【9/30大会】ケリー、“世界一”のカーンにも「一本勝ちできる」
ダニエル・ケリー(米国)は、古くからのライバルにリベンジをし、自身こそが地上最強のアトム級サブミッション・グラップラーだと証明したいと燃えている。
9月30日(土)にシンガポール・インドア・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 14: Stamp vs. Ham」で、ケリーは2023年のIBJJF世界柔術選手権で金メダルを獲得したばかりのジェサ・カーン(カンボジア / 米国)とONEアトム級サブミッション・グラップリング初代世界王座を争う。
この一戦は、ONEチャンピオンシップ初の女子サブミッション・グラップリング世界タイトルマッチとなる。
両者はかつて対戦したことがある。2021年の米国のノーギ・グラップリング大会では15分にわたるハイペースな戦いを繰り広げ、カーンが判定勝ちとした。
当時はケリーはプロの世界で名が知られつつあった段階だったが、カーンは当時黒帯になったばかりにもかかわらず期待の若手選手と見なされていた。
この初対戦を振り返り、ケリーは当時は単に気持ちの準備ができていなかっただけだ、とONE編集部に話している。
「メディアを見すぎていた。だから『ああ、緊張する、こんなレベルの高いグラップラーと対戦するなんて』というふうに思っていた。それに、自分はあまり対戦経験がなかったから、精神状態は本当に今とは違っていた」
その後、ケリーは経験を積んで勝ち星を積み重ね、ONEにも参戦して現在までに3戦無敗としている。
こうして世界タイトルマッチでカーンと再戦するチャンスを手に入れた。
ケリーはこの2年間で成長したと自信を見せる一方、カーンについては停滞気味だと評している。
「彼女の戦い方はよくわかっていると思う。自分のやり方、ディフェンス、攻撃は彼女よりも上だと思うし、何を繰り出されても対応するつもりだ。自分は、本当に強い人たちや女子選手とトレーニングしている。どう出てこられるかわかっているし、それに対する準備もできている。でも、彼女は前に対戦したときから変わっていないと思う。だから、どうなるかな」
レア技か「リアネイキッド・チョークで一本」
ONEで驚異的な活躍を続けているダニエル・ケリーだが、ジェサ・カーンとの世界タイトルマッチでは、アンダードッグのような気分でいる。
カーンは今回の試合にはONEのニューカマーとして臨むが、2023年のIBJJF世界柔術選手権で金メダルを獲得したばかりだからだ。
だが、ケリーはこうしたカーンの実績にひるまず、自身は簡単に負ける選手ではないと示したいという。
「自分は最高の選手たちとトレーニングをしてきたと思う。それに世界選手権のチャンピオンだからって、タイトルをたくさん持っていたって、誰よりも強いということではない、と証明するつもり。この試合では、彼女が有利という見方がされていると思うけれど、自分は世界チャンピオンじゃなくても彼女に一本勝ちできるってわからせたい。彼女は倒せる。これが自分がこの試合で証明したいことだ」
ケリーは、カーンを単に倒してアトム級サブミッション・グラップリングのタイトルを獲得するのではなく、それを特別な方法でやり遂げるつもりだ。
柔術の派手でめずらしいサブミッションの技である「スパイン・スナッピング・ツイスター」を決めたいと思っているのだ。カーンはかつてツイスターで負けたことがあるため、同様の戦略が有効なのではないかと考えたのだ。
さらに、この技が決まらない場合は定番のリアネイキッド・チョークで仕留めたいという。
ケリーはこう話した。
「彼女が前にツイスターをかけられたのを知っているから、今度は自分がしたい。今回の試合はツイスターを決めるか、バックをとってチョークを決めるか。そのどちらかだ」