【7/22大会】王座陥落から「5年と22日」タイトル奪還へ燃えるビグダシュ
2017年にONEミドル級世界王座を失って以来、数々の挫折を味わってきたビタリー・ビグダシュ(ロシア)。だが、長年の努力を経て、タイトル奪還の準備が整ったと感じているようだ。
7月22日(金)、37歳のビグダシュは「ONE 159」のメインイベントで、ライニアー・デ・リダー(オランダ)の有する世界タイトルに挑戦する。
2月には長年のライバルであるアウンラ・ンサン(ミャンマー)とのラバーマッチで勝利するなど、3勝してここまでたどり着いたビグダシュ。シンガポール・インドア・スタジアムで再び世界タイトルマッチに臨めることを楽しみにしているようだ。
ビグダシュはこう話している。
「心の奥底では、再びタイトルをかけて戦えることをもちろんとても嬉しく思っている。長い間待っていたから。ベルトを失った後、負傷や災難、(新型コロナウイルスによる)世界的パンデミックなどが続いたが、数戦勝つことができて、再びタイトルマッチまでたどり着けた」
「恵まれていると感じている。すべてのことがタイトルに導いてくれたと感じているし、これまでのことは次につなげるための挑戦だった」
ビグダシュが最後にミドル級のベルトを腰に巻いてから長い時間が経ったが、自身もそのことを感じているようだ。
それでも自身の使命を見失うことはなかった。MMAの戦い方を向上させ、次にチャンスが来た時のために備えてきた。そして今、その瞬間が訪れたのだ。
ビグダシュはONEチャンピオンシップにこう話している。
「5年と22日だ。ベルトを最後に巻いてから、5年と22日が経った。以来、毎時間、毎分、まさにこの瞬間のために捧げてきたんだ」
「長い間望んでいたキャリアの新しいステップになるだろう。また、MMAキャリアのピークにもなる。世界最高の団体のベルトを獲得することは、全MMAファイターの夢だ」
ビグダシュ「全分野でデ・リダーよりも上」
ONEミドル級世界タイトル奪還のためには、ビタリー・ビグダシュは歴史的な偉業を成し遂げなければならない。
2階級王者であるライニアー・デ・リダーの戦績15勝0敗と無敗。ONEチャンピオンシップ参戦以来6勝0敗と圧倒的な戦績を残している。
デ・リダーは、ブラジリアン柔術と柔道の黒帯で、グラウンドで強力なパワーを発揮するが、ビグダシュはいくつか穴があると見ている。
ビグダシュはこうコメントしている。
「彼(デ・リダー)はタフで、強いファイターだと思っている。これまで無敗で、2つの階級でチャンピオンになっている。こうした業績を見ればわかる。見くびるつもりはない。だが、彼は自分のようなファイターと戦ったことはないだろう」
「彼の弱点は、ストライキングだ。パンチやキックが非常に弱く、これが大きな欠点だと思う。それに、誰も彼が仰向けになっているのを見たことがない。トップ・コントロールが得意だが、仰向けのガード・ポジションで、防御と攻撃をするのは誰も見たことがない」
元空手チャンピオンのビグダシュがシンガポールで行われる試合でデ・リダーが何を仕掛けてきても対応できると確信しているのは明らかだ。
ビグダシュは直近の試合では、レスリングとサブミッションのスキルを披露しており、プロMMAの戦績を12勝2敗としている。
デ・リダーに「読みやすい」と評されていたものの、ビグダシュは7月22日の試合では総合力を駆使して圧倒する気でいる。
ビグダシュはこう付け加えた。
「自信がある。勝つためにどんな武器を持っているか知っている。もっと自分と早く当たっていれば、彼はチャンピオンにはなっていなかったはずだ。自分の方が肉体的に強く、ストライキングも優れており、戦いのあらゆる分野で上回っているからだ。彼は自分を乗り越えることはできなかっただろう」
「ノックアウトやサブミッション、5ラウンドを通して圧倒する準備のいずれも整っている。(アウンラ・ンサンとの)試合の後で言ったように、ぶん殴ってやるつもりだ」