ロッタンはハガティーを倒し、ムエタイの誇りを取り戻せるか
8月2日(金)にフィリピンのマニラで開催される「ONE: DAWN OF HEROES」で、ジョナサン·ハガティーが持つONEフライ級ムエタイ世界王者のタイトルに挑戦するロッタン·ジットムアンノン。ムエタイの母国·タイのスーパースターであるロッタンは、イギリス人であるハガティーからベルトを奪うことに執念を燃やしている。
ロッタンは、これまでONEで4戦全勝。今回が、ONEで初のメインカード出場となる。
「(メインは)嬉しいけど、多少のプレッシャーもあるよ。みんなの期待も大きい」と、21歳のロッタンは、素直な気持ちを吐露した。
「ただ、タイ人の強さを改めて証明しないといけない」
対戦相手のハガティーは、前回の試合で、ムエタイ界のレジェンドであるサムエー·ガイヤーンハーダオを下している。この試合を何度も観たロッタンは、ハガティーの手の内を熟知した。
「彼が僕に打撃でダメージを与えられるとは思えないね。サムエー戦の4Rでは、ボディを嫌がる場面もあった。彼を倒すイメージはできているけど、油断は決してできない相手。しっかりとゲームプラン通りに闘いたい。彼だって、僕を研究してくるわけだし」
揺るぎない自信を見せるロッタンだが、ハガティーに対する敬意を忘れない。また、相手を過小評価することもない。
「ハガティーはムエタイを熟知しているし、スキルも豊富。色々な技を繰り出してくるから注意が必要だ。とにかく、先にミスをした方が負ける。かといって、積極的に行かないと、勝てる相手ではない」
試合を控え、ロッタンはバンコク北部にある自身のジムでトレーニングを重ねている。
「タイトルマッチだからね。普段よりハードにやっているよ。1日2回、かなり追い込んでる。自分の技術は既に完成の域に達していると自負しているけど、コンディションが悪ければ、それを発揮できない。だから、調整は慎重にやらねばならない」
貧しい12人家族で育ったロッタン。そこから這い上がるために、時に番狂わせも起こして、現在にたどり着いた。自分のため、そして家族のために、負けられない闘いが続いている。
「子どものころ、本当に何もなかった。それに、僕自身も周囲に全く期待されていなかった。だけど、ここまでなんとかやって来た。あとは、世界中の人々が注目するONEで、ベルトを獲得するだけ。それが僕を生んでくれた両親のためでもあると思うし、絶対に成し遂げたいことなんだ」