【10/13大会】プー・トー、清水俊一と練習「グラウンド技術磨いた」
10月13日、東京・両国国技館で開かれる「ONE:CENTURY 世紀」朝の部で、ユン・チャンミン(韓国)と戦うプー・トー(ミャンマー)は、格闘家としての進化と試合の必勝を期して、慣れ親しんだ環境から飛び出し、日本での合宿を敢行した。
母国を離れ、所属先のTeam PTの仲間と離れて、史上最大の舞台でのフェザー級戦に臨むプー・トーは、試合に向けての準備を万端に整えただけでなく、両国国技館での戦いにもすっかり順応している。というのも、プー・トーは会場からわずか9キロしか離れていない場所で、練習を積んできたからだ。
ノックアウト・アーティストのプー・トーは、清水俊一とグラップリング(組み技)のレベルアップを図っていたのだ。清水のチームもまた、プー・トーの仕上げに協力を惜しまなかった。
「心から歓迎してもらった」と“武士道”のニックネームを持つプー・トーは明かしている。
「練習中でもいつも自分のことを優先してもらって、この試合に必要な全ての技術の改善に手を貸してくれたんだ」
プー・トーはこの試合に先立ち、タイ・プーケットのTiger Muay Thaiでもグラップリングの練習を行っていた。しかし、今回の練習のテーマは、日本人レスラーや柔道家との練習を通じて、グラップリングのレパートリーを増やすことだった。
“地球上で最も過激な格闘技”といわれるミャンマーの立ち技格闘技ラウェイと、極真空手とをバックグラウンドに持つプー・トーは、格闘技の本拠地で88%のKO率を誇る打撃のスペシャリストで、ONEの歴史に残る印象的なフィニッシュ劇を残してきている。
他方でユンはオールラウンダーだ。ONEでの最初の2試合で、TKO勝利と一本勝ちを記録しているのだ。だからこそプー・トーは、ユンに全局面で対応するためにも、スキルセットを全体的に底上げすることに力を注いできたのだ。
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「彼はレスリングが得意で、すぐれたボクサーでもある。一方で自分はスタンドの選手として知られている。ということは、彼のゲームプランは自分をグラウンドに引きずり込むことだろう」とプー・トーは語っている。
「だから自分の弱点と向き合い、試練を味わっておく必要があった。自分の弱点をなくし、レスリングで簡単に負けてしまわないようにするんだ」
「日本での練習はほとんどがグラウンド技術で、練習相手はレスラーだ。実戦で役立つ経験ができた」
プー・トーにとって、ハッキリとした穴のない相手と戦うということは、あらゆることに準備をしておくこと、その場その場で対応ができなければならないことを意味している。
どんなゲームプランを持っていたとしても、直ちに捨て去らなければならないかもしれない。そんな時にものをいうのが、完璧なコンディショニングだ。
「ユンは予測が難しい選手だ。だから、彼のスタイルと試合の状況をよく見て戦うことになる」とプー・トーは言う。
「これまでの試合では、スタミナやパワーで引けを取ってしまった面があった。今回はピークの状態にまで仕上げたいんだ」
プー・トーは、これほど強い相手と戦う場合には、勝利が保証されているわけではないことを認めている。そして自分が勝ち名乗りを上げるためには、キャリアベストのパフォーマンスを披露することになるだろうと考えている。
ONEミャンマーフェザー級トーナメント2016優勝者のプー・トーは、練習で打つべき手は全部打ってきた。日本大会で勝利を飾るために必要なことは全てマスターしたと確信している。
「自分がやりたいように戦えるわけではない。ユンはグラップリングも打撃も、両方のスタイルを使えるのだから、自分もその両方に対応できないといけない」とプー・トーは言う。
「カウンター攻撃で早い段階でノックアウトするつもりだ。この戦術を使えなかったら、この試合の結果は厳しいものになるかもしれない」
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「ONE: CENTURY 世紀」は、さまざまな格闘技から28人の世界チャンピオンが参戦する、史上最大の世界選手権格闘技イベントだ。フルスケールの世界選手権格闘技イベント2大会が同日開催されるのも、史上初めてのことである。
複数の世界タイトル戦、世界グランプリチャンピオンシップ決勝戦3試合、そして世界チャンピオン同士の対決をふんだんに取りそろえ、ONEチャンピオンシップが東京の両国国技館で新地平を切り拓く。