【11/4大会】双子で世界王者目指すタイ・ルオトロ「重圧をはねのけるのは得意」
タイ・ルオトロ(米国、20)は今週末、悲願のONEチャンピオンシップのベルトをかけた戦いに臨む。
11月4日(土)にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 16: Haggerty vs. Andrade」のコーメインイベントで、ONEデビューを迎えるマゴメド・アブドゥルカディロフ(ロシア、32)と、初代ONEウェルター級サブミッション・グラップリング世界王座をかけて対決する。
ルオトロはカリフォルニア州出身で、史上最年少のIBFFJ黒帯世界王者。その双子の片割れのケイドは、ONEライト級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンだ。
このため、この一戦は世界最高のグラップラーとしての地位を固めるだけではなく、兄弟ONE世界王者となるチャンス。
こうした大一番を前に、ルオトロはONEチャンピオンシップ編集部にこう話している。
「(重圧について)考えないことは不可能だ。みんな違うとは思うけれど、自分の場合は頭の中のあちこちでそういう考えが浮かんでくる」
「けれどもそういう重圧について考えないようにして、対戦相手に集中するのが自分の仕事だと思っている。タイトルのために戦うんじゃない、マゴメド(アブドゥルカディロフ)と戦うんだって」
アブドゥルカディロフは、ロシア南部ダゲスタン共和国出身。知名度こそルオトロに劣るものの、ADCC欧州選手権を制覇したこともあり、総合力の高いタフなグラップリングのスタイルが持ち味だ。
こうした強敵だからこそ、ルオトロはタイトルよりも、この試合にどう勝つかに集中しているという。
「結局、一日中そのことばかりを考えている。夜は、どうやってマゴメドを倒すか、そのことばかり考えている」
一方、ルオトロは初代ONEウェルター級サブミッション・グラップリング世界王座を争う、という要素の影響もあることも認めている。
ただ、これまでにもプレッシャー下で試合をしてきた経験は豊富だ。
ルオトロはこう話している。
「もちろん、タイトルは重圧になっている。けれども、ケイドと自分はずっと重圧と向き合ってきたし、2人とも重圧をはねのけるのは得意だ」
「準備万全なら、相手が勝つ可能性はゼロ」
メンタル面では十分な自信があるタイ・ルオトロだが、「ONE Fight Night 16」でマゴメド・アブドゥルカディロフを倒すには、フィジカル面での最高のパフォーマンスが求められる。
ルオトロはアブドゥルカディロフのレスリングの強さを承知しているが、積極的にテイクダウンを狙うという自身の定番のゲームプランを変えるつもりはないようだ。
「最初からぶつかり合っていく試合になる。マゴメドのレスリング技術は優れている。けれど、自分のレスリングだってこの4年でかなり向上したから、この試合で試すのが楽しみだ」
ルオトロはひとたび試合が始まれば、3歳からブラジリアン柔術のトレーニングをして磨き上げてきたフィニッシュへの本能を発揮できると確信している。
ルオトロは、現在の心境をこう説明している。
「隙を見つけるのはそう簡単にはいかないだろうけれど、自分もケイドも17年間トレーニングしているんだ。だから、隙を見つけるのは得意だし、見つけられるはずだ。もしできなかったら、ちゃんとやるべきことをやってない、ということなんだ」
「自分が万全の準備をしていれば、相手が勝つ可能性はゼロだと思っている。それはあり得ない」
ルオトロは、アブドゥルカディロフ戦には、一本勝ち以外は負けに相当するという心構えで挑むようだ。
だが、特定の技でフィニッシュを狙うよりも、利用できるものはなんでも利用するつもりだという。
「以前はやりたいサブミッションが決まっていた。ダースチョークを決めたいとか、バギーチョークをやりたいとかって。でも今は、何がなんでも一本勝ちしたい、というだけだ」