【5/6大会】タイトル挑戦者マルワーイ、強力助っ人はルオトロ兄弟
ブラジリアン柔術黒帯のオサマ・マルワーイ(イエメン、31)は、キャリア最大のチャンスを前に、2人のONEのスーパースターから学び、インスピレーションを得ている。
5月6日 (土) のONE初の米国大会「ONE Fight Night 10: Johnson vs. Moraes III」でONEデビューを迎えるマルワーイは、ONEフライ級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンのマイキー・ムスメシ(米国)に挑戦する。
マルワーイは、20歳の双子の天才、タイとケイドのルオトロ兄弟と一緒にトレーニングをしている。このため、会場の米コロラド州ファースト・バンク・センターでONEのケージ「サークル」に入る際には、最高の仕上がりになっているだろう。
2019年からカリフォルニア州の有名な「アトス柔術アカデミー」でトレーニングをしているマルワーイは、ルオトロ兄弟についてONE編集部にこう話している。
「毎日毎日、2人は助けてくれるんだ。とってもフレンドリーで、いい子たちだ。一緒にトレーニングするのが大好きだ」
初めて会った時には、ルオトロ兄弟はまだ10代だったが、その高度な技術に圧倒されたとマルワーイは振り返る。
さらにタイ(同じく「ONE Fight Night 10」に出場)は、16歳にしてADCC世界選手権ですでに世界レベルの黒帯を倒していた。
マルワーイはこう話している。
「すごく助けてもらった。2人が青帯だったときにもね。アトスに2人が入ってきたときのことを覚えている。青帯だったけれど『うわ、この子たち上手だ』って思った。自分はそのときは茶帯だったから、恥ずかしかった」
「そこでタイのADCCでの活躍を思い出した。トップレベルの黒帯に勝っていたから、そこで恥ずかしくなくなった。この子たちは本当に上手なんだ」
2人を評して“上手”というのは、控えめな表現だ。
ルオトロ兄弟は2人ともONEでは無敗で、ケイドは現ONEライト級サブミッション・グラップリング世界王者、タイは最年少のIBJJF黒帯世界王者だ。
つまり、2人は世界トップクラスのグラップラー。こうしたルオトロ兄弟とマットで一緒に練習できることをマルワーイはありがたく思っている。
「2人は3歳くらいから柔術をやっていると思う。2人の柔術に関する知識は、どんなポジションについて尋ねても、たくさん知識を与えてくれる、というくらいある。すごいんだ。みんなを助けてくれるし、2人がそばにいるっていうのは、すごいことだよ」
ヘッドコーチのガウヴァオンからも刺激
オサマ・マルワーイはアトスのヘッドコーチであり、有名なブラジリアン柔術家のアンドレ・ガウヴァオン(ブラジル)からも指導を受けている。
8度ブラジリアン柔術の世界チャンピオンに輝いたガウヴァオンは、グラップリング界有数のアカデミーを築き、毎年マルワーイのようなチャンピンを輩出している。
このため、マルワーイがアトスの門を叩いたのは当然のことだった。
「黒帯の世界チャンピオンを1人育てるのは難しい。でも、ガウヴァオンはたくさんの黒帯世界チャンピオンを育ててきたんだ。ガウヴァオンは世界チャンピオンを作るためのレシピを知っているんだと思う。自分はただ行って、トレーニングしさえすればよかった」
マルワーイは、ガウヴァオンが毎日驚異的なハードワークをこなし、自ら模範になっているという。
こうした姿勢を目の前で見てきたマルワーイは、5月6日のマイキー・ムスメシ戦に向けて、さらにやる気を高めている。
「ガウヴァオンは、とても熱心なんだ。アトスの成功の理由は、ガウヴァオンが毎日そこにいることだと思う。毎日、朝7時からと10時45分から、2つの競技クラスを持っているんだ」
「それから、夜にも戻ってきて教えてくれるんだ。いつもいるんだよ。それが選手のやる気になっていると思う。だって、コーチがそこにいたら、サボる言い訳ができないからね」