ダニー・キンガッド、DJとモラエスへのリベンジ狙う
先日公開されたONEチャンピオンシップの公式アスリートランキングを受けて、ダニー・キンガッド(フィリピン)は現在、ONEフライ級世界タイトルへの道のりに焦点を当てている。
フィリピンの名門格闘技ジム「チームラカイ」に所属するスーパースターのキンガッドは、フライ級のランキング2位。これまでも、以前敗れた2人の選手へのリベンジを狙っていたが、自分の立ち位置を確認した今、この2人との対戦に向けた決意を強めた。
フライ級の公式ランキングでは、ONEフライ級世界王者アドリアーノ・モラエス(ブラジル)を頂点に、ONEフライ級世界グランプリ(WGP)チャンピオンのデメトリアス・ジョンソン(米国)が挑戦者候補のトップにつけた。
この2人がキンガッドの驚異的な14勝2敗という戦績のうちの、2つの傷になっているのは偶然ではない。キンガッドはモラエスとジョンソンの両者に対し、すぐに再戦を望んでいることを明らかにした。
「彼らをターゲットにしている。彼らはフライ級の指標であり、自分の2つの負けは彼らが相手だったから、そう、再び挑戦することを望んでいる」とキンガッドは断言する。
キンガッドがモラエスと初めて対戦したのは2017年11月10日。フィリピン・マニラで開かれた「ONE:LEGENDS OF THE WORLD」のコーメインイベントで、ONEフライ級世界タイトルを賭けた試合だった。
ブラジリアン柔術黒帯のモラエスは、グラップリング(組み技)の熟練の技を披露してキンガッドをねじ伏せ、初めてのONE世界タイトル挑戦でベルトを獲得した。だがキンガッドはその時点から大きく進歩を遂げており、両者の再戦は大きく異なったものになるだろう。
「もう一度アドリアーノ(モラエス)と対戦するなら、特にテイクダウンと寝技のディフェンスで、もっと備えができていると思う」
「これらは改善すべき最も重要な点。打撃についても、パワーにもっと磨きをかけて、ノックアウトのチャンスがあった時に、着実に実行できるようにしないといけない」
モラエスと初対戦した時、キンガッドは21歳で、プロで7試合しかしておらず、モラエスのグラップリングの攻撃に対応するのに、十分な経験は持ち合わせていなかった。
「まだONEに参戦して2年目だったから、経験が大きな要因だったと思う。それでも世界タイトル戦のチャンスをもらった」
「もしもう一度できるなら、あの試合では見せられなかったたくさんの新しいスキルを見せられると思う。あれからたくさんのことを学んだ。様々なスタイルの選手と対戦して、経験を積んできた」
「上達し続けてきた。一生懸命トレーニングし、スキルを磨くことに集中し、自分のミスを反省することで、ここ数年で成果が出てきた」
2019年10月に東京で開かれた「ONE:CENTURY 世紀」のONEフライ級WGPでジョンソンと対戦した時、キンガッドは遥かに経験を積んでいた。総合格闘技で史上最高の選手と見なされているジョンソンを相手に、キンガッドは良いパフォーマンスを見せた。だが、最終的には判定で破れた。
キンガッドは伝説的な選手との対決で緊張していたと認める。ジョンソンが試合中、攻めにかかった時、キンガッドは圧倒されてしまったのだ。
「DJ(ジョンソン)に関しては、改善しないといけないことがたくさんある。特に、特に寝技にどう対応するかについて」
「モラエスと同様、DJは寝技もトランジションも非常に優れているから、自分はグラウンドゲームを上達させる必要がある。それに試合に入った時にあまりにも興奮しすぎた。これも、次の戦いで取り組まないといけないことだ」
キンガッドは試合終了のゴングが鳴るまで戦い抜いたし、フライ級世界王者に12回輝いたジョンソンが相手となれば、それ自体が功績とも言える。だがキンガッドは、試合が進むにつれジョンソンを倒すことが難しくなっていたことに気づいた。
この経験が、ジョンソンとの次の対戦に向けた攻撃プランに影響を与えてきた。
「再び戦う時は、前に出て攻め、フィニッシュを狙いに行く必要がある。試合が長引くほど、彼を倒すのは難しくなる」
キンガッドはジョンソン戦の後、今年1月の「ONE:FIRE & FURY」でシェ・ウェイ(中国)にユナニマス判定勝ちを収めた。だがコロナウイルスの世界的流行により、次の試合は未定だ。
ONEが2020年の大会スケジュールを再開させたとき、モラエスとジョンソンは、ONEフライ級世界タイトルを賭けて対戦する予定だ。キンガッドはその試合の行方を注視している。
だが、次の試合で2人のうちのどちらかと対戦できなかったとしても、キンガッドは偉大な総合格闘家たちのすぐ後ろにつけていることをうれしく思っているし、チャンスが来る時までチームラカイでトレーニングに励むつもりだ。
「こういう話ができてうれしい。これらの全ての試合のおかげで、大きく変わることができたような気がする」
「当時、自分たちにはあまり経験がなかったから、これまでやってきたことが実を結んでいることはうれしい」
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