【8/16大会】カンボジアの星チャン・ロタナ「いつかベルトを」
チャン・ロタナは「ONE: DREAMS OF GOLD」カンボジア格闘技界において間違いなく最大の勝利を挙げた。
8月16日(金)、タイ・バンコクのインパクト・アリーナで、33歳のロタナは、キューバの元五輪レスラー、グスタボ・バラートを3ラウンドの激闘の末、ユナニマス判定で破った。
ロタナは、バラートの世界レベルのレスリング技術の攻撃に対し、試合序盤は防戦を余儀なくされた。
だが、ONEカンボジアフェザー級GPファイナリストは、相手のグラップリング中心の攻撃に備えていた。
「試合の前にグスターボ(バラート)のビデオをたくさん見た。コーチとチームは、相手の弱点と強みを教えてくれたので、どうやって対処すべきかは分かっていた」
「倒しにかかってくるだろうと思っていた。第1Rと第2Rのテイクダウンのあと、どのくらい相手が強いか見極めたが、そんなに強力とは思えなかった」
最後のラウンドが始まると、バラートは明らかに疲労を見せた一方、ロタナはほぼ5分間全力で逆転機を伺った。
ロタナはテイクダウンを恐れずキックを放ち始め、強力なパンチでフィニッシュを決めようと全力でかかり、バラートを窮地に追い込んだ。
「第3Rで自分のキックボクシングを出していって、形成逆転した。キック、膝蹴りとパンチを打ち込んだ」
「もしそれをしていなかったら、勝つのは難しかったかもしれない」
試合終盤、ロタナは狙い通りのフィニッシュは決められなかったが、スタミナが切れたバラートを相手にほぼ一方的な戦いを展開した。
両者は試合結果の発表を緊張気味に待った。3人のジャッジは、ロタナの終盤の攻勢を評価し、全員一致の判定を下した。
ロタナは、自分の名前がアナウンスされたのと聞くと喜びを爆発させ、チームとともに勝利を祝った。3戦連勝で戦績は7勝3敗に。フライ級では目を見張る連勝記録を挙げ、考え方が変わった。
「昔は2016年に負けたマ・ハオビンと再戦したかったが、今は次の試合で誰が来ようと気にしない。全てはONE次第だ」
「勝とうが負けようが、ここまで来れたことを嬉しく思う。だが、是非ともベルトに挑戦したい」
ロタナは現実的で、この階級のエリートたちと肩を並べるには、技術を磨き、強敵を倒さなければいけないことを知っている。
自分がアンダードッグという自覚もあるが、信念、ハードな練習を重んじる姿勢、そして国への愛を原動力に、トップに立つために努力すると断言した。
「この段階で一番重要なのは、2倍練習をすること。強い相手と戦うことになるだろうから。もっと強いストライカーと当たると思う」
「ハードワークのおかげでこれまでいい成績を挙げてきた。勝敗は関係ない。カンボジアを代表して頑張るだけだ」