【4/29大会】緊急参戦のデ・リダー「今回もアウンラ・ンサンを倒す」
多くの選手が、いつでもどこでも誰とでも対戦する意思があると口にするが、ONEミドル級世界王者のライニアー・デ・リダー(オランダ)はそれを実際行動に移した。
デ・リダーは日本時間4月29日(木)に行われる「ONE on TNT IV」の宿敵のアウンラ・ンサン(ミャンマー)が有するONEライトヘビー級世界タイトルに挑戦するという試合のオファーを6日前に承諾した。
家族と過ごすためにトレーニングを一時中断してはいたが、30歳のデ・リダーは、米国のゴールデンタイムで生中継されるこの試合オファーを断ることはできないと感じたようだ。
「木曜日(4月23日)の朝、家族とビーチにいた時に電話を受けたんだ」と、デ・リダーは打ち明ける。
「すぐに返事をしたかったが、『妻と2秒ほど話をさせてくれ』と言って、すぐにかけ直して『ああ、やろう!』と言ったんだ」
デ・リダーは年間を通してトレーニングを行う熱心な格闘家であり、急なオファーではあったが、ONEの舞台での次の挑戦に向けてすでに準備を進めていた。
だからこそ、このチャンスが訪れた時にがっしりと掴んだのだ。
「これは2階級チャンピオンになるための大きなチャンスだ」
「毎日トレーニングしているし、(ONEウェルター級世界王者の)キャムラン・アバゾフとの試合が決まっていて、全力を注いでいたから、調子は万全だ」
「これまで以上に体が引き締まって強くなり、とてもシャープになった。ちょうど休暇で1週間休んでいたが、それも効いたかもしれない」
水着から試合用のショーツに着替えたデ・リダーは、その日の夜、ジムに直行してスパーリング。金曜日にもトレーニングを行い、土曜日には飛行機に乗ってシンガポールに向かった。
目まぐるしい日々ではあったが、デ・リダーはわずか6ヶ月前に倒した相手と再戦する準備ができていると信じている。
出場のチャンスはいつだってあり得ると知っていたし、ライトヘビー級の方が重い階級のため、急いで体重を合わせる必要もなかった。
「ここ数週間は、何となく頭の片隅で意識していたので、トレーニングも欠かさなかったし、やってやるぜ、という気持ちを絶やしたことはない」
「(体重を増やすための準備をする)時間があまりなかったんだ。いつもと違って、試合の週にたくさん食べているし、97、98キログラムだが、適正体重になっていて、これは自分の通常体重だ」
「だが、体重差はあまり気にしていない。自分の能力を最大限に発揮すれば、どんな体重でも、どんな場所でも、誰にでも勝てると思っている」
デ・リダーは、昨年10月の「ONE: INSIDE THE MATRIX」で当時7連勝中だったアウンラ・ンサンに第1ラウンドで一本勝ちし、ONEミドル級世界タイトルを獲得。ミャンマーの英雄を易々と倒し、世界中のファンに衝撃を与えた。
アウンラ・ンサンが有するONEライトヘビー級世界タイトルがかかった今回の再戦では、デ・リダーは相手が修正し、前回とは違ったゲームプランで臨んでくると予想している。だが、それでも前回と同じ結末を迎えるだろうと自信を見せる。
「彼はかなり準備をしており、これまでに対戦した中で最高の相手になると期待している」
「あんなに早く、しかも圧倒的に負けてしまったのだから、この半年間は自分のミスを修正しようと積極的に動いていたと思う。彼は真の格闘家だから、それだけを期待している」
「今回は、寝かせるのは少し難しいかもしれない。前回は、彼が自分に向かって走ってきて、早い段階でプレッシャーをかけようとしたので、それがテイクダウンをするのに有利に働いた」
「今回は彼は少し戸惑い気味に、そして注意深くなるだろうから、寝かせるのにもっと頑張らないといけない。けれども、再びグラウンド戦になって締め上げられる彼の姿が目に浮かぶ」
アウンラ・ンサンは今回の試合でデ・リダーと1勝1敗にするチャンスがあり、ひいては注目を集めるであろうラバーマッチも実現するかもしれない。しかし、デ・リダーは、今回も圧倒的な勝利を収めて、ライバル関係に終止符を打とうと考えている。
デ・リダーは、相手が追いついてくるのに十分な時間を経ていないと考えており、さらにアウンラ・ンサンよりも格上だと証明するために、圧倒的なフィニッシュを狙っている。
「今度もすぐに倒すつもりだ。ライバル関係を築くには、彼が自分を倒す必要があるが、倒せないだろう」
「今回の試合は、まったく違うものになると思う。ペースを上げるかどうかは自分にかかっている。相手を押し返して、いいパンチを見舞って、テイクダウンして、チョークしてやるつもりだ」
「(前回よりも)早く決着をつけることができればいいが、約束はできないね」
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