打倒アンジェラ・リーを達成したミシェル・ニコリニのクアラルンプール最終特訓とは
7月12日に行なわれた「ONE: MASTERS OF DESTINY」でONE女子アトム級世界王者のアンジェラ・リーと、ストロー級ワンマッチを行ない、キャリア最大の白星を獲得したミシェル・ニコリニ。
8度のブラジリアン柔術世界タイトル獲得を誇るニコリニは、世界最高レベルのグラップリング技術を見せつけた。
下馬評では、ニコリニがアンジェラの打撃に対応できないのではないかと言われていたが、彼女は完璧な試合展開を見せ、アンジェラの強烈な打撃を封じた。普段、母国ブラジルで生活をしているニコリニだが、今回は早めにクアラルンプール入りし、パフォーマンス向上を目指したという。
このインタビューでニコリニは、いかにしてアンジェラから判定3-0の勝利を奪ったのか、またONE女子ストロー級での目標を語ってくれた。
―試合にはどのような準備をして臨みましたか。
「様々な展開を想定して、ゲームプランを練りました。強いアンジェラをどうやって倒すか。ブラジリアン柔術の技術が彼女に通用するのか。色々試しながらも、闘いました。1Rでは、関節技を極める機会がありませんでしたが、距離は十分に縮めることができました」
―試合直後に、アンジェラを倒すのに成功しました。
「倒せたけど、アンジェラはさすがで、不利なポジションから抜け出そうとしていました。でも、私の大勢は悪くなかった。改めてアンジェラのレベルの高さを知ったけど、そういう相手でも、自分のグラウンドスキルは通用するという自信があります」
―2Rでは、戦略を変えましたか?
「いえ。手応えがあったので、コーチもこのまま行けと言ってくれました。結局、3Rも同じ方法で攻め続けたのですが、さすがに疲労が溜まってきました。だけど、それでもグラウンドで主導権が握られたので良かったです」
―サブミッションを極めきれなかった原因は。
「アンジェラの手や足の動きが早く、捉えられませんでした。だから、途中からは無理に追うのを止めました」
―アンジェラの打撃はいかがでしたか。
「顔などにダメージを負いました。典型的な寝技と打撃の試合だったと思いますが、自由にさせないようにできたと思います」
―他に勝てた原因はありますか。
「アンジェラは、やはりアトム級の選手だと思う。ストロー級でやっていくなら、もっとそれに合わせたコンディションを整えるべきだと思います。もし、彼女がストロー級に絞って取り組めば、さらにレベルの高い選手になるだろうと思います」
―3Rを闘い抜くトレーニングはどのようなものをしましたか。
「環境は最高です。デミアン・マイアコーチは、素晴らしいです。私を理解してくださって、グラップリングを中心とした良い戦略を立ててくれます。総合格闘技界で最高のコーチの一人だと思います」
―トレーニングキャンプの最後をクアラルンプールで締めくくりました。
「気候も良くて好きな街です。前は、試合のギリギリに来ることもあったのですが、今回は完璧な準備がしたくて早めに来ました。そして、ジムで仮想アンジェラ・リーのトレーニングをさせてもらいました。それが、とても良かったと思います。厳しいトレーニングでしたが、それを終えた時、すでに勝てたような気がしました」
―次の目標は。
「誰とでも闘いますが、強い選手とやりたいですね。10月以降、年内にぜひと思っています」