王者クリスチャン「ユーリ・ラピクス戦、1Rフィニッシュに」
ONEライト級世界王者のクリスチャン・リー(シンガポール)、次にONEチャンピオンシップの舞台に登場する時、ベルトを賭けてユーリ・ラピクス(モルドバ)の挑戦を受ける。
これまでのところ、ラピクスは総合格闘技のキャリアにおいて無敵だった。
「チーム・ペトロシアン」に所属する24歳のラピクスは、プロ戦績14勝0敗であり、しかも全ての相手のフィニッシュで倒してきた。
2019年5月のONEデビュー戦では、シャノン・ウィラチャイ(タイ)と対戦し第3ラウンドにリアネイキッドチョークでサブミッション勝ちを収めた。
その後、今年2月には、元ONEフェザー級世界王者のマラット・ガフロフ(ロシア)を相手に、試合開始67秒という驚異的な速さで勝利を挙げた。
ラピクスが素晴らしいパフォーマンスを披露し、ライト級のランキングを上がってくるのを、リーは注意深く見守ってきた。勢いに乗るラピクスは士気が高まっていると分かっている。
「ユーリ・ラピクスに対する第一印象は、危険でハングリー精神にあふれた若手選手だということ。プロで無敗だし、ガフロフを相手に素晴らしいサブミッション勝ちを収めて、勢いに乗っている」
「彼の自信はかつてないほど高くなっているだろう。今は、これまでに感じたことがないほど最高の気分になっていると思う。このことが、次の試合で彼のベストを引き出してくれると思う」
しかし、自信を持っているのはラピクスだけではない。2019年はリーにとっても最高の年だった。
4か月後、階級をライト級に上げたリーは、シンガポールのメガジム「Evolve MMA」のチームメイトで当時のONEライト級世界王者、青木真也に挑戦。第1ラウンドに青木のアームバーに苦しめられたものの、第2ラウンドにノックアウトを決めてベルトを獲得した。
さらに10月、ONEライト級世界グランプリ決勝戦に出場し、ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)をユナニマス判定で下してトーナメントを制覇。最高の形で1年締めくくった。リーは常に、世界クラスのスキルを一層磨くために懸命にトレーニングを積んでいるが、何よりも自分の態度と精神力がものを言ったと考えている。
「フェザー級で戦っていた時、自分がチャンピオンだと感じた。ライト級に移った時、自分がチャンピオンだと感じた」
「それはトレーニングに臨むときの自分の考え方であり、試合の時も同じ。この考え方は常に同じままであり、直近の2試合ではハードワークとトレーニングの成果を実感できたということ」
ラピクスはリーがベルトを賭けて防衛戦に臨む、初めて挑戦者であり、ベルトをリーから奪うのに必要な打撃とグラップリング(組み技)の能力を持っている。
だがリーは、自分の持久力や多彩な攻撃、そして世界タイトル戦での経験が、次の試合での勝敗を分けると信じている。
「向こうは必死にトレーニングして準備をしてくるだろう。でも自分は全ての分野で相手を上回っていると思う。自分は第4、5ラウンドまで戦ったことがあるが、彼は第5ラウンドまでは持たないと思う」
「彼のほとんどの勝利、ほとんどのフィニッシュは、最初のラウンドで決めている。その点で彼はまだ少し未熟だと思う。彼は、圧勝できる選手を相手に素早くフィニッシュに持ち込むことに慣れている。自分は間違いなく、彼にとってこれまでで最大の試練であり、最も厳しい相手になろうだろう」
「たくさんの柔道家やキックボクサーと一緒にトレーニングできて幸運だった。彼はどちらの分野でも脅威になると感じているから。でも自分は準備ができている」
通常の3ラウンド制と異なり、5ラウンド制で行われる世界タイトル戦において、第4ラウンド以降は圧倒的な優位に立てるとリーは考えているが、実際にそれを証明するチャンスはないと想定している。
リーは、できるだけ早くサブミッションやノックアウトで相手を倒せるようトレーニングしており、防衛戦でもこの姿勢で戦うつもりだ。
「あまり頻繁にこういうことを言いたくはない。でも第1ラウンドでのフィニッシュになるだろう」
Read more: アンジェラ・リー、ザンボアンガとの防衛戦心待ち