【5/15大会】崖っぷちニューイェン「フォガットの踏み台にはならない」
ビー・ニューイェン(ベトナム/米国) は、崖っぷちにいることをわかっている。
ニューイェンは、ONEチャンピオンシップの舞台で厳しい経験をしてきたが、この流れを断ち切り、トップコンテンダーであることを証明したいと意気込んでいる。
31歳のアトム級アスリートのニューイェンは、5月15日(土)、「ONE: DANGAL」で、レスリングの達人リトゥ・フォガット(インド)と対決する。
「個人的なプレッシャーは感じている」と、ニューイェンは語る。
「自分もファンも、自分がどれだけ優れているか知っている。それを証明する時が来たのだと思う。よりスマートに戦って、勝利を手にする時が来た。誇示するだけではなく、ちゃんと締め括らないといけない」
ニューイェンは、インドネシアのストライカー、ドウィ・アニ・レトノ・ウーランを第1ラウンドTKOで倒し、華々しくONEデビュー。
だがその後、アトム級4位コンテンダーのスタンプ・フェアテックス(タイ)、ミャンマーのボクシングチャンピオンのボズヒナ・アントニア(ミャンマー)、ウーシューの世界チャンピオンのジヒン・ラズワン(マレーシア)を相手に僅差の判定で3連敗した。
しかし、昨年12月のジヒンへの敗北は、自身の間違いを確かめる自省の機会になったという。
ニューイェンは、自分がこの階級の誰とでも戦える技術を持っていることを知っていたが、感情的に戦いすぎており、トレーニング中に十分な集中力を欠いていたことに気づいたと話す。
「ここ2、3試合では、特訓に特訓を重ねて、ただひたすら動き回っていた」
「学ぶのが苦痛な教訓ではあるけれど、素晴らしい教訓というものは、学ぶのが苦痛なんだと思う。だって、そのくらい直近の敗戦は痛かったから」
「最高のトレーニングキャンプを、ベストコンディションでできたし、バチバチ火花を散らしてこの試合に臨みたいと思う。その方がいいパフォーマンスができるし、よく動けるから。だから、正直なところ、良かったと思う。負けて自分を見直すのは嫌なものだけれども、これが今の現状で、そのことは嬉しく思う」
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ニューイェンがこの試合で証明したいことは、それだけではない。
フォガットは今月末に開催される歴史的なONE女子アトム級世界グランプリへの出場が予定されているが、その前にニューイェン戦を受けたのだ。さらに「この試合に勝てると充分な自信を持っている」と、語っている。
このことはニューイェンの気に障ったようだ。
「バチバチ火花を散らしているのは、このタイミングと、対戦相手のせい」
「グランプリ前の前哨戦の相手に選ばれたのなら、侮辱されたんだと思う。けれど、それを証明してやらないと」
「自分は前哨戦の相手なんてするつもりはないし、踏み台になるつもりもない。もしグランプリの出場者の前哨戦の相手がいるなら、それは自分じゃないって証明してみせる」
ニューイェンは、この試合に向けて、米国・ラスベガスのジム「エクストリーム・クートゥア」の世界レベルのチームとともに準備をしてきた。フォガットについては、チェーン・レスリングとフィニッシュ能力に敬意を払ってはいるが、穴もあると考えている。
例えば、ニューイェンは、フォガットが打撃からテイクダウンへの移行が苦手だと分析。さらに、打たれ強さに関しても疑問に感じており、この点を試してみたいと考えている。
ニューイェンは、バチバチ火花を散らしながら、印象的なパフォーマンスを見せ、フォガットにプロ初の敗北を味合わせてやろうと決意している。
「この試合に勝つつもりだ。なぜなら自分は常にトップ(コンテンダー)と戦い、トップになるためのスキルを持っていたから」
「これまで何度も自分をがっかりしてきた。ハードに戦ってきたけど、スマートじゃなかったから。そのおかげで人気を得たけれど、そのせいで惜しい判定負けを喫した。あの喧嘩腰の感情的な戦い方でね。今、自分にとって最高のタイミングでの対戦だと思うけれど、それはつまり、相手にとっては最悪のタイミングということだ」
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