アギラン・ターニ「ゼバスチャン・カデスタムにリベンジを」
アギラン・ターニ(マレーシア)は、ONEチャンピオンシップの2020年の大会が再開し、次の試合に出る日を待ちきれない思いでいる。
ターニは2019年12月にマレーシア・クアラルンプールで開かれた「ONE:MARK OF GREATNESS」で、ダンテ・スキーロ(米国)に勝利して以降、精力的にテクニックを磨いてきた。
米国・フロリダの格闘技ジム「サンフォードMMA」で、世界的に有名なコーチのヘンリー・フーフトのもとでスキルを磨くために、資金を貯めて米国にまで飛んだ。
だがコロナウイルスの世界的流行により、ONE世界王者のアウンラ・ンサン(ミャンマー)やマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)と共にした夢のようなトレーニングは、短期間で終わってしまった。
「この2か月は、特に自分が今まで経験した状況の中では、本当に大変だった」
「3月に、自分がいる間に、コロナウイルスの蔓延が米国を襲い始めた。そして数週間後、サンフォードMMAは、ジムを閉鎖することを発表した」
その後、ターニは米国を離れマレーシアに帰国したが、ここでも外出制限により、所属する格闘技ジム「モナーキーMMA」でトレーニングすることができなくなった。
これらの試練にもかかわらず、ターニは自分の置かれた状況を悲観的に見ることはなかったし、むしろ困難を糧にさらにモチベーションを高めようとしたのだった。
「たった2週間のキャンプだったが、多くの点で利益をもたらしたと確信している」とターニは米国でのトレーニングを振り返る。
今後に向けて、ターニは困難な状況下でも適応して成長していけると信じている。
ターニは今も、最強の選手たちと対戦し、ウェルター級でONE公式アスリートランキングを駆け上がって行くことを目指しており、彼の視界の先には元ONEウェルター級世界王者がいる。
「ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)ともう一度対戦して倒さなければいけないと、みんなに言われ続けている。いつかまた対戦できればと願っている」
2018年7月に、ターニは初めてカデスタムと対戦。第3ラウンドに、カデスタムがヒザを蹴り込み、ヒジを打ち下ろし、さらにヒジのクロスで試合を決め、カデスタムはターニをノックアウトした初めての選手になった。
「前回のカデスタムとの試合の時は、自分は身体的に準備ができていなかった」
「ケガをしてしまい、自分のスタイルに大きな影響が出ていた。だからこそ、もし自分の100%を出した時にどこまでいけるのか知りたいんだ」
ターニはそれでも、最初の対戦で多くのことを学んだし、そこから大きく成長してきたと信じている。
「知っている選手との試合はエキサイティングなものになるだろう。厳しい戦いになると分かっているが、結果にかかわらず、全力を出し切ったと自分でわかる。なぜなら相手が自分の限界まで押し込んできたからだ。これがカデスタムとの試合でわかったこと」
「カデスタムは非常にタフだ。強くて重いパンチを持っている。彼について学んだ最大のことは忍耐。ショットを受けても耐えて、打撃を決める適切なタイミングが来るのを待ち続けることができる。彼は動き回ってテイクダウンを回避できるが、彼が攻撃に来るときは全てが強烈だ」
カデスタムとの再戦がターニの最優先事項だが、もしそれが叶わないとしても、ターニには何の問題もない。ウェルター級には逸材が揃っており、トップクラスの選手との対戦には事欠かない。中でもロシア人選手との対戦は、火花の散るような激闘になると考えている。
「(ロシアのアスリートの)戦い方が好き。とても圧倒的で、とても強い。彼らを相手に、何よりも精神的、肉体的に自分自身を試したい。彼らは素晴らしいテストになると信じている」
次の対戦相手が誰であれ、さらに連勝を続けることがターニの今年の目標の1つだ。それが達成できれば、いずれONEウェルター級世界王者キャムラン・アバゾフ(キルギス)に挑戦する日がやって来るだろう。
その日まで、一歩ずつ歩みを進めていかなければならないと、ターニは分かっている。
「タイトル戦に挑みたいが、まだそこには至っていないとわかっている。自分に相応しくないものを要求することはない。今のところ、他のトップ選手たちとの対戦に集中している」
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