【9/7大会】6戦連続フィニッシュ勝利目指す手塚裕之「MMAでは誰にも負けない」
ウェルター級MMAの手塚裕之は、9月7日(土)の「ONE 168: Denver」で圧倒的な勝利を挙げて世界タイトル挑戦者候補になる準備はできているという。
2021年から5戦連続フィニッシュ勝利としている手塚の今回の対戦相手は、イシ・フィティケフ(オーストラリア / トンガ)。
この5連勝のうち、3勝はサブミッション、2勝はノックアウトによるもので、スタンドでもグラウンドでも優れた技術を持っていることは明らか。
手塚はONEチャンピオンシップの取材に対し、トレーニング・キャンプではあらゆるスキルを融合させることに重点を置き、自信を得たと話している。
「総合格闘技として打・投・極がより回るというか、上手くかみ合ってくる感じで、MMAならではの技術がすごく伸びたと思う。MMAでは誰にも負けないという自信がついた」
こうして自信を見せる手塚だが、フィティケフを見くびっているわけではない。
フィティケフは元ラグビー選手で、この階級でも有数の危険なアスリート。天才的な身体能力と進化を続ける打撃とグラップリングのスキルを併せ持っている。
だが、手塚は9年のプロキャリアのなかで磨き抜いた総合的なスキルを駆使して「ONE 168」で勝利を挙げられると確信している。
「背丈などは同じぐらいで、ファイトスタイルは僕の以前のスタイルと結構似ているかな、と思っている。寝てもバックチョークでこの前(2023年4月のヴァミール・ダ・シウバ戦)勝っている。だが、結構スタンド打撃でゴリゴリ打ってくるタイプだ。フィジカルと爆発力を生かした攻撃だ。やっぱり体は強いと思う。もともとラガーマンだったみたいだし、見ていてもやっぱり身体能力はあるんだろうと思う。組み技も打撃もちゃんと練習しているし、技に関しても洗練されている部分はある」
「ただ、その引き出しとしては、やっぱり経験上の自分の方が上かな、と思う。だから、その引き出しと経験の差を見せたいと思う」
つまり手塚は勝利へのあらゆる手段に通じているということだ。
さらに、5戦連続フィニッシュ勝利という戦績もあり、手塚は初めてフィティケフをフィニッシュするアスリートになる、と宣言している。
「(勝ち方は)本当にいっぱいある。打撃でカウンター入れて倒すのもいいし、テイクダウンしてパウンドアウトもあるし、お腹に効かせてKOもあるだろう。相手は判定負けを1度だけしているが、KOでも一本でも負けたことがない」
「相手に初のフィニッシュ負けを経験させるつもりだが、僕の場合、戦いの流れに任せる。勝ち筋は本当にいっぱいある」
タイトル挑戦「さすがに期待はする 」
手塚裕之が「ONE 168: Denver」でイシ・フィティケフをフィニッシュできれば、ONEウェルター級MMA世界タイトルへの挑戦を強くアピールすることになる。
ただ、ウェルター級とライト級の2階級世界王者のクリスチャン・リー(シンガポール / 米国)は、今年11月に米国アトランタで行われる「ONE 169: Atlanta」でアリベック・ラスロフ(トルコ)を相手に防衛戦を行うことになっている。このため、手塚は暫定世界王座決定戦の可能性も考えている。
「さすがに6連続でフィニッシュすれば、(タイトル挑戦は)もう決まってもいいんじゃないかと思う。もちろんチャトリ(シットヨートンCEO)さんや運営が決めることだと理解しているが、さすがに期待はする 」
「ただ、クリスチャンは11月のアトランタ大会でライト級のタイトル戦を行うので、ウェルター級は少し停滞すると思う。暫定王座決定戦を実施してもらえるとうれしい」
9月7日の試合を念頭に置きつつも、手塚はONEウェルター級MMA暫定世界王座決定戦が組まれた場合の対戦相手の候補も考えている。
「クリスチャンと戦わないのであれば、前王者の(ゼバスチャン)カデスタム。(ロベルト)ソルディッチもすごく強い選手だと思う」