【12/17大会】アクメトフ「好機があればキンガッドをフィニッシュ」
元ONEフライ級世界チャンピオンでフライ級4位コンテンダーのカイラット・アクメトフ(カザフスタン)は、これまでにも頂点に経ったことがあり、再び世界タイトルに挑戦する準備が整ったと信じている。
34歳のアクメトフは、フライ級の現王者アドリアーノ・モラエス(ブラジル)との3戦目を目指しており、12月17日(金)の「ONE: WINTER WARRIORS II」で、その目標に向けて大きな一歩を踏み出すことになる。
今回の対戦相手は2位コンテンダーのダニー・キンガッド(フィリピン)だ。
アクメトフは、2019年のONEフライ級世界グランプリの準決勝で、キンガッドと対戦する予定だったが、負傷によりトーナメントを辞退。
その後、試合は何度か予定されたが、その度に新型コロナウイルスのプロトコルによって延期されていた。
今回、ようやく待望の総合格闘技マッチが行われることになり、アクメトフは勝利を挙げるために念入りな準備を重ねている。
「怪我も何もない、準備は100パーセントできている。気分は最高だ。最高のパフォーマンスをする準備は整った」
「ファンは妥協なき試合を期待しているはず。どうなるか予想するのは難しいが、大きな喜びと誇りを感じることができると思う」
アクメトフはこれまでにも、自分のONEキャリアに大きな喜びと誇りを感じてきた。
2015年11月、当時無敗だったグラップリングの名手アクメトフは、ONEデビュー戦でモラエスをスプリット判定で下し、ONEフライ級世界王座を獲得した。
だが不運にもその翌年、米国ニューメキシコ州アルバカーキの「ジャクソン・ウィクMMA」でのトレーニングキャンプ中に長年の背中の怪我を悪化させ、試合出場が叶わなかった。そして、2017年8月の復帰戦では、モラエスにベルトを返上し、プロキャリアで初黒星を喫した。
その後の数ヶ月間は、苦しい時期だった。勝ち星に恵まれない時期もあり、故障もした。だが、今ではすっかり回復し、さらに強靭なアスリートになったと思っている。
現在アクメトフは、マ・ハオビン(中国)、リース・マクラーレン(オーストラリア)、キム・デファン(韓国)を倒し3連勝中。しかし、いまだに自身の身体能力の頂点にはまだ達していないと信じている。
「幸せだ。3連勝して、ランキング4位になった。このことが、チャンピオンになるためのモチベーションになっている」
「この時点で、自分の能力はピークだ。30代以前は未熟だったが、その後から進化し始めた。自分の家系だと思う。家族も成長が遅いから。周りの仲間が強くなっても、自分はまだ少年のようだった」
「父からは『時が来れば強くなるが、それには時間がかかる』とよく言われていた。身体的パラメータが発達し始めたのは30歳を過ぎてから。今後2、3年で最高の状態になると思う」
アクメトフがキンガッドを破るには、好調でなければならない。
キンガッドは26歳。アクメトフと同様、タイトルマッチで2敗しているが、そのうちの1敗はモラエスによるものだ。当然ながら2人ともこの階級のトップに立つことを熱望している。ウーシューのスキルで知られる「チームラカイ」のアスリートとして、この試合でもハイレベルな打撃を披露してくれることだろう。
一方カザフスタンのグレコローマンレスリングで何度もチャンピオンに輝いているアクメトフは、キンガッドの戦いぶりを予想し、対抗策を練っている。
「これは初めてのキャンプではない。自分は相手をよく研究したし、相手にも研究されていると思う」
「キンガッドは、一芸だけというわけじゃない。スタンド戦ができる。体力もあるし、レスリングにも精通している。多才だし、それは気に入っている。拮抗した試合になるだろう。だが、もちろん自分のレスリングスキルの方が優れているので、確実に相手を寝かせることになるだろう」
しかし、対策を練っているのは相手も同じだ。キンガッドは元ONE世界チャンピオンのジェヘ・ユスターキオ(フィリピン)とトレーニングをしている。アクメトフはユスターキオを2017年9月にスプリット判定で勝ったが、その4ヶ月後に行われたONE暫定フライ級世界王座をかけたリマッチでは負けている。
しかし、こうした背景をアクメトフは気にしていない様子だ。映像を研究した上で、攻略されはしないだろうと考えている。
「(キンガッドは)キャリアの初期に1度ノックアウトしたが、最近の試合は全てスプリットかユナニマス判定で勝っている。なのに、ノックアウトを狙いに行くだろうか」
「スタンド戦は優れているが、ここに疑問点はない。けれども、ノックアウト勝ちをしたのが自分だったとしても、驚かないでほしい。自分は相手のスタンド戦を恐れてはいない」
「自分はスタンドもグラップリングもするだろう。総合格闘技は、キックボクシングやレスリングやその他のスポーツじゃない。総合格闘技なんだ。全ての側面を披露しないといけない」
アクメトフは、アスリートとしてのキャリアのピークを迎えつつあると知っており、キンガッドに勝てば再び世界タイトル争いも視野に入ってくる。
最大の目標は、3度目のタイトル獲得。さらに、母国でONEのイベントを開いて、同胞に試合とレジェンドとなった自身の姿を生で見る機会を与えたいという大きな夢も抱いている。
「この試合に勝ったら、タイトルマッチがしたい。もしくは、デメトリアス・ジョンソンと母国のカザフスタンでやりたい」
「アドリアーノ・モラエスとのやり残した仕事も終わらせないといけない。1勝1敗だから、3戦目をした方がいいと思う。だが、色々と推測はしたくない」
「カザフスタンのみんなが、ONEイベント開催の国内を待っている。これは自分の夢だ。だが、このコンテンダーを決める試合は、自分の夢へのパスポートなんだ」
あとは、それを実現するかどうかだけだ。大胆な予測をするタイプではないが、自分のやってきたことが勝利につながるとアクメトフは信じている。
「試合の結果を予測することはできないが、3ラウンドフルに戦う準備と覚悟はできている。もしそれより早く勝てるなら、そのチャンスを生かすために全力を尽くす」
「キンガッドのことは尊敬しているし、自分も尊敬されていればと思う。簡単に言えば、いい試合にして、観客に素晴らしい一夜を過ごしてもらおうってことだ」
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