【3/25大会】トッド「ショックだった」試合延期から3ヶ月、統一戦へよりハングリーに
ONEアトム級キックボクシング世界チャンピオンのジャネット・トッド(米国)は、同級ムエタイでも文句なしの世界王者になるための長い旅路の結末をもうすぐ迎える。
3月25日(土)の「ONE Fight Night 8」で、暫定王者のトッドはアリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル、24)との世界タイトル統一戦に臨む。
両者の対戦は昨年12月の「ONE Fight Night 5」で予定されていたが、トッドが試合数日前に新型コロナウイルスの陽性反応を示したことで、延期となった。
トッドは2022年7月にONE暫定アトム級ムエタイ世界王座を獲得。ロドリゲスと王座統一戦を楽しみにしていた。しかし、その計画が狂ったことで動揺したこともあった、とONEチャンピオンシップ編集部に明かしている。
「泣いて悲しんだのを覚えている。ただショックだった。信じられなかった。その前に新型コロナウイルスに感染したときは、体の痛みや発熱の症状があったけれど、そのときは何もなかった。ただ鼻づまりの症状があって、それはカジノに滞在していたから、慣れないたばこの煙によるアレルギーだと思っていた。信じられなかった」
当初、トッドは延期が受け入れられなかった。文句なしの2競技世界チャンピオンになるチャンスを生かそうと、過酷なトレーニングに耐え、現地入りまでしていたためだ。
しかし、現実を受け入れて再びロドリゲス戦に向けてトレーニングを始めた。
トッドはこう説明している。
「15時間半のフライトとハードなトレーニングを経て、ここまで来たのに、という事実を受け入れるのに少し時間がかかった。多くの犠牲を払ったのに、何も手に入れられなかった。何もできなかった。とてもショックだった」
「けれども、ただじっと悲しんでいるわけにはいかなかった。終わったことは終わったこと。過去には戻れない。どうしてコロナになったかはわからない。飛行機かもしれないけれど、誰にもわからない。その時点ではどうすることもできなかった。だから、やるべきことは前を向くことだった。そして、回復したらトレーニングを続けること。この試合はいつかまた組まれるだろうと思っていた。そして、ついにそうなった」
2019年から狙っていたタイトル
試合延期で辛い思いをしたジャネット・トッドだが、その分、アリシア・ヘレン・ロドリゲス戦に向けて戦術を練り上げ、トップレベルの打撃技術にさらに磨きをかけてきた。
ONEでの世界タイトルマッチ3戦を含むプロ合計50試合をこなしてきたトッドは、新たな技を学びながら、ファイターとして成長し続けている。
トッドはこうコメントしている。
「この時間は、アリシアとの試合で有効になるであろう技術を磨くのに役立った。さらに、脳のクリエイティブな部分を使うこともできた。ある状況下では、もっと動きをつなげられるようになった。もっと自由に動けるようになったし、使える道具も増えた」
結果的には、長い待ち時間のためにトッドはこれまで以上にハングリーになったようだ。
2019年のONEデビュー戦では、ONEアトム級ムエタイ世界タイトル挑戦したが獲得はならなかった。以来、このチャンスを狙っていたのだ。
トッドは試合を前にこう付け加えた。
「もう4年前から狙っていた。そしてさらに、3ヶ月も待たされることになった。本当に長い間、望んでいたことだった。だからとても楽しみにしている。夢がかなうことになる。4年前から本当に望んでいたことだ」