【8/5大会】王者アラゾフ「待ちわびていた」グレゴリアンとの雪辱戦へ
ONEフェザー級キックボクシング世界チャンピオンとなったチンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン / ベラルーシ)は地上最強のキックボクサーとしての地位を確固たるものにしたが、まだまだそこで満足する気はない。
8月5日(土)にタイ・バンコクで行われる「ONE Fight Night 13」のメインイベントで、2位コンテンダーのマラット・グレゴリアン(アルメニア)を迎えてタイトル防衛に臨み、さらなる栄光を追い求めるつもりだ。
アラゾフは今年1月にスーパーボン・シンハ・マウイン(タイ)をノックアウトし、タイトルを奪取したばかり。
今回のグレゴリアン戦も再び大きな注目を集める試合となるが、現王者となった今も向上心は衰えていないようだ。
アラゾフはこう話している。
「自分は世界有数の人気を誇るファイターになった。(タイ南部の)クラビに滞在していた際は、多くのタイの人々が尊敬を示しに来てくれた。フォロワーも多い。これはいいことだが、自分のメンタリティは変わっていない」
「スーパーボン戦の前にも、自分はナンバーワンだと思っていた。(タイトル戦の前は)『よし、この試合をやって、世界中に自分がナンバーワンだと知ってもらおう』という気持ちだった」
「(タイトルを勝ち取った)翌日には、コーチとトレーニングをした。第1ラウンドでミスを犯したから、それに気づいて次の日にトレーニングをすることにしたんだ。『コーチ、次の対戦相手に勝てるようにしてくれ』って頼んだんだ」
その時点では、アラゾフは次にグレゴリアンと対戦することになるとは知らなかった。
しかし、今回の世界タイトル初防衛戦の相手を決めるにあたり、2013年にグレゴリアンに敗れたことが念頭にあったため、その選択に迷いはなかった。
世界で一番層が厚いとされるONEのフェザー級でリベンジを果たすチャンスとあり、アラゾフはリマッチを楽しみにしている様子だ。
「この組み合わせは気に入っている。前から待ちわびていた。ONEは初防衛戦の相手として3人提示されたが、グレゴリアンを選んだ。10年前に戦ったが、1度目の試合はノーコンテンストで、2度目は自分が負けた」
「その後、2人ともこの競技で躍進した。トーナメントに勝ち、あらゆる大会で勝った。自分はONEチャンピオンシップでナンバーワンになった。自分の階級は世界で一番の階級で、自分はそのトップファイターだ」
「グレゴリアンにはテクニックがない」
チンギス・アラゾフは、マラット・グレゴリアンが強敵だと承知しているが、自身の頭脳を駆使した戦い方で優位に立てると信じている。
アラゾフの所属するベラルーシの「グリディン・ジム」は、頭脳とパワーの両面を備えた選手を輩出することで知られる。
このため、アラゾフはアグレッシブなグレゴリアンと対等に打ち合い、さらにスマートに戦うことで試合をコントロールするつもりだ。
アラゾフはこうコメントしている。
「自分は、マラットはテクニカルな選手ではないと見ている。スーパーボンと同じだ。強く、前に出るのを好む、アグレッシブなファイターだ。だが、テクニックはない。その強みは、距離を詰める点にある」
「(グレゴリアンは)ボクシングを好むが、自分も今ではボクシングが好きだ。キックも好きなようだが、自分も今ではキックが好きだ。彼はスピードとパワーがあるが、自分は頭を使って戦う。自分が勝つだろう」
こうした考えをもとに、アラゾフとコーチのアンドレイ・グリディンは、防衛戦への戦略を練ってきた。
アラゾフは、過去4戦のうち3戦でKO勝利としているが、意図してノックアウトをねらうことはないという。代わりに自身の戦略を信じ、結果を出すことに集中している。
「スピードや動き、前に出たり、後退したりするといったプランをたくさん用意している。用意したゲームプランは、試合の日に見てもらえるだろう」
「自分の試合では、ノックアウトをねらわない。戦って、ミスを見つけたらパンチをする。そうしてノックアウトする。マラットがミスをして自分がノックアウトすることもあるかもしれない。だが、自分のゲームプランはノックアウトではない。スマートに戦うことだ。心も体も準備万端だ」