【10/30大会】アウンラ・ンサン「デ・リダー戦、フィニッシュする」

Aung La N Sang battles Brandon Vera at ONE: CENTURY

ミドル級とライトヘビー級の2階級王者のアウンラ・ンサン(ミャンマー)は失われた時間を取り戻す準備ができている。

アウンラ・ンサンがONEチャンピオンシップのケージ「サークル」に足を踏み入れるのは実に1年ぶり。だが、それだけ待った甲斐はあるだろう。

10月30日 (金)、アウンラ・ンサンは「ONE: INSIDE THE MATRIX」のメインイベントでONEミドル級世界タイトルの防衛に臨む。対するはトップコンテンダーのライニアー・デ・リダー(オランダ)。

アウンラ・ンサンは、火花のような戦いになると予想している。

「エキサイティングなフィニッシュで試合が終わるのが見えるよ」

アウンラ・ンサンは、スタイリッシュに対戦相手を倒すことで知られる。フィニッシュ率は92%、一本勝ちとKO勝ちをともに12度ずつ挙げている。

2017年6月にビタリー・ビグダッシュ(ロシア)を倒してONEミドル級世界チャンピオンになった際の試合は、その年の「バウト・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。

その後アライン・ンガラニアレクサンドル・マチャド(ブラジル)、長谷川賢、当時無敗だったモハメド・カラキ(レバノン)らを相手に6度フィニッシュ勝利を挙げた。

だが、おそらく一番の大勝利は、2019年10月にONEライトヘビー級世界タイトルを、ヘビー級王者のブランドン・ベラ(フィリピン)を相手に防衛した時のものだろう。ベラは、アウンラ・ンサンが総合格闘技のキャリアを通じて尊敬するアスリートだった。



その試合では、ベラと恐れず真っ向勝負し、打ち合った。

第2ラウンド後半、アウンラ・ンサンは、スピニング・バック・エルボーを繰り出した。

この一撃にベラは驚き、同じくスピニング・バック・エルボーを返したが、外した。そこでアウンラ・ンサンは、右パンチを繰り出し、ベラをキャンバスに倒して、レフェリーが試合を止めるまで、パンチを上から打ちまくったのだった。

「あの試合はデカかった」と、アウンラ・ンサンは振り返る。

「個人的レベルでは、ブランドン・ベラの第ファンだったから。大学にいる頃から応援していた。大学時代は、ジャスティン・エイラーズをKOして、その後ONEチャンピオンシップでヘビー級を席巻するのを見た」

「ファンとして尊敬していた男と戦えるのは、すごく素晴らしいこと。同じケージ内で、向かい合って立って。個人的に大事なことだった。ヘビー級チャンピオンを倒したことで、キャリアにも影響があったし、扉が開かれたんだ」

その東京の夜から、アウンラ・ンサンは次の対戦を根気強く待った。

デ・リダーは、30歳。ブラジリアン柔術と柔道の黒帯を持ち、総合格闘技のキャリアを通じて無敵の存在だ。

9連勝後、ONEに参戦し、無敗記録をキープしている。

デ・リダーは、ファン・ロン(中国)を75秒でダース・チョークで仕留め、ジルベルト・ガルバォン(ブラジル)をヒザでノックアウト、そして5度ブラジリアン柔術の世界チャンピオンになったレアンドロ・アタイデス(ブラジル)をユナニマス判定で下したのだった。

アウンラ・ンサンは、デ・リダーに注目していた。実は今年対戦したい相手の1人にデ・リダーの名を挙げていたのだ。

「ライニアーは、寝技がうまい。グラウンドに寝かせて、サブミッションを狙ってくる」と、アウンラ・ンサンは話す。

「これはスタイル勝負だ。だが、ストライカー対グラップラーとは言わない。だって、自分もグラプリングはできるから。だが、もしグラップリングよりになってきたら、ストライキングを駆使するさ」

試合に備え、アウンラ・ンサンは米国フロリダ州ディアフィールドビーチにある「サンフォードMMA」のコーチ、ヘンリ・ホーフトの下でトレーニングに励んできた。

長年にわたるホーフトの指導のおかげで、打撃技術は向上。一方、レスリングと寝技の改善にも取り組んできた。

そのために、難しいポジションからの脱出方法を学び、より有利な場所から、攻める方法を学んできた。こうしたトレーニング方法と、ベテランならではの経験を合わせ、アウンラ・ンサンはデ・リダー戦に、自信を見せる。

「テークダウンをしてくるだろう。一本勝ちを狙ってくるだろう。グラップリングをしたいだろうが、自分はその技術を持っているし、打撃もできる。打撃の面では自分の方がうまいから、この対戦では、スタンドでのフィニッシュを狙う」

「相手はハイレベルなグラップラーで、サブミッションのレベルも高い。でもレスラーとしてはハイレベルではないと思う。だから、自分をテイクダウンするのに手間取るだろうし、寝技も自分よりそんなにうまいとは思ない。寝技に持ち込まれても大丈夫だ」

「それから、無敗のファイターとして、限界に挑んだことがない。自分が繰り出すようなあ打撃を食らったことはないだろうから、どうなるか様子を見たい」

アウンラ・ンサンにとって、1年ぶりの試合になるが、ONEチャンピオンシップが再びオファーを送るその日を待ちながら、定期的にトレーニングを行い、体調を整えていた。

「成長できるように積極的に努力してきた。だから、リング勘は錆び付いてはいない」

「どちらかといえば、成長した自分の姿を見せられると思う」

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