【11/8大会】ニューイェン、スタンプ戦「寝技になれば勝つ」
ビー・ニューイェン(米国)がONEチャンピオンシップから連絡を受けたのは、今年9月ベトナムで開催された「ONE:IMMORTAL TRIUMPH」での勝利の余韻に浸っていた時だった。
29歳のベトナム系米国人であるニューイェンは、ONEアトム級キックボクシングとムエタイの現世界王者であり、総合格闘技でもベルトを取って3冠を狙うスタンプ・フェアテックス(タイ)との試合をオファーされた。
ムエタイの試合を終えたばかりで総合格闘技に戻すのが簡単ではないと知りつつ、ニューイェンはこのチャレンジを躊躇せずに受け入れた。11月8日(金)にフィリピン・マニラで開催される「ONE: MASTERS OF FATE」でスタンプと対戦する。
「周りは、異なる競技でかわるがわる戦うのに必要な練習について知らないと思う。それでも私は今回のチャレンジを喜んで受け入れるし、楽しみにしている」と、ニューイェンは語る。
「しばらく総合格闘技に専念していたけれど、ムエタイの試合をするようになって、レスリングからクリンチの練習に切り替えないといけなかった。そのあたりを、前回の試合で見せられたと思う」
「今回の相手は、立ち技のモンスターのような女の子。自分の打撃に自信を持っているけれど、総合格闘技用のゲームプランに切り替える。この試合に勝てば大きな自信になる。アスリートにとって、異なる競技を交互に続けるのは大変なことだから」
スタンプも似たような体験をしている。総合格闘技に挑戦する前、彼女はキックボクシングとムエタイのONEスーパーシリーズ世界王座を獲得したからだ。
21歳の超新星は、今回の一戦でもワールドクラスの打撃を武器に戦うだろう。しかし、8月のアシャ・ロカ(インド)戦では第3ラウンドにリアネイキドチョークで一本勝ちを収め、短期間でグラウンドに対応できるところを証明した。
“キラービー”の異名を持つニューイェンも、スタンプの成長に驚いたという。だが、総合格闘技で9試合を戦っているベテランは、ロカのようにはならないと確信している。
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「彼女は素晴らしいアスリートだし、(グラップリングを)やっているようだ。天性の才能にも恵まれているようにも見える。だが、彼女が前の試合でどういう相手と戦ったのかを考慮しないといけない」と、ニューイェンは言う。
「彼女が前回対戦した相手は、グラウンドが全くできなかった。彼女は、ボクサーとしては素晴らしい。ただ、スタンプがグラウンドのスキルを見せる上では最高のマッチアップだったと思うわ。同じようなチャンスは、この試合では起こらない」
「完成された総合格闘技とは何かを理解しないといけない。もちろんスタンプの打撃はリスペクトしないといけないけれど、自分は彼女より多くの答えを持っていると思う」
「今回の試合は、もしグラウンドの展開になれば自分が勝つだろう。そうなるとミスマッチが生まれる。グラウンド・アンド・パウンドからの一本勝ちになるかどうかはわからない。サブミッション狙いからグラウンド・アンド・パウンドに移行するかもしれないし、その逆もあり得る」
グラウンドでは明らかなアドバンテージがあったとしても、ニューイェンには、立ち技でもスタンプに引けを取らない自信がある。
多くのファンは、立ち技はスタンプの領域と考えるだろうが、ニューイェンには、ONEのケージ「ザ・サークル」にムエタイの技術を対応させてきた自負がある。
「自分は総合格闘技のストライカーとして自信がある」
「自分の動きは、彼女が今まで見たことがない動きだろう。だから自分の打撃は、間合いとフットワークを基準に考えても、彼女にとってやり辛いと思う」
もし「ONE: MASTERS OF FATE」でのスタンプ戦で作戦が見事にハマれば、ニューイェンには来年ビッグマッチのチャンスが与えられるだろう。
2冠王者に勝てば、あらゆるチャンスの扉が開く。ニューイェンは、2020年に女子アトム級の階段を昇るためのプランをすでに練っている。
「今回の相手はビッグネーム。もしスタンプに勝てれば、希望する相手と対戦できない理由が見当たらない」
「以前から、山口芽生と対戦してみたかった」
マニラ | 11月8日 (金) | 18時半(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)