【7/30大会】アウンラ・ンサン、アタイダス戦「大事な勝負」
2つ目のONE世界タイトルを失って数ヶ月、アウンラ・ンサン(ミャンマー)がついにベルト奪還に向けて歩み始める。
まず一歩目は、7月30日(金)の「ONE: BATTLEGROUND」。シンガポール・インドア・スタジアムで行われる無観客大会で、レアンドロ・アタイデス(ブラジル)とミドル級総合格闘技マッチで対決する。キャリア行先を占う負けられない一戦だ。
「大事な勝負だ」と、元2階級ONE世界チャンピオンのアウンラ・ンサンは認める。
「けれど、これまでトレーニングはしてきたし、自分のチームにも自信がある。すごく鍛えてくれたし、この試合は勝てると自信がある」
この数ヶ月は、アウンラ・ンサンにとって辛いことばかりだった。
昨年10月にはライニアー・デ・リダー(オランダ)に3分半でリアネイキッド・チョークでサブミッションされて敗れ、ONEミドル級世界タイトルを失った。さらに、今年4月には、デ・リダーに再びグラップリングで圧倒され、判定負けでライトヘビー級のベルトも奪われた。
2つのベルトを失ったのは苦い経験だった。だが、36歳のアウンラ・ンサンは、ポジティブに捉え、挫折を総合格闘家として進化する機会と捉えている。
「悲しくてがっかりしたけれど、試合の結果を分析して、向上して成長するための方法を分析しないといけない」
「自分はどちらかというと成長志向なので、試合でうまく行かなあったことに取り組まないといけなかった。これは学びの機会で、問題はない。落ち込むことも、悲しいことも、人生の教訓として捉えている」
アウンラ・ンサンは、試合動画を見直し、苦い経験から教訓を学び、米国・フロリダの「サンフォードMMA」でのトレーニングに取り入れている。
「悪いポジションの改善や、悪いポジションでも戦い抜くこと、頭のポジションといった細かい部分、他人のゲームプランや強みを心配するより自分のゲームプランを実行することに集中している」
アウンラ・ンサンは今回のアタイデス戦でグラップリングが試されることになるだろう。アタイデスは2020年2月、デ・リダーに僅差のスプリット判定で敗れている。
5度ブラジリアン柔術の世界チャンピオンになっているアタイデスは、巨大なKOパワーも有している。キャリア通算11勝を挙げているが、その半数以上はKOによるものだ。
だが、アウンラ・ンサンはアタイデスのファイトスタイルが弱みになるかもしれないと考えている。
「アタイデスは打撃に穴がある」
「彼は、レスリングやグラップリングに真正面から取り組んでいると思うが、こういう相手との対戦は得意だ」
しかしアタイデスは、トレーニングキャンプで興味深い工夫をしている。
今回のミドル級マッチに備えて、アタイデスはオランダのブレダにあるデ・リダーのジム「コンバット・ブラザーズ」を訪れたのだ。
だが、アウンラ・ンサンは気にしていない。
「彼にとっては良いことだ。もしかしたら、(デ・リダーが)自分を倒す秘訣を教えてくれるかもしれない。自分にどう前蹴りとダブルレッグを仕掛けるか教えてくれるかもしれない」
アウンラ・ンサンはデ・リダーがオランダで値ですに何を教えるかは気にしていない。失敗から学び、シンガポールでの対戦に備えて最新のゲームプランを実行するつもりだ。
「自分は打撃が得意だと思っているし、彼のグラップリングとレスリングを打ち消せると思う」
「この試合はスタンド戦で勝つと思う。自分の動きとスピードを使って勝つ。ノックアウトで決まると思っている」
数ヶ月前には苦しい思いをしたアウンラ・ンサンだが、現在は自信を取り戻しやる気に燃えているようだ。
7月30日のキャリアの岐路となる試合で、世界タイトル奪還に向けて大きな一歩を踏み出す準備はできている。
「ミドル級のベルトを取り戻す。このことに疑いはない」
「1度はやり遂げたことだし、またやるだけだ。自分のベルトを取り戻す」
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