【2/26大会】王者エナッシ、2度目の防衛戦「ベルトを持ち帰る」
イリアス・エナッシ(オランダ / モロッコ)は、ONEスーパーシリーズにおけるタフな戦いはまだ始まったばかりだ、と考えている。ONEフライ級キックボクシング世界王者のエナッシにとって、頂点に立ち続けることは、そこに辿り着くよりも難しいことだからだ。
エナッシは、2月26日(金)にシンガポール・インドア・スタジアムで行われる「ONE: FISTS OF FURY」のメインイベントで、スーパーレック・キアトモー9(タイ)を相手に2度目の防衛戦に臨む。
「王者であり続け、(タイトルを)防衛し、トップに立ち続けることで、自分が真のチャンピオンであることを人々に示すことができる」と、試合を前にエナッシは話す。
「タイトルのために戦い、タイトルを守るたびに、自分がまだナンバーワンでると、人々に示すことができる」
エナッシのONEでの初の世界王座防衛戦は「ONE: AGE OF DRAGONS」で行われたワン・ウェンフェン(中国)とのラバーマッチだった。エナッシは、ワンを倒すという目的は達成したが、接戦を通じてよりハングリーになった。
フルラウンドのエキサイティングな戦いを見たファンには信じられないだろうが、エナッシはもっと良いパフォーマンスができたのではないか、と考えている。
「前回の試合はベストファイトではなかったけど、勝ったし、それが大事なことなんだ」
「(それほど良いパフォーマンスができなかったことは)自分にとって多分いいことだったと思う。だって、その2日後にはジムに行って、2度とああいうパフォーマンスをしないよう、よりハードに、ハードに、ハードにトレーニングをしたからだ」
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そして次にエナッシのベルトを狙うのは、キックボクシングではまだ新顔だが、輝かしい戦績を持つストライカーだ。
スーパーレックは2度ルンピニー・スタジアムでムエタイ世界王者になっており、ONEスーパーシリーズでは4勝0敗。唯一のキックボクシングマッチでも、勝利を挙げている。
エナッシは経験値で優位に立っているのは間違いないが、スキルに関しても同様に考えているようだ。
「オランダのキックボクシングの方が完成度が高いと思う」と、24歳のエナッシは話す。
「ムエタイのファイターはキックに重点を置いていると思うが、自分たちはキック、ヒザ、パンチを持っている。タイのファイターがキックボクシングに転向するとき、パンチを学び直さないといけない」
エナッシは、エリートのムエタイ選手であるスーパーレックのことを多少は知っているが、あまり具体的な考えは抱いていないようだ。
それは、エナッシが試合をコントロールし、自身のゲームプランを使い、必要に応じて調整するつもりだからだ。
「スーパーレックの試合を見たことがある。ONEチャンピオンシップにはいいファイターしかいない」
「しかし、自分は相手には集中していない。自分自身に集中している。試合当日になれば、対戦相手が非常にいいファイターかそうでないかは分かる」
「誰にでも弱点はあるが、自分は自分の試合をする。自分のスタイルがあるし、戦う時は自分のスタイルを切り替えることもできる」
実際にエナッシは様々な打撃の要素を融合することで、36勝3敗という驚異的な戦績を残している。
対戦相手にとってエナッシの研究は容易ではない。エナッシは、自身の最大の財産はファイティングIQだと考えている。
「自分ののスタイルは空手のファイターのようなものだと思う。たくさん動くのが好きだが、前に出て戦うこともできる」
「ボクシングもできるし、キックだけで戦う必要もない。だが、大きな違いは、自分は頭を使って戦うことだと思う。試合ではたくさんのことを考えている」
スーパーレックのような経験豊富なファイターを出し抜くには、スマートでなければいけない。エナッシは常に一手先を読むことができる。ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)をノックアウトして、世界タイトルを獲得した時のように。
この時のようなパフォーマンスが再びできれば、エナッシははフライ級キックボクシングの頂点に立ち続けることができるだろう。そして、同日の大会でONEでキックデビュー戦を迎えるONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンのロッタン・ジットムアンノン(タイ)のラブコールに答えることも視野に入ってくる。
「この試合のために毎日3回、ハードなトレーニングをしてきたし、自分の国、家族、そしてチームにベルトを持って帰る自分の姿が目に浮かぶ」
「スーパーレック戦はとても重要な試合だ。ナンバーワンであり続け、次戦は何かを知るため、一戦一戦がとても重要だ」
「自分はチャンピオンだから、多くのファイターが自分と戦いたいと思っている。それは普通のことだ。ロッタンが自分と戦いたいと言うなら、戦おう。ONEチャンピオンシップが組むのなら、どんなファイターが相手でも準備はできている」
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