平田樹戦を回想、ジヒン「簡単な相手とは思ってなかった」
先月のONEチャンピオンシップの10周年記念大会「ONE X」で、MMAキャリア最大の勝ち星を挙げ3連勝としたジヒン・ラズワン(マレーシア)は、この勢いを保ち、女子アトム級のトップコンテンダーを目指すつもりだ。
23歳のジヒンは、「ONE X」で平田樹と対戦。多くのファンがこの対戦前まで無敗をキープしていた平田の勝利を予想していた。
しかし、ジヒンは3ラウンドにわたって柔道をバックボーンとする平田の攻撃を見事なエスケープで凌ぎ、打撃とグラップリングの両面で優勢に試合を進めた。
そうしてジヒンは判定で勝利。平田にプロとして初黒星を付け、ベテランの山口芽生とビー・ニューイェン(ベトナム / 米国)への勝利に続き、3連勝とした。
試合を振り返ってジヒンはONEチャンピオンシップにこう語った。
「彼女が自分を殺すとか言っていたと聞いたけど、何のわだかまりもなかった。だって、宣伝目的か、試合を盛り上げるために日本の記者会見で言ったことだと思ったから」
「もちろん、多くの人が彼女は最高の選手の1人だって言っていた中で、そうじゃないと示せたから、この勝利には大きな意味がある」
試合後、ジヒンは言葉で反撃することもできただろうが、謙虚でいることにした。
自分のパフォーマンスを通じて言いたいことは示せたと思っているし、実際にシンガポール・インドア・スタジアムでの試合は多くを物語っていた。
ジヒンはONEチャンピオンシップに次のように語っている。
「自分にとっては、言葉よりも行動の方が重要。(ONEのケージ)『サークル』で相手を黙らせるとか言う必要はない。努力、戦略、そして勝利を通じて答えるだけ」
「(所属ジムのヘッドコーチのメルビン・ヨー)と自分は、彼女が何をするか予想していたし、彼女との試合に向けて大きな努力と集中力を注いで準備してきた。決して彼女を簡単な相手とは思っていなかった」
ランキング入りのジヒン、厳しい挑戦を期待
ジヒンは平田戦での戦いぶりにより、ONEチャンピオンシップの強豪揃いのアトム級ランキングで5位に入った。
3連勝と勢い付くジヒンだが、今後はより厳しい戦いが待っていると予想している。
今後、4位のアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)との対戦や、かつて敗北を喫した3位のデニス・ザンボアンガ(フィリピン)とのリベンジマッチも考えられる。
だが、どんな相手であれ、ジヒンは自身が現在のMMA界で最も輝かしい若手スターの1人であることを証明したいと思っている。
ジヒンはこう付け加えた。
「尊敬してほしいって他人に頼むことはできない。自分ができるのは『サークル』で証明し続けること。今、自分がトップ5に入ったことを考えると、タイトルマッチからそんなに遠くはない。だから、4、5試合くらいすれば、もっと多くの人が自分の技術を認めて、尊敬してくれるようになってくれると思う」