【5/6大会】ルオトロ、デ・リダー戦は「巨人との戦い」
ブラジリアン柔術黒帯のタイ・ルオトロ(米国、20)は、体格の大きな強敵を倒して、自身の真の実力を披露したいと意気込んでいる。
そのチャンスは、ONE初の米国大会で訪れる。5月6日 (土) の「ONE Fight Night 10: Johnson vs. Moraes III」で行われるミドル級MMA王者のライニアー・デ・リダー(オランダ、32)との同級サブミッション・グラップリングマッチだ。
ルオトロは、2022年5月のライト級サブミッション・グラップリングマッチで勝ち、ONEデビュー戦を飾った。次に体重を増やして元フェザー級MMA王者のマラット・ガフロフ(ロシア)とキャッチウェイト(180ポンド)マッチで対戦。
このガフロフ戦では、体格差をものともせず、わずか5分強でフィニッシュ勝利とした。
そして今回の試合でも、再び体重を上げてデ・リダーと戦うことになる。
ルオトロはアスリートとして全盛期に差し掛かりつつあるが、筋肉量を増やしながら今も成長を続けている。
デ・リダー戦に向けては、体格差を埋めるために食生活を変えているが、スピードと敏捷性を維持しながら体重を増やすのが課題だと明かしている。
「体格差を埋めるために、少しずつ体重を増やしてきた。現在は180ポンド後半から190ポンド前半くらい。体重は毎日変わっている。たくさん食べる日もあるし、食べ過ぎる日もある」
「健康的な食生活を保つというのが計画だ。バランスを取ろうとしている。体重を増やしながら、俊敏さを保つのは大変だが、仕上がってきていると思う」
デ・リダーは、体格差でアドバンテージがあるのみならず、最近までライトヘビー級MMAのタイトルも保持していた強敵。こうした相手に、ルオトロはONEのケージ「サークル」での対戦をあえて自ら希望していたという。
その理由は、武道の精神にのっとって、新しい試練に挑んで実力を試すためだと説明する。
「結局のところ、自分にとって刺激的だという点につきる。特に周りに不可能だと思われていることに挑戦するのが好きだ。不可能ではないけれど、難しいことをやろうといつも努めている。自分の階級ではこうした刺激は受けられないと思う。大きな相手と戦うのと同じような刺激を受けている感じがしない。だから、大きな相手と戦うのが好きなんだ」
相手の得意技「ダース・チョーク」で一本宣言
タイ・ルオトロは、これまでONEチャンピオンシップでのフィニッシュ率を100%としており、ライニアー・デ・リダー戦でもこの戦績をキープするためには絶好調のコンディションで臨まなければいけないとわかっている。
体格差はあるものの、ルオトロは力任せではなく、テクニックに重点を置き、サブミッションを狙いにいく自身の柔術のスタイルに自信を持っている。
さらに、試合ではアグレッシブにいくつもりのようだ。
「クレイジーな試合になると思う。巨人との戦いのような感じだ。だから、相手をテイクダウンして、柔術の真髄とはどんなものかを見せるのが楽しみだ。相手の体格に関係なく、仕留めにいく」
もちろん、ルオトロはデ・リダーのスキルにも敬意を払う。
デ・リダーは、ブラジリアン柔術と柔道の黒帯で、MMA界有数のグラップラーとして広く知られている。「サークル」ではサブミッションで4勝しており、2022年のビタリー・ビグダシュ(ロシア)戦は、サブミッション・オブ・ザ・イヤーに選出された。
さらに、デ・リダーは強力なダース・チョークも有している。これは自身の得意技でもあるため、ルオトロはあえてこの技を用いて勝ち星を挙げるつもりだという。
「ダース・チョークで仕留めるつもりだ。彼もダース・チョークが得意なのは知っているから、正しいやり方を見せつけてやりたい。数分かかるかもしれないけれど、ダース・チョークで仕留めたい」
「けれども、何でもやるつもりだ。自分はサブミッション・ハンターだ。チャンスがあれば、一番につかむ。見過ごすつもりはない。彼はタフな男だから、選り好みするつもりはない」