フォラヤンとクリスチャン・リー、双方対決に意欲
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)は現在、エディ・アルバレス(米国)との再戦の機会を狙っているが、もう1人のスーパースターが、フォラヤンとの対戦に興味を示している。ONEライト級世界王者のクリスチャン・リー(シンガポール)だ。
「ONEのケージ『サークル』に、エドゥアルド ・フォラヤンと入りたい」とリーは話す。「彼がキャリアで成し遂げた全てのことに、多くの敬意を払っている。自分たちはファンのために素晴らしい試合を披露できると思う」
実際、フォラヤンは13年間の総合格闘技のキャリアの中で、数多くを成し遂げてきた。
2007年6月にプロデビューし、Allan Coを相手に第1ラウンドTKO勝ち。フィリピンの総合格闘技団体「Universal Reality Combat Championship」のウェルター級タイトルを獲得し、涙を流して喜んだ。
ウーシューのスペシャリスト、フォラヤンは、続く9試合で8勝し、2011年9月にONEチャンピオンシップ参戦を決めた。
ONEでの最初の数年間では逆境を経験したが、献身的な努力により一貫して上達し続け、最終的には報われることになる。
2016年11月、日本の格闘技の象徴である青木真也を第3ラウンドTKOで破り、ONEライト級世界タイトルを獲得して、総合格闘技の世界で頂点に立った。
フォラヤンは1年後にそのベルトを失うが、2018年11月、シンガポールのノックアウトアーティスト、アミール・カーンをユナニマス判定で破り、空位だった王座を取り戻した。その瞬間をより特別なものにしたのは、この偉業を、フィリピン・マニラの母国のファンの前で成し遂げたということだ。
フォラヤンはその後、青木にベルトを奪われたものの、依然として危険な選手であることには変わらない。タイトル戦に再び手が届くところまで、かなり近いところにいる。
これはリーも理解している。そのためリーは、フォラヤンの業績とスキルに対して多大な敬意を払っている。
「エドゥアルド(フォラヤン)は非常に優れたストライカーであり、現在はレスリングと柔術を磨いている」
「でも本当の強みは、彼の強い心と、闘争本能だと感じている。ONEライト級世界王者に2度もなった選手だから、そうそう弱点はない。素晴らしいファイターだと思う」
一方、リーはここまで、ライト級最高のファイターとしての地位を固めてきた。
2019年5月にライト級に階級を上げ、友人であり、シンガポールのメガジム「Evolve MMA」のチームメイトでもある青木と対戦。ノックアウト勝利でONEライト級世界タイトルを奪取した。
さらにONEライト級世界グランプリ決勝で、ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)をユナニマス判定で下して優勝。立ち位置を一層、強固なものにした。
シンガポール系米国人のリーは現在、ベルトを守り、ONEで自身のレガシーを作り上げることに焦点を当てている。 フォラヤンのような現代の伝説を倒すことは、確かに彼の目標に沿うだろう。
一方のフォラヤンも、ライト級の王者への挑戦を楽しみにしている。ただ、ONEの公式アスリートランキングを上げるには、時間がかかることもわかっている。
「自分がクリスチャン・リーと対戦した場合、非常に難しい試合になるだろう。自分はまだ世界タイトル戦には程遠いところにいるが、将来的には彼と対戦することを楽しみにしている」
「彼の上達ぶりには非常に感銘を受けた。アスリートとしての成長が見てとれた。彼との対戦は自分にとって大きなチャレンジになる。ぜひ対戦したいし、その時までチャンピオンでいてほしいよ」