトとは縁がなかった。ONEのベルトが欲しい。今まで20年やってきたことへの集大成としても、応援してくれた人のためにも獲りたい。

Yushin Okami DC 6209

ONE:対戦したい相手はいるか?

岡見:元ONEウェルター級世界チャンピオンの(ゼバスティアン)カデスタムを倒して、ベルトへの挑戦権の列に最短で並びたい。アバゾフにはチャンピオンのままでいてもらって、再戦して倒してチャンピオンベルトを獲るというイメージができている。

ONE:年末年始の予定はあるか?

岡見:正月は練習が恒例になっている。元旦に練習をして「今年も頑張るぞ」と。格闘技を始めた頃からの習慣だ。今年は(自身が取締役を務める東京の格闘技ジム)「EXFIGHT(エクスファイト)」で練習する予定だ。

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