【2/28大会】デニス・ザンボアンガ、山口芽生戦を振り返る
ONE女子アトム級世界王者のアンジェラ・リー(シンガポール)に挑戦する相手が、デニス・ザンボアンガ(フィリピン)に決まった。
ザンボアンガは2月28日(金)に開かれた「ONE:KING OF THE JUNGLE」で、タイトル戦に2度挑戦した実績のある山口芽生と対戦。驚くような素晴らしいパフォーマンスを披露し、キャリア最大の勝利を獲得した。
ザンボアンガは3ラウンドに渡り、リーをも上回るかのような切れ味で山口のグラップリング(組み技)を封じ、見事なボクシングのスキルを見せ、そしてユナニマス判定で勝利を勝ち取ったのだった。
シンガポール大会での勝利により、ザンボアンガは無敗記録を伸ばし、戦歴を7勝0敗とした。この素晴らしいパフォーマンスは、チャトリ・シットヨートンONE会長兼グループCEOを動かした。
チャトリ会長が試合終了直後、リーの次の挑戦者をザンボアンガに決定すると発表。23歳のザンボアンガは歓喜に沸いたのだった。
試合を終えて落ち着きを取り戻したザンボアンガが、試合を振り返るとともに、リー戦に向けた意気込みを語る。
ONEチャンピオンシップ:山口芽生のような経験豊富な相手との試合はどう感じたか?
デニス・ザンボアンガ:もちろん、試合に向けて緊張はあったがそれは普通のことだ。だがこの階級でもっと先に進むために、絶対に勝たないといけないと思っていた。
それに、自分がまだ山口やリーのレベルには達していないと疑う人がたくさんいた。母国のフィリピンにさえもね!とにかく、そのおかげで彼らが間違っていると証明してやろうと燃えた。
この試合に向けた合宿の時からずっと兄と一緒だったから、とても自信が深まっていた。格闘技を始めた時から一緒にいてくれた人だから、練習から実際の試合まで一緒にいてくれたことで、今までで一番、自信を持つことができた。
ONE:観客のいない会場はどう感じたか?
ザンボアンガ:ただのスパーリングをしているような気分だった。コーナーからの指示がはっきりと聞こえた。
ONE:どういう戦略で試合に臨んだのか?
ザンボアンガ:ゲームプランはパンチでいくこと。相手を研究した結果、キックを使うことは敢えて避けた。簡単に足を取られて倒されるからだ。パンチで攻撃して、テイクダウンを防ぐことに重点を置いた。
山口の顔の片側が腫れていたから、コーナーからはそっちにパンチし続けるよう指示が続いた。でも打ち合っている時、フィリピンで韓国の選手を相手に戦った時のことがフラッシュバックして、これ以上ダメージを与えなくないと思うほどだった。
でもためらっているうちに流れを逃すこともあるから、そういう感情を追いやることを学ばないとと思った。
ONE:自分が優勢だと感じたのはいつか?
ザンボアンガ:第1ラウンド、打ち合うたびに、相手のパンチは受けても大丈夫だと気づいた。スタンプ・フェアテックス(タイ)のパンチはもっと強いと感じた。ジムでチームメイトの強打に慣れたのかもしれない。
ONE:テイクダウンのディフェンスは素晴らしかった。この試合のためにいつもより取り組んできたのか?
ザンボアンガ:ジヒン・ラズワン(マレーシア)戦の準備をしている時に既にディフェンスに取り組んでいた。長い間やってきたから、自分にとって有利な点として機能したと思う。
前回のジヒンとの試合では、まるで自分が自分でないように感じた。早いうちにスタミナが切れ、コンディショニングもいつもより悪かった。
ONE:打撃を見せたいと言っていたが、それについては満足できたか?
ザンボアンガ:あまりそうでもない。テイクダウンに来た時のためにヒザ蹴りを練習していたが、見せられなかった。
頭の動かし方も良くなかったように思う。でもそれは、相手のパンチが怖くなかったからだと思う。全体的に言うと、やはりもっと見せられるものを持っているし、できれば次の試合ではキックも披露したい。
ONE:山口の締め技がきつく決まっているように見えた時があったが、どうだったのか?
ザンボアンガ:もしパニックになってしまったら、あのレッグロックはがっちり決まってしまっていただろう。でもそういう状況になっても、逃げだす道を探せるよう、落ち着いていることができた。
どうやって逃げ出すのか思い出すために、本当に冷静になる必要があった。打撃を出し続け、そこから締まりが緩んできた。
ONE:試合終了のゴングの後、ダンスの動きを見せた。チームメイトのスタンプの影響か?
ザンボアンガ:そんなに似ていたかな(笑)?次は総合格闘技に加えて、ダンスの動きでも練習しようかな。
ONE:前回の試合で100%の状態ではなかったと話していた。今回はオファーから試合まであまり時間がなかったにもかかわらず、パフォーマンスは素晴らしかった。違いは何か?
ザンボアンガ:前回は、特にONEの計量のシステムをはじめ、全てが初めてだった。今回はただ慣れたんだと思う。
ONE:ONE実況のミッチ・チルソンに、次は世界タイトル戦だと言われた時はどう思ったか?
ザンボアンガ:本当に感情があふれてきた。実は、試合の前にチャトリ会長に、勝てば世界戦もあり得るから勝たないとだめだと言われていた。
それで一層、勝ちたいという気持ちが強くなった。試合後に実際に、チャトリ会長から挑戦者になると言われ、本当にうれしかった。自分で勝ち取ったように感じて、とても特別なものになった。