【11/6大会】アバゾフ、ナカシマ戦「敗戦は選択肢にない」
この1年、ONEウェルター級世界チャンピオンのキャムラン・アバゾフ(キルギス)は、ベルトを防衛する機会を待ちながら、懸命にトレーニングを続けてきた。そして今、ついに待ちに待った機会がおとずれた。
11月6日(金)、アバゾフはシンガポール・インドア・スタジアムで事前収録された「ONE: INSIDE THE MATRIX II」のメインイベントで、無敗の挑戦者、ジェームズ・ナカシマ(米国)を相手に初の防衛戦を行う。
「最後の試合は1年前だった。だから、今はとてもハングリーだ」と、アバゾフは語る。
「タイトル防衛のための準備のようには感じない。再びタイトルを狙っているかのような気持ちだ。今はすごくハングリーだ。もう1つのベルトのために戦っているように感じるから」
アバゾフは27歳、プロ戦績は22勝4敗。この2年間、ファンの記憶に残る試合をし続けてきた。
アバゾフはアギラン・ターニ(マレーシア)を相手に一本勝ちした初のアスリートとなり、岡見勇信のデビュー戦でノックアウト勝利。そして2019年10月、当時のタイトルホルダーだったゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)を5ラウンドにわたって圧倒し、ユナニマス判定でベルトを獲得した。
タイトル獲得はとても感情できな出来事で、落ち着くまでにしばらく時間を要したという。
「素晴らしい体験だった」
「手を挙げた時、ONE世界チャンピオンになったなんて信じられなかった。最初の2、3日は信じられなくて、家に帰ってからだんだんと実感が湧いてきた」
だが、世界的な新型コロナウイルスの大流行のため、防衛戦のチャンスがなかなか訪れなかった。
そして現在拠点としているロシアのノヴォロシースクで規制が緩和された直後、ナカシマとの対戦機会が与えられた。6月に対戦を熱望していた相手だ。
ナカシマは32歳。全米短期大学体育協会(NJCAA)のレスリング全国チャンピオンで、2015年1月に総合格闘技のプロデビューを果たして以降、無敗だ。
米国・フェニックスの著名な「MMAラボ」でトレーニングをしており、イタリア・ミラノの「チームペトロシアン」にも稽古に出向いている。現在12連勝中で、当時無敗だったレイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)、元ONEウェルター級タイトル挑戦者のルイス・サントス(ブラジル)、岡見を倒している。
- 【11/6大会】ONE: INSIDE THE MATRIX II観戦ガイド
- 【10/30大会】ONE: INSIDE THE MATRIX –デ・リダーが新王者
- 【10/30大会】ONE: INSIDE THE MATRIXのハイライト
ナカシマは死角がない総合格闘家で、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)の助けで、打撃も危険なレベルにまで向上した。だが、アバゾフとノヴォロシースクのチームは怯んではいない。
実は、アバゾフはナカシマのグラップリングがどれほどのものか試してみたいと思っているのだ。
「前の岡見との試合を主な材料にして、相手のテクニックや戦術を分析している」
「ほぼコーチの仕事だが。対戦相手を見るのは好きじゃない。1試合だけ見れば大丈夫だ。それでどんなものか分かる。粘り強いレスラーだから、どっちのレスリングが上手かみてみよう」
アバゾフはまた、相手の無敗記録にも怖気付く様子はない。ナカシマが強敵を倒してきたことは分かっているが、自身の多様なスキルはより上だと考えている。
「相手の記録は気にしない。怖くはない」
「彼はトップ選手と戦ってきたから、いい試合になるだろう。個人的には知らないが、対戦相手として尊敬している。だが、自分のような相手とは戦ったことがないだろう。それはきっと厄介な問題のはずだ」
「敗戦は現在、自分の選択肢にはない。どれだけトレーニングで汗を流すか、どれだけハードワークをするかによる。トレーニングをすればするほどいい結果が出る。大勝とかね。期待していいよ」
アバゾフがこのメインイベントのために100パーセント努力してきたことは疑う余地がない。
王者として挑む試合だが、安全策をとる気はない。試合期間が空いてしまった今、フィニッシュ勝利が、ONE世界王者としての一番のアピールになることも分かっている。
「タイトル防衛は獲得より難しいと言われる。なぜなら、挑戦者の方がモチベーションが高いからだ。だが、自分はそう思わない」
「自分はいつだってハンターだ。そして、対戦相手は自分の獲物だ」
Read more: 【11/6大会】ONE: INSIDE THE MATRIX IIのフルカード発表